平成14年度・15年度農業高校と農業大学校の連携推進事業 報告書の概要

2004年4月

都道府県名 山口県
推進地域名 山口県全域

 研究テーマ及び研究の重点
(研究テーマ) 「農業高校と農業大学校との連携の在り方について」
(研究の重点)
 農産物の生産に対する知識・技術や農業経営に必要な経営管理能力等を5年間一貫した教育により習得させるため、農業高校と農業大学校との継続的なカリキュラムや施設の共同利用の在り方などについて調査研究することにより、山口県の農業経営を担う人材の育成及び確保を図る。

 連携推進事業地区運営協議会の組織及びその活動内容(地区運営協議会)
ア 期日  
平成 15年2月26日(水曜日) 13時30分~15時30分
16年2月16日(月曜日) 13時30分~15時30分
イ 参加者   委員10名
ウ 協議事項   本協議会の趣旨、設置要綱の確認、会長・副会長の承認、事業概要の確認、全国連絡協議会の報告、平成14、15年度の取組み状況報告、今後の課題等

 連携推進校における活動内容及びその成果
 農業高校の教員と農業大学校の教員が5カ年の継続した農業教育ができるようお互いの教育内容について協議した。
 農業大学校生が農業高校を訪問し、畜産と園芸に関する内容について技術指導を行うとともに、お互いの交流を深めた。
 農業高校生が農業大学校を訪問し、イチゴの栽培方法や乳牛、肉用牛の飼育管理、受精卵移植、畜産加工実習などについて農業大学校の専攻生や教職員から技術指導を受け、高等学校では体験できない内容の学習を行うとともに、農業大学校への理解を深めた。
 農業大学校の教員を地域民間講師招へい事業の講師として農業高校へ招き、技術指導を受けた。
 農業大学校の職員と学生が農業高校を訪問し、学校生活や学習内容等について説明を行った。
 農業高校生と農業大学校生が共に地域の篤農家を訪問し、農業経営の効果的な手法等について学習した。
 農業大学校の研究発表会に農業高校の教員が参加し、農業大学校の学修について理解を深めた。
 農業大学校の体験入学「緑の学園」に農業高校生が参加し、理解を深めた。

 今後の課題として残ったこと及びその原因
今後の課題)
 5年間を見据えたカリキュラムについての研究
 農業高校の教員と農業大学校の職員との交流の場の設定
 教員・職員や生徒・学生の交流の定着
 就農を目指す若者たちへの支援方策についての研究
原因)
 農業大学校入学者には、農業高校出身者以外の生徒もおり、入学時に農業に関する知識・技術が一様でない。
 長期の人事交流には、教員資格などの課題がある。

 2年間の研究の全体的な評価
 本事業の取組みを通して、農業高校と農業大学校とがお互いの学習内容を理解し合うとともに、農業高校生にとっては農業大学校の施設・設備を用いて学校では学べない内容を学習でき、また、農業大学校生にとっては農業大学校で学修した内容の発表の場になるなど、知識や技術の定着を図る上で有効な学修の機会となり、農業高校と農業大学校の関係者が交流を深め、相互理解が進んだ。
 地区運営協議会においては、就農を目指す若者たちに対する期待感について県農業士協会の会長や新規就農支援センターの事務局長の篤い思いが語られ、指摘事項や提案などは農業に携わる教員や職員にとって今後の後継者育成の参考になった。


 

-- 登録:平成21年以前 --