平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要

都道府県名 長崎県
推進地域名 長崎市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

研究テーマ

「地域に開かれた水産(鶴洋)高校を目指して」

研究において特に重点を置いたところ

 長崎鶴洋高校の臨海実習場では、マダイやヒラメ等の有用水産生物の種苗生産を行い、周辺海域における水産資源維持・増大を目的とした放流事業を行っている。そこで長崎水産(鶴洋)高校においては、この充実した施設設備を備えた臨海実習場を地域社会にも活用してもらい、水産(鶴洋)高校のもつ教育的・文化的 機能や施設を広く地域社会に開放するために、本校もしくは臨海実習場周辺の小学校や養護学校との交流学習を中心としたテーマを設定した。本研究にあたっては、水産増殖科の生徒が主体となり、主に生物の飼育・観察・放流等を通じての生徒間の心のふれあい、地域社会への貢献等に重点において研究を行った。

○活動の成果

 小学校や養護学校との交流においては、お互いの行事の都合上、当初の計画の変更を余儀なくされることが多かったのにもかかわらず、全体的にスムーズな運営ができた。これは交流の相手校が、今年度初めてのところではなく、以前にも交流を行ったことのある相手校であったため、互いの意思疎通がうまくいきスムーズな運営に繋がった。交流するにあたって、本校生徒に対する事前指導に充分な時間を費やした成果もあり、今年度は本校生自身の交流に対する取り組みに積極的な姿勢をうかがうことができ、非常にうれしく感じた。また、自らが持っている知識を相手校の生徒に説明することによって知識の再確認にもなったと思われる。交流相手校の生徒達も自ら積極的に交流を行おうとする姿勢が見え、また生き物に対して非常に興味をもって接してくれたため、充分な成果を上げることができたであった。
 また、他校との交流活動だけではなく、「地域開放講座」や「感謝祭への出展」などの活動は、本校の教育内容を広く一般の人達に知ってもらい、専門的知識・技術を教授するよい機会であった。

○今後の課題およびこれからの取組

 今後の課題としては、活動内容に稚魚などの生き物を使用するため、時季的な都合(産卵時期のずれ、成長具合の不振等)があり、活動内容の変更を余儀なくされることが多かった。「小学校との交流」ではお互いの行事の都合があり、交流日程の設定が合わないことが多かった。
 また、5月、6月にこれらの交流が集中するため、交流日程のスケジュールが過密になり、一つの小学校との交流日数を多くとることができなかった。よって次年度以降の交流活動においては、事前計画をしっかりと行い、交流日数をしっかりと確保し、計画変更等もなるべく行わなくてすむようにしたい。「地域開放講座」においては土曜日に開催したにもかかわらず、全体的に参加者が少なかった。講座開催のアピール方法など再考する必要がある。また、「地元漁協と連携の稚魚放流・ヒトデ捕獲」の活動は、放流・捕獲後の追跡調査等を行い、地域水産資源の増減を継続して調査していく必要があると思われる。
 今後の取り組みについては、本プロジェクト推進事業終了後も、水産科全体もしくは学校全体の取り組みとして、他校との連携、学校開放等を積極的に行い、本校の持つ専門的な教育力を地域に還元してゆく必要があると思われる。また、大学や水産試験場などを見学したりインターンシップを体験するなど、他機関の持つ知識や技術を積極的に取り入れることにより、本校生徒の意識や知識・技術をより高めていくことも大切である。