平成24年度 公立学校教員採用選考試験の実施状況について

　文部科学省では、各都道府県・指定都市教育委員会が実施した公立学校教員採用選考試験（以下、「採用選考」という。）の実施状況について、例年調査を行っています。

　このたび、平成24年度採用選考の実施状況をとりまとめましたのでお知らせします。
（令和3年2月2日　訂正※訂正箇所は正誤情報参照）

1 調査の概要

　　本調査は、全66都道府県・指定都市教育委員会において平成23年度に実施された平成24年度採用選考を対象として、受験者数、採用者数、受験者及び採用者の経歴等採用選考の実施状況について調査したものです。

2 結果のポイント

○受験者総数は、180,238人で、前年度に比較して1,858人(1.0％)の増加
　　過去の推移をみると、平成5年度から17年度までは増加傾向が続き、17年度以降は、増減を繰り返しながら横ばい傾向。22年度から増加。
○採用者総数は、30,930人で、前年度に比較して1,297人(4.4％)の増加
　　13年度以降は増加傾向。栄養教諭を除き対前年度比で増加。
○競争率（倍率）は、全体で5.8倍で、前年度に比較して0.2ポイント減少
　　13年度以降は低下傾向。小学校で0.1ポイント減の4.4倍、中学校で0.1ポイント減の7.7倍、高等学校で0.4ポイント減の7.3倍。
○学歴別の採用率（受験者数に対する採用者数の割合）
　　教員養成大学・学部の出身者で26.7％（3.7人の受験者に対し1人の割合で採用）、大学院で19.3％（同5.2人に1人）、一般大学で14.7％（同6.8人に1人）。

平成24年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について

1　概要

　本調査は、平成23年度に66の各都道府県・指定都市教育委員会（以下「県市」という。）において実施された平成24年度公立学校教員採用選考試験(以下「平成24年度選考」という。）の実施状況について、その概要を取りまとめたものである。
平成24年度選考の実施状況のポイントは、以下のとおりとなっている。

1. 受験者総数は180,238人で、前年度に比較して、1,858人(1.0％)の増加となっている。
2. 採用者総数は30,930人で、前年度に比較して、1,297人(4.4％)の増加となっている。
3. 競争率(倍率)は全体で5.8倍で、前年度に比較して0.2ポイント減少している。

2　受験者数について

（1）平成24年度選考における受験者数の状況(第1表、第3表)
　受験者総数は180,238人で、前年度に比較して、1,858人(1.0％)の増加となっている。
受験者数の内訳は以下のとおりであり、中学校を除き増加している。
　なお（　）内は前年度に対する増減率である（以下同じ）。

• 小学校　59,230人（ 2.4％増）
• 中学校　　62,793人（ 0.5％減）
• 高等学校37,935人（ 0.8％増）
• 特別支援学校　9,198人（ 2.9％増）
• 養護教諭　9,715人（ 1.7％増）
• 栄養教諭　1,367人（ 3.7％増）

（2）受験者数の推移(第3表、図1)
　受験者総数について過去の推移をみると、平成5年度から平成17年度までは、平成11年度選考で減少したことを除いて増加が続き、平成17年度以降は増減を繰り返して横ばいの傾向であったが、平成22年度からは増加している。

3　採用者数について

（1）平成24年度選考における採用者数の状況(第1表、第3表)
　採用者総数は30,930人で、前年度に比較して、1,297人(4.4％)の増加となっている。
採用者数の内訳は以下のとおりであり、栄養教諭を除き増加している。

• 小学校　13,598人（ 5.6％増）
• 中学校　8,156人（ 1.1％増）
• 高等学校5,189人（ 5.8％増）
• 特別支援学校　2,672人（ 5.5％増）
• 養護教諭　 1,184人（ 8.1％増）
• 栄養教諭　131人（12.7％減）

（2）採用者数の推移(第3表、図2)
　 採用者総数について過去の推移をみると、平成2年度から平成12年度まで減少が続き、平成13年度に増加に転じて以降、増加が続いている。

4　競争率（倍率）について

（1）平成24年度選考における競争率(倍率)の状況(第1表、第3表)
　競争率(倍率)は、全体で5.8倍であり、前年度の6.0倍から0.2ポイント減少している。
　試験区分別に見ると以下のとおりであり、栄養教諭を除き減少している。

• 小学校　4.4倍（0.1ポイント減）
• 中学校　7.7倍（0.1ポイント減）
• 高等学校　7.3倍（0.4ポイント減）
• 特別支援学校　3.4倍（0.1ポイント減）
• 養護教諭　8.2倍（0.5ポイント減）
• 栄養教諭　10.4倍（1.6ポイント増）

（2）競争率(倍率)の推移(第3表、図2)
　競争率(倍率)について過去の推移をみると、平成4年度から12年度まで上昇が続き、平成13年度に低下に転じた。その後、低下傾向が続き、平成24年度も低下している。

