平成17年度・18年度みんなの専門高校プロジェクト推進事業報告書の概要

都道府県名 福島県
推進地域名 棚倉町

○研究テーマ及び研究において特に重点を置いたところ

・研究テーマ

学校と地域相互の連携による農業教育の活性化と地場産業の振興について

・研究において特に重点を置いたところ

 研究・交流の中心となる柱として、「楽しい野菜づくりコレージュ・ド・農商」「ブルーベリー加工技術の支援」「サツマイモ栽培」「義務系及び緑化支援」「その他ボランティア活動」の5つを掲げ、それぞれの講座に職員を数名ずつ配置し、交流活動を分担して取り組むこととした。それによって、交流の効率化を図るとともに、本校生徒と教師が一体となって農業科の活性化や学力の向上を図った。
 また、棚倉町では平成17年度より町おこしとして遊休農地活用の一方策としてブルーベリー栽培を支援し、ブルーベリーの特産品化を目指して、本校に加工技術の支援を要請してきた。これを契機に、ジャム製品の開発に向けた加工支援を展開し、加工体験や商品化に向けた試みや試食会を数回開催し、ジャムを町の特産品の一つとして育てあげた。

○活動の成果

(1)コレージュ・ド・農商

 受講者の中には、2、3年と継続して野菜の栽培実習を続けている方がおり、栽培方法の工夫やアピオスなどの新しい野菜の作付けを行うなど、独自の試みが見られるようになった。また、受講者は年々野菜づくりに自信が持てるようになり、自分で作った採りたての野菜は本当においしいという声が多く聞かれた。

(2)ブルーベリーの加工支援

 ブルーベリー愛クラブや棚倉町商工農林課との連携を図りながら、ジャム製品の開発に向けた加工支援を展開し、加工体験や商品化に向けた試み・試食会を数回設けるなどして、ジャムを町の特産品の一つとして導いた。

(3)サツマイモの栽培

 平成15年度から地元小学校の「総合的な学習の時間」の一環として、サツマイモ栽培を支援してきたが、毎年収穫量も多く、高校生とふれあいながらの作業も貴重な体験になっている。収穫したサツマイモは家庭に持ち帰り調理したりバザーで地域の方に販売するなど好評をいただいており、今では社川地区のちょっとした名物になっている。

(4)義務系及び緑化支援

 小・中学校の先生方を対象に実施しているフラワーアレンジメントについては大好評であり毎年実施して欲しいとの要望がでる程であった。
 棚倉中学校の花壇づくりでは、中学校独自で、野菜づくりや花壇づくりなどを実施したくてもなかなか機会がなく、専門的な知識を持った身近な高校と一緒に作業をするなどして交流を深めることができたことは大変良かったとの感想をいただいた。
 ガーデニング教室では、大変楽しく受講できたとの感想が多く、まだまだ勉強して知りたいことが多くあるので来年度も実施して欲しいとの意見が全員の方から出た。

(5)その他ボランティア活動

 関係機関へのプランター設置やシクラメンの寄せ植え寄贈は、毎年恒例となり大変喜ばれている。生徒はボランティア精神を育む機会が多くなり、自主性や自発性が見られるようになり自信を持って積極的に活動するようになった。

○今後の課題及びこれからの取組

 今回の交流により地域との連携が更に深まりつつあるが、連携をより強固なものとするためには、校内の体制を強化し学校の教育計画の中で積極的な情報発信をすることが大切である。また、職員間の十分な討議と連携先との綿密な打ち合わせをし、生徒が主体的に交流が持てるよう教師の適宜助言が必要である。
 ブルーベリーの加工支援については、今後の新商品としてアイスクリームやジュース等が考えられるが現状の施設設備では限界があり進展していない状況にある。更に、予算の面でも削減され、これからの取り組みに影響を与えるものと予想される。
 様々な課題もあるが、今後も今までに行ってきた活動を継続するとともに、地域の方々からの要望や依頼があれば可能な限り応え、今後においても特色ある学校づくり・開かれた学校づくりに取り組んでいきたい。

○その他

 なし