平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要

都道府県名 千葉県
推進地域名 茂原市

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

研究テーマ

「茂原樟陽高校生による駅前商店街の活性化事業」

特に重点を置いたところ

  • (1) 本校から約1キロメートル離れた茂原駅前商店街と連携し、商店街駐車場に新たに新設されたイベント用の建物をアンテナショップとして活用し、学校の生産物・加工品等を販売し、商店街の活性化を図る。
  • (2) 農産物や加工品については、生徒が実習で販売をしているものの、時間が限られているため広い範囲では行えない。しかし、新鮮な農産物や加工品等については広く地域の方々が求めているものであり、販売を継続することにより地域との結びつきをさらに深める。
  • (3) 農産物販売をとおして、生徒のコミュニケーション能力を高める。

○活動の成果

 平成17年度及び平成18年度の2年間、茂原駅前商店街で農産物販売をとおした商店街の活性化に取り組んできた。「お客様を1人でも多く商店街に来てもらおう。」と試行錯誤しながら実施した。農産物の販売回数は、平成17年度が15回、平成18年度が18回であった。活動の成果を、「商店街に来て下さったお客様」、「商店街の店主の皆さん」、「生徒」の視点からとらえてみた。「商店街に来て下さったお客様」については、平成17年度の実施当初は、宣伝不足等で非常に少なかったが、その後、徐々に増えていった。18年度は、実施する曜日や時間帯が違っても、前年度からの取組が定着し来客数も多くなった。「商店街の店主の皆さん」について、店主の皆さんに、この2年間の取組についての感想を伺ってみたので多く寄せられた意見をここにあげる。

商店街の店主の皆さんの意見

  • 「生徒の皆さんが一生懸命販売をしている姿、とても気持ちよいものでした。ご協力有り難うございました。」
  • 「学校の近くは販売に歩くと聞きましたが、この辺は遠いので、これからも農産物販売が続くと新鮮で安い農産物を多くの方々に提供できるので、商店街の人々もとても期待しています。」
  • 「新鮮な野菜や卵等の販売有り難うございました。」

 「生徒」について、農産物販売をとおして様々なこと体験し学び取ってくれた。2年間の感想を書いた中から、生徒から多くあがった意見をまとめてみた。

生徒の意見

  • 「お客様とのコミュニケーションがとれ、たくさんの地域の方々と触れ合うことができ、良い経験になった。」
  • 「日常生活の中で、あまり地域の方々と会話をする機会がないので、私たちにとって良い経験になった。」
  • 「この春から社会人になるが、良い経験になった。この農産物販売をやっていて、接客とはどのようなものかよく理解できた。また、農産物に関する知識が豊富になった。」
  • 「商店街の活性化に向け商店街の方々の要望をもっと聞かせて欲しい。茂原樟陽高校としてできることは何でもチャレンジしたい。」
  • 「販売実習をとおして、クラスで一つのことに取り組む、協力することの楽しさを学んだ。」
  • 「地域との結びつきの大切さなど、今まで考えなかったことに気づくことができた。」

○今後の課題及びこれからの取組

 商店街での農産物販売は定着し、来客数も増加した。しかし、農産物を買った方が「商店街」をあまり利用していない状況である。また、実施したアンケートからもわかるように、商品の価格表示や説明など販売についての改善点も見つかった。これらのことを含め今後の課題を整理すると次のようになる。

 文部科学省の指定は、今年度で終了するが地域に根ざし地域から理解され、愛される学校、地域から求められる学校を目指し、2年間で培ってきた実践をもとに工夫・改善を加え、この取組をさらに推進・発展させていきたい。