平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要

都道府県名 富山県
推進地域名 魚津市・黒部市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

 専門高校の専門性を生かした地域に根ざした活動として、下記の3つの取組を設定した。そして、これらの活動を通して、生徒自らが地域における自分達の役割と連帯感を認識するとともに、専門技術の習得への意欲向上につながればと考えている。また、参加者並びに協力していただいた方々から感想・助言をもらい、今後の取組への参考にしたい。

1インターンシップ事業

 近年、若年者の離職率の増加やフリーター、ニートと呼ばれる現象が社会問題となっている。そこで、少しでも早い段階で就業体験をすることで、働くことの意味を理解し、将来の生き方や進路を考えてもらうために、1年生全員が4月と7月に各2日間、地域の事業所等でインターンシップを体験させる。

2工業高校生による「ものづくり教室」

 工業高校生が教師役となり「ものづくり教室」の開催を通して、地域の小学生に少しでも「科学する心」を育んでもらい、ものづくりの楽しさを体験させる。また、高校生自身が自ら学び考える力を養うと共に地域との連帯感を深めさせる。

3高校生による「とやまの環境を考えるシンポジウム」

 高校生による「とやまの環境を考えるシンポジウム」の開催を通して、地域の中・高校生、社会人が地域の環境問題に対する関心を高める場を設ける。

○活動の成果

1インターンシップ事業

 インターンシップを通して、働くことの意義、社会人としてのマナー・心構え等を学ぶことができた。また、目的意識をしっかり持ちながら学校生活を送り、今後の進路選択にも多いに参考になった。

2工業高校生による「ものづくり教室」

 地域の小学生と「ものづくり」を通して交流を深め、作る喜び、作り上げた感動を共有するとともに、人を思いやる心を育み、「ものづくり」への興味も高まった。また、自分の学習する技術を更に深めるきっかけとなった。

3高校生による「とやまの環境を考えるシンポジウム」

 地域の中・高校生、社会人を含めた地域の団体と情報交換し、環境問題に対する興味関心が広まった。

○今後の課題及びこれからの取組

1インターンシップ事業

 地域の中・高校生、社会人を含めた地域の団体と情報交換し、環境問題に対する興味関心が広まった。

 生徒・保護者からは「体験先の希望をとって欲しい」、「宿泊する意味はあるのか」、「時期・期間について適切なのか」といった意見が出されたが、就業体験したことについては、殆どの生徒・保護者は「体験できてよかった」と回答していた。

 18年度入学生のインターンシップは、翌日の作業に影響しないように宿泊は行わず自宅から就業場所へ各自で通勤し好評だったので、次年度7月は3日間実施することと、卒業単位に組み込むことも検討している。また、17年度に体験した生徒については、自分が希望する事業所への自主的な参加を呼びかけ、最終的に自ら事業所に申し出、体験できるような環境を整備していく。

2工業高校生による「ものづくり教室」

 7月初旬に地元小学校にポスターを配付し案内した。2足歩行ロボットやライントレースカーという題材が子供達の心を捉えたのか多くの参加申し込みがあった。ただ、時間を持て余す子供も多く、進度にばらつきが見られた。オリジナリティのある製作物を検討し、製作後に競技会を開催したい。

3高校生による「とやまの環境を考えるシンポジウム」

 実施日が中学校の期末考査直前だったこともあり、例年に比べ中学生の参加が少なかった。多くの中・高生に参加してもらえるよう、各校の行事を考慮し、来年の実施時期を慎重に決定する必要がある。内容については、講演の内容がグローバルな内容であったこともあり、それに基づいたパネルディスカッションではやや論点がぼけた感じが否めなかった。助言者の方とよく協議した上でパネルディスカッションの進行を考えていきたい。

○その他

http://www.uozu-th.tym.ed.jp/
(※富山県立魚津工業高等学校ホームページへリンク)