平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要(1)

都道府県名 長野県
推進地区名 佐久市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

テーマ「地域の課題が僕らのテーマ」

 地球直しの臼田高校総合病院活動による研究活動の活性化
 臼田高等学校では平成15年度より地球直しの臼田高校総合病院活動と銘打って、地域の課題をくみ上げて各専門学科で研究活動に取り組んでいる。各専門学科が”地球直しの臼田高校総合病院活動”を合い言葉に地域の課題からテーマを見つけ研究活動をより一層活発化するためテーマを設定した。

重点を置いたところ

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 今年度は農業クラブ活動で研究テーマを推進するとともに、課題研究の中でオオアカウキクサの特性・栽培への利用・肥料や土壌改良材としての利用を研究した。

医王寺の仏像修復

 地域の寺である医王寺の仏像の補修復元に向けて事前調査や技術の学習と教育委員会との打ち合わせを行った。

入沢焼きの復興

 入沢焼きの初代窯元の塑像(恵比寿・大黒・不動明王・狐)復元と地域祭(小満祭)へ展示した。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 資源の再利用という観点から廃棄されて行く衣類をリメイクし再利用化を図るとともにものを大切にする心を養う。

○活動の成果

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 オオアカウキクサが水田を覆うことによる雑草抑制効果があること、また肥料としての利用の可能性があることが、地域での発表を通じて単なる雑草から絶滅危惧種であり農業利用できることが理解されてきた。このことにより佐久市上小田切十二新田集落の集落協定に臼田高校のオオアカウキクサの農業利用等の学校教育との連携が盛り込まれ、活動が円滑に行えた。

医王寺の仏像修復

 新聞報道を通じ地域の関心や期待が高まってきた。職員・生徒とも知識や技術面での研鑽が必要である。

入沢焼きの復興

 小満祭での展示では地域の方から昔懐かしい恵比寿・大黒等の展示に対し、お褒めの言葉をいただいた。薪窯を復元することができ今後の活用が期待される。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 2年間の活動を通じ素材の生かし方への発想力が高まったと考えられ、その感性がデザインへも生かされるようになってきた。

○今後の課題およびこれからの取り組み

佐久市上小田切地区地蔵池に生息する絶滅危惧種オオアカウキクサの農業利用の研究

 平成19年度は佐久地域の生産者へのこの技術が入っていく。成功するのが今後の広がりへの鍵であり今年が勝負の年である。臼田高校・佐久市十二新田・農業改良普及センターの協力が重要である。

医王寺の仏像修復

 新聞報道を通じ地域の関心や期待が高まってきた。職員・生徒とも知識や技術面での研鑽が必要である。

入沢焼きの復興

 小薪窯を復元することができ今後の活用が期待される。

廃棄される衣料のリメイクの研究

 生徒が古布利用に新たにどのような作品を考えるか。動機付けが必要である。

 以上の4テーマにとどまらず、地域の課題を掘り起こし、生徒のテーマとして設定し、生徒が専門科で学ぶことが地域へどのようにつながり、自らの学びが生かされていくか体感する場を作ってあげることが今後の課題である。


平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要(2)

都道府県名 長野県
推進地区名 佐久市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

テーマ「食農教育の推進のための地域における保育園・学校間連携のあり方を考える」
 自然体験から食農教育としてより体系的に行っていくため、指導研究を行った。

○活動の成果

(1)保育園との交流

  • 生徒と園児が会を重ねるたびに、コミニュケーションがとれ、ゆったりとした中で互いの交流ができた。収穫までに、除草などの管理をする場面も交流会の中に作った。収穫時には、秤を準備し、園児と一緒に重さを比較したり、植物の生育に興味を持ってもらうよう工夫した。
  • 今年度は、パンジーの植えかえも園児に体験させることにより、自分の育てた鉢花で「音楽会を飾りそれをプレゼントする」試みをし、園児に花への興味と親しみを持ってもらえるように考えた。
  • サツマイモの収穫時に親子で本校農場を訪れ、一緒に収穫交流したが、保護者から「我が子の交流の様子がよくわかり来年度も実施を」との声が聞かれ、保育園側も熱望している。学校開放・農場開放の一環としてはこれからの「地域に開かれた学校づくり」のきっかけになると思われる。

(2)小学校との交流

〈2年生との交流〉

  • 「食農、食育教育」の一環として、「土づくり〜食す」までの課程を、本校生徒との交流をしながら、体験的に学ぶことができた。高校生は、日頃の農業学習を相手の目線になって指導できるように工夫した。(説明図、各自の事前学習)
    例えば、発芽しなかったグループは、その理由(覆土が多かった)を考え、種の追播きをするなど、児童が失敗を通じて植物栽培の難しさを実感できる場面となった。
    また、互いが好感を持てる交流となった。特に、本年度は、収穫祝いとして、肉以外の材料は全て学校産(味噌や野菜等)のものを使い豚汁をつくり、会食を通じて、「食」への感謝と安全性を考えるきっかけとした。
  • 交流の回数や観察、収穫、最後に食すことを考えると、今後作目の検討が必要。

〈1年生の交流〉

  • 小学生にとって2年生の交流に向け動機付けになったこと、高校生にとっても自然観察・農業体験をより実践的な方法で行うことで、来年3月年で履修する科目への動機付けとなった。

○今後の課題

 本校には普通科の他に環境緑地科を含め3学科の専門科がある。農業学習を基盤とした食農・食育、または自然環境学習の視野を広め、互いの学科の総合的な協力の下で、「地域交流」を展開してはどうか。例えば、農産物を交流の中でつくり、その調理方法や栄養について、家庭科の先生方の協力を得る。自然環境学習の中で樹木の加工方法や利用方法について、インテリア科の協力を得る等。小学校への高校生の「出前授業」など互いが行き来をする交流に展開できればと思う。


平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要(3)

都道府県名 長野県
推進地区名 佐久市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

テーマ「臼高自然塾を通じた地域交流ボランティア活動の育成」
 この活動により実践的な環境教育の推進と地域文化活動への貢献、および休日の学校利用方法の研究を行う。

○活動の成果

○今後の課題およびこれからの取り組み

○その他