平成28年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について
文部科学省では、各都道府県・指定都市教育委員会が実施した公立学校教員採用選考試験(以下「採用選考」という。)の実施状況について、例年調査を行っています。
このたび、平成28年度採用選考の実施状況を取りまとめましたのでお知らせします。
(平成29年1月31日 公表)
1.調査の概要
本調査は、全68都道府県・指定都市・豊能地区(大阪府)教育委員会において平成27年度に実施された平成28年度採用選考を対象として、受験者数、採用者数、受験者及び採用者の経歴等採用選考の実施状況について調査したものです。
2.結果のポイント
- 受験者総数は、170,455人で、前年度に比較して4,521人(2.6%)の減少
過去の推移をみると、昭和54年度から平成4年度までは一貫して減少を続けていたが、以後平成17年度までほぼ連続して増加、以後横ばい傾向の後、平成22年度から再び増加。近年は横ばい傾向となり、平成27年度は微減し、昭和61年度と同程度の水準となっている。
- 採用者総数は、32,472人で、前年度に比較して228人(0.7%)の増加
昭和54年度以降最も少なかった平成12年度を最低値として、増加が続いている。平成28年度は平成元年度~3年度と同程度の水準となっている。
- 競争率(倍率)は、全体で5.2倍で、前年度の5.4倍より減少
昭和54年度以降最高であった平成12年度をピークに減少傾向が続き、平成28年度は昭和54~63年度と同程度の水準となっている。
- 学歴別の採用率(受験者数に対する採用者数の割合)
国立教員養成大学・学部出身者が31.3%、大学院出身者が18.6%、一般大学・学部出身者が16.8%となっており、国立教員養成大学・学部出身者が他の出身者に比べて高い率で採用されている。
平成28年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について
1 概要
本調査は、平成27年度に68の各都道府県・指定都市・豊能地区(大阪府)教育委員会(以下「県市」という。)において実施された平成28年度公立学校教員採用選考試験(以下「平成28年度選考」という。)の実施状況について、その概要を取りまとめたものである。
2 受験者数について
(1)平成28年度選考における受験者数の状況(第1表、第2表、第3表、第4表)
受験者総数は170,455人で、前年度に比較して、4,521人(2.6%)の減少となっている。
受験者数の内訳は次のとおりである。
なお( )内は前年度に対する増減率である(以下同じ)。
- 小学校 53,606人(4.0%減)
- 中学校 59,076人(2.1%減)
- 高等学校 35,680人(1.9%減)
- 特別支援学校 10,601人(3.7%減)
- 養護教諭 9,890人(1.1%増)
- 栄養教諭 1,602人(3.0%減)
(2)受験者数の推移(第4表、図1)
受験者総数について過去の推移をみると、昭和54年度から平成4年度までは一貫して減少を続けていたが、以後平成17年度まで連続して増加、以後横ばい傾向の後、平成22年度から再び増加したが、平成26年度以降は微減傾向にあり、昭和61年度と同程度の水準となっている。
3 採用者数について
(1)平成28年度選考における採用者数の状況(第1表、第2表、第3表、第4表)
採用者総数は32,472人で、前年度に比較して、228人(0.7%)の増加となっている。
採用者数の内訳は次のとおりである。
- 小学校 14,699人(2.4%増)
- 中学校 8,277人(1.6%減)
- 高等学校 5,108人(1.4%増)
- 特別支援学校 2,846人(2.7%減)
- 養護教諭 1,334人(0.3%減)
- 栄養教諭 208人(16.2%増)
(2)採用者数の推移(第4表、図2)
採用者総数について過去の推移をみると、昭和54年度以降最も少なかった平成12年度を最低値として、増加が続いている。平成28年度は平成元年度~3年度と同程度の水準である。
4 競争率(倍率)について
(1)平成28年度選考における競争率(倍率)の状況(第1表、第2表、第3表、第4表)
競争率(倍率)は、全体で5.2倍であり、前年度の5.4倍より減少した。
試験区分別に見ると次のとおりである。
- 小学校 3.6倍(0.3ポイント減)
- 中学校 7.1倍(0.1ポイント減)
- 高等学校 7.0倍(0.2ポイント減)
- 特別支援学校 3.7倍(0.1ポイント減)
- 養護教諭 7.4倍(0.1ポイント増)
- 栄養教諭 7.7倍(1.5ポイント減)
(2)競争率(倍率)の推移(第4表、図3)
競争率(倍率)について過去の推移をみると、昭和54年度以降最高であった平成12年度をピークに減少傾向が続き、平成28年度は前年度より0.2ポイント減少した。これは昭和54~63年度と同程度の水準である。
5 各県市における受験者数、採用者数、競争率(倍率)の状況について(第2表、第3表)
受験者総数が多い県市は、次のとおりとなっている。
- 東京都 15,168人
- 大阪府 9,349人
- 埼玉県 8,753人
- 愛知県 7,653人
- 千葉県・千葉市 7,090人
採用者総数が多い県市は、次のとおりとなっている。
- 東京都 2,805人
