平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要

都道府県名 広島県
推進地域名 広島市

○研究テーマ及び研究において特に重点をおいたところ

テーマ 「商業高校と地域の中学校や企業との連携のあり方について」

  • 中学生対象のパソコン教室や中学校の教員対象のマナー指導に関する研修会などを実施することにより,地域の中学校との連携のあり方を探るとともに本校の教育内容に対する地域の中学校の生徒・教員の理解を深める。
  • 本校生徒が地域商店街のイベントの企画・立案・実施を通じて参画することにより,地域の企業との連携のあり方を探り,本校の教育活動の活性化を図る。

○活動の成果

 みんなの専門高校推進プロジェクト事業の取組による連携先との関係を振り返ると,中学生に対する同一の授業を3度繰り返すことにより,P(Plan)・D(Do)・C(Check)・A(Action)(事業活動の「計画」「実施」「評価」「改善」)というマネジメント手法の検証を行うことができたことが成果の一つである。その他,生徒が中学生に対する指導を通じて,学習内容に対する理解を深めることができた点,地域に実際に出向いて学習する体験を通じ,実社会の現状と社会人としての応対等,学校にはない厳しい人間関係についても学ぶことができた点なども成果として挙げられる。
 専門高校の授業内容について,中学生へのPR活動を含んだ出前授業については,2年間で延べ約10,000人余りの中学生を対象として実施した。今後,マナーの習得など,出前講座を受講した生徒の成長に期待したい。
 2年間のすべての取り組みの評価を数値に置き換えることは難しいが,総評すれば,「改革のデパート」と例えられる様々な取組が,専門教育の活性化に向けた教職員の意欲を一層喚起し,新規事業“市商デパート”の次年度実施を決定したことが成果を象徴するものと言える。また,本校に対する中学生の進学ニーズについても,約2倍程度であった昨年の入学志願倍率は,今年度,若干下がりはしたものの,1.6倍の高さを堅持している。

○今後の課題及びこれからの取組

 中学校や大学などの教育機関,地域商店街や青年会議所等と連携した学校外での学習活動を活性化するためには,連携組織とともに専門教育を推進する三年間の系統的なカリキュラムの構築及び,活動に必要な教育予算の保障という二つの課題がある。
 今後は,地域商店街のHP作成支援活動などの先行事例に学びながら,進むべき方向性について検討を深めたい。また,本事業を契機に連携を深めることができた様々な組織との繋がりを維持することにより,校内だけでは十分に経験できない,本物(人・物・金)に触れる専門高校ならではの取組を継続して模索したい。その第一段として,産業界とのネットワークを活かし,より一層地域社会の協力を得てデパート形式による販売・経営学習「流通実験マーケット」を体験的に学ぶことを計画している。

○その他

 特記事項なし