5　各県市における受験者数、採用者数、競争率（倍率）の状況について（第2表）

　受験者総数が多い県市は、以下のとおりとなっている 。

1. 東京都　18,773人
2. 大阪府　10,049人
3. 愛知県　9,091人
4. 埼玉県　7,908人
5. 兵庫県　7,673人

　　採用者総数が多い県市は、以下のとおりとなっている。

1. 東京都　3,736人
2. 大阪府　1,976人
3. 愛知県　1,670人
4. 埼玉県　1,519人
5. 千葉県　1,409人

　　競争率(倍率)が高い県市は、以下のとおりとなっている。　　　　

1. 宮崎県　14.4倍
2. 長崎県　13.0倍
3. 熊本県　12.3倍
4. 青森県、鹿児島県　11.2倍
5. 沖縄県 10.7倍

　　競争率(倍率)が低い県市は、以下のとおりとなっている。

1. 滋賀県　　　3.9倍
2. 浜松市　　　4.0倍
3. 富山県、北九州市　　4.1倍
4. 石川県、静岡市　 4.3倍
5. 千葉県・千葉市、香川県、大阪市　　4.5倍　

6　受験者、採用者における女性の比率について(第4表)

　受験者総数、及び採用者総数に占める女性の割合は、以下のとおりとなっている(養護教諭、栄養教諭を除く。）
1　受験者　　48.2％（0.1ポイント減）

• 小学校　57.6％（0.1ポイント減）
• 中学校　44.5％（0.5ポイント減）
• 高等学校　35.7％（0.7ポイント減）
• 特別支援学校　 63.4％（1.9ポイント増）

2　採用者　 53.8％（0.4ポイント増）

• 小学校　　63.0％（0.1ポイント増）
• 中学校　　45.1％（0.5ポイント増）
• 高等学校　37.4％（0.2ポイント減）
• 特別支援学校　66.1％（2.3ポイント増）

　採用者総数に占める女性の割合について過去の推移をみると、平成12年度から平成18年度まで増加が続き、平成19年度以降は増減を繰り返しながら減少傾向となっていたが、平成24年度は増加している。

7　受験者、採用者の学歴(出身大学等)別内訳について(第5表)

　受験者の学歴別内訳は、以下のとおりとなっている。

• 一般大学出身者　108,564人　 66.1％
• 教員養成大学・学部出身者　30,658人　 18.7％
• 大学院出身者　　16,848人　 10.3％
• 短期大学等出身者　8,181人 　 5.0％

　　試験区分別に見ると、全ての区分において一般大学出身者が最も多く、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭のそれぞれ58.0％、72.1％、72.6％、63.2％、53.0％、70.1％を占めている。
　採用者の学歴別内訳は、以下のとおりとなっている。

• 一般大学出身者　15,926人　56.7％
• 教員養成大学・学部出身者　8,191人　 29.2％
• 大学院出身者　3,250人　 11.6％
• 短期大学等出身者　730人　 2.6％

　試験区分別に見ると、すべての試験区分において一般大学出身者が最も多く、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、養護教諭、栄養教諭のそれぞれ52.4％、60.8％、 61.0％、59.1％、53.4％、67.7％を占めている。
　なお教員養成大学・学部については、試験区分別にそれぞれ37.9％、25.6％、14.4％、25.7％、26.0％、2.4％となっている。
　学歴別の採用率(採用者数を受験者数で除したものを百分率で表したもので、受験者の何％が採用されたかを示す。以下同じ。）は以下のとおりとなっており、教員養成大学・学部出身者が他の出身者に比べて高い率で採用されている。

• 教員養成大学・学部出身者　26.7％
• 大学院出身者　19.3％
• 一般大学出身者　14.7％
• 短期大学等出身者　8.9％

8　受験者、採用者における新規学卒者等の比率について(第6表、図3)

　受験者総数、及び採用者総数に占める新規学卒者の割合は、以下のとおりとなっている。

• 受験者　29.6％（0.4ポイント減）
• 採用者　32.0％（昨年度と同率 ）

　　採用者総数に占める新規学卒者の割合について、過去の推移を見ると、平成5年度から平成14年度まで低下が続き、平成15年度に増加に転じて以降、平成17年度にわずかに減少した以外は、平成23年度まで増加が続き、平成24年度は同率となっている。
　採用率は以下のとおりとなっており、前年度同様新規学卒者 が既卒者よりも高い率で採用されている。

• 新規学卒者　18.5％
• 既卒者　 16.6％

9　採用者における民間企業経験者等の人数及び比率について(第7表)

　採用者に占める教職経験者、民間企業等勤務経験者の割合は以下のとおりとなっている。

• 教職経験者　54.8％（0.9ポイント増）
• 民間企業等勤務経験者　5.5％（0.2ポイント増）

　　　なお教職経験者とは、採用前の職として国公私立の教員であった者（非常勤講師も含む。）であり、民間企業等勤務経験者とは、採用前の職として教職以外の継続的な雇用に係る勤務経験（いわゆるアルバイトの経験は除く。）のあった者である。