- 大阪府 1,992人
- 埼玉県 1,726人
- 愛知県 1,499人
- 千葉県 1,422人
昨年度と比較し受験者数等に大幅な変動があった県市は、次のとおりとなっている。
- 受験者数について
愛知県 457人減
東京都 428人減
岡山県・岡山市 313人減
熊本県 291人減
埼玉県 283人減
- 採用者数について
大阪市 201人減
東京都 167人減
北海道 148人増
札幌市 133人増
宮城県、兵庫県 107人減
競争率(倍率)が高い県市は、次のとおりとなっている。
- 鹿児島県 10.9倍
- 沖縄県 9.7倍
- 秋田県 8.0倍
- 宮崎県 7.2倍
- 青森県、岩手県 6.9倍
競争率(倍率)が低い県市は、次のとおりとなっている。
- 富山県 3.3倍
- 山口県 3.7倍
- 滋賀県 3.8倍
- 広島県・広島市 3.9倍
- 茨城県 4.0倍
競争率(倍率)を学校種別にみると、競争率(倍率)が高い県市は、次のとおりとなっている。
小学校
- 鹿児島県 10.1倍
- 群馬県 7.9倍
- 沖縄県 5.9倍
- 宮崎県 5.7倍
- 岩手県 5.5倍
中学校
- 新潟県 13.9倍
- 秋田県 12.3倍
- 福島県 11.3倍
- 岩手県 11.0倍
- 鹿児島県 10.5倍
高等学校
- 鹿児島県 19.9倍
- 秋田県 15.1倍
- 福島県 13.9倍
- 山梨県 13.3倍
- 熊本県 13.2倍
競争率(倍率)が低い県市は、次のとおりとなっている。
小学校
1. 山口県、高知県 2.2倍
3. 広島県・広島市 2.6倍
4. 茨城県、新潟県、滋賀県、和歌山県、鳥取県 2.7倍
中学校
- 群馬県 4.0倍
- 佐賀県 4.2倍
- 岐阜県 4.3倍
- 広島県・広島市 4.4倍
- 茨城県、静岡県 4.5倍
高等学校
- 滋賀県 5.3倍
- 大阪府 5.4倍
- 茨城県 5.7倍
- 山口県 6.0倍
- 岐阜県 6.1倍
※校種別の競争率(倍率)については、異なる校種区分との共通実施、一括選考を行っている県市を除く。
6 受験者、採用者における女性の比率について(第4表、第5表)
受験者総数、及び採用者総数に占める女性の割合は、次のとおりとなっている(養護教諭、栄養教諭を除く。)
1.受験者 43.8%(1.0ポイント減)
- 小学校 53.1%(0.7ポイント減)
- 中学校 40.0%(1.3ポイント減)
- 高等学校 32.0%(0.9ポイント減)
- 特別支援学校 57.8%(0.7ポイント減)
2.採用者 52.3%(0.7ポイント減)
- 小学校 60.8%(0.5ポイント減)
- 中学校 43.5%(1.5ポイント減)
- 高等学校 35.8%(0.7ポイント減)
- 特別支援学校 63.2%(1.0ポイント減)
7 受験者、採用者の学歴(出身大学等)別内訳について(第6表)
受験者の学歴別内訳は、次のとおりとなっている。
- 一般大学・学部出身者 119,318人 70.0%
- 国立教員養成大学・学部出身者 27,643人 16.2%
- 大学院出身者 16,284人 9.6%
- 短期大学等出身者 7,210人 4.2%
採用者の学歴別内訳は、次のとおりとなっている。
- 一般大学・学部出身者 20,054人 61.8%
- 国立教員養成大学・学部出身者 8,642人 26.6%
- 大学院出身者 3,023人 9.3%
- 短期大学等出身者 753人 2.3%
学歴別の採用率(採用者数を受験者数で除したものを百分率で表したもので、受験者の何%が採用されたかを示す。以下同じ。)は次のとおりとなっており、国立教員養成大学・学部出身者が他の出身者に比べて高い率で採用されている。
- 国立教員養成大学・学部出身者 31.3%(1.8ポイント増)
- 大学院出身者 18.6%(前年度同)
- 一般大学・学部出身者 16.8%(0.6ポイント増)
- 短期大学等出身者 10.4%(0.2ポイント増)
※「短期大学等」には、短期大学のほか、指定教員養成機関、高等専門学校、高等学校、専修学校出身者を含む。
8 受験者、採用者における新規学卒者等の比率について(第7表、図4)
受験者総数、及び採用者総数に占める新規学卒者の割合は、次のとおりとなっている。
- 受験者 31.1%(0.8ポイント増)
- 採用者 36.2%(1.1ポイント増)
採用者総数に占める新規学卒者の割合について、過去の推移を見ると、平成6年度から平成14年度まで減少が続いたが、平成15年度に増加に転じて以降、平成17年度にわずかに減少した以外は、現在まで増加している。
採用率は次のとおりとなっており、前年度同様新規学卒者が既卒者よりも高い率で採用されている。
- 新規学卒者 22.2%(0.8ポイント増)
- 既卒者 17.6%(0.4ポイント増)
9 採用者における民間企業経験者等の人数及び比率について(第8表)
採用者に占める教職経験者、民間企業等勤務経験者の割合は次のとおりとなっている。
- 教職経験者 49.9%(1.0ポイント減)
- 民間企業等勤務経験者 4.6%(0.2ポイント減)
なお、教職経験者とは、採用直前の職として国公私立の教員であった者(非常勤講師も含む。)であり、民間企業等勤務経験者とは、採用直前の職として教職以外の継続的な雇用に係る勤務経験(いわゆるアルバイトの経験は除く。)のあった者である。