平成20年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について

文部科学省では、各都道府県・指定都市教育委員会が実施した公立学校教員採用選考試験(以下、「採用選考」という。)の実施状況について、例年調査を行っています。このたび、平成20年度採用選考の実施状況をとりまとめましたのでお知らせします。

1.調査の概要
本調査は、全64都道府県・指定都市教育委員会において平成19年度に実施された平成20年度採用選考を対象として、受験者数、採用者数、受験者及び採用者の経歴等採用選考の実施状況について調べたものです。

2.結果のポイント

  • 採用者総数は24,850人で、前年度に比較して2,203人(9.7%)の増加となっており、競争率(倍率)は全体で6.5倍で、前年度に比較して0.8ポイント低下しています。
  • 採用者数は特に高等学校で576人(22.5%)の増、特別支援学校で526人(37.2%)の増で、増加の割合が高くなっています。
  • 採用者数と競争率(倍率)の過去の推移をみると、採用者総数は平成13年度以降増加の傾向が続いており、競争率(倍率)は平成13年度以降低下の傾向が続いています。
  • 受験者総数は161,300人で、前年度に比較して3,951人(2.4%)の減少となっています。
  • 受験者総数について過去の推移をみると、平成5年度から平成17年度までは増加傾向が続き、平成17年度以降は増減を繰り返して横ばいの傾向となっています。

結果の詳細は以下の資料及び図表をご覧ください。

平成20年度公立学校教員採用選考試験の実施状況について

1 概要

 本調査は,平成19年度に64の各都道府県・指定都市教育委員会(以下「県市」という)において実施された平成20年度公立学校教員採用選考試験(以下「平成20年度選考」という)の実施状況について,その概要を取りまとめたものである。
 平成20年度選考の実施状況のポイントは,以下のとおりとなっている。

  • 受験者総数は161,300人で,前年度に比較して,3,951人(2.4%)の減少となっている。  
  • 採用者総数は24,850人で,前年度に比較して,2,203人(9.7%)の増加となっている。
  • 競争率(倍率)は全体で6.5倍で,前年度に比較して0.8ポイント低下している。

2 受験者数について

(1)平成20年度選考における受験者数の状況(第1表,第3表)
 受験者総数は161,300人で,前年度に比較して,3,951人(2.4%)の減少となっている。受験者数の内訳は以下のとおりであり,小,中,高校,栄養教諭では減少,特別支援学校,養護教諭では増加となっている。
 なお( )内は前年度に対する増減率である(以下同じ)。
・小学校 53,061人( 0.6%減)
・中学校 58,647人( 3.1%減)
・高等学校 33,895人( 7.0%減)
・特別支援学校 6,827人( 9.8%増)
・養護教諭 8,611人( 3.0%増)
・栄養教諭 259人(14.8%減)

(2)受験者数の推移(第3表,図1)
 受験者総数について過去の推移をみると,平成5年度から平成17年度までは,平成11年度選考で減少したことを除いて増加が続き,平成17年度以降は増減を繰り返して横ばいの傾向となっている。

3 採用者数について

(1)平成20年度選考における採用者数の状況(第1表,第3表)
 採用者総数は24,850人で,前年度に比較して,2,203人(9.7%)の増加となっている。採用者数の内訳は以下のとおりであり,ほぼ全ての校種において増加している。
・小学校 12,372人( 6.8%増)
・中学校 6,470人( 4.9%増)
・高等学校 3,139人(22.5%増)
・特別支援学校 1,939人(37.2%増)
・養護教諭 886人( 5.5%増)
・栄養教諭 44人(39.7%減)

(2)採用者数の推移(第3表,図2)
 採用者総数について過去の推移をみると,平成2年度から平成12年度まで減少が続き,平成13年度に増加に転じて以降,平成20年度まで増加が続いている。

4 競争率(倍率)について

(1)平成20年度選考における競争率(倍率)の状況(第1表,第3表)
 競争率(倍率)は,全体で6.5倍であり,前年度の7.3倍から0.8ポイント低下している。試験区分別に見ると以下のとおりであり,ほぼ全ての区分において低下している。
・小学校 4.3倍(0.3ポイント減)
・中学校 9.1倍(0.7ポイント減)
・高等学校 10.8倍(3.4ポイント減)
・特別支援学校 3.5倍(0.9ポイント減)
・養護教諭 9.7倍(0.2ポイント減)
・栄養教諭 5.9倍(1.7ポイント増)

(2)競争率(倍率)の推移(第3表,図2)
 競争率(倍率)について過去の推移をみると,平成4年度から12年度まで上昇が続き,平成13年度に低下に転じた。その後,平成19年度にわずかに上昇した以外は,低下が続いている。 

5 各県市における受験者数,採用者数,競争率(倍率)の状況について(第2表)

 受験者総数が多い県市は,以下のとおりとなっている  。
 (1)東京都 12,369人
 (2)大阪府 10,608人
 (3)愛知県 8,003人
 (4)北海道 7,487人
 (5)神奈川県 6,559人

 採用者総数が多い県市は,以下のとおりとなっている。
 (1)東京都 2,641人
 (2)大阪府 1,961人
 (3)愛知県 1,653人
 (4)神奈川県 1,145人
 (5)埼玉県 1,098人    

 競争率(倍率)が高い県市は,以下のとおりとなっている。
 (1)鳥取県 21.3倍
 (2)秋田県 19.7倍
 (3)青森県 16.5倍
 (4)福島県 16.5倍
 (5)大分県 15.7倍

6 受験者,採用者における女性の比率について(第4表) 

 受験者総数,及び採用者総数に占める女性の割合は,以下のとおりとなっている(養護教諭,栄養教諭を除く)。
・受験者 50.8%(1.4ポイント減)
・採用者 56.3%(1.6ポイント減)

 採用者総数に占める女性の割合について過去の推移をみると,平成12年度から平成18年度まで増加が続き,平成19年度,20年度は続けて減少している。

7 受験者,採用者の学歴(出身大学等)別内訳について(第5表)

 受験者の学歴別内訳は,以下のとおりとなっている。
・一般大学出身者 94,731人、62.9%
・教員養成大学・学部出身者 32,307人、21.4%
・大学院出身者 13,868人、9.2%
・短期大学等出身者 9,786人、6.5%

 試験区分別に見ると,養護教諭を除いて一般大学出身者が最も多く,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校,栄養教諭のそれぞれ51.4%,70.6%,74.1%,59.2%,56.8%を占めている。養護教諭では短期大学等出身者が最も多く,全体の41.5%を占めている。

 採用者の学歴別内訳は,以下のとおりとなっている。
・一般大学出身者 12,381人、54.1%
・教員養成大学・学部出身者 7,434人、32.5%
・大学院出身者 2,206人、9.6%
・短期大学等出身者 868人、3.8%

 試験区分別に見ると,すべての試験区分において一般大学出身者が最も多く,小学校,中学校,高等学校,特別支援学校,養護教諭,栄養教諭のそれぞれ49.1%,61.7%,64.1%,51.5%,38.0%,65.9%を占めている。
なお教員養成大学・学部については,試験区分別にそれぞれ41.2%,24.9%,13.8%,34.0%,30.2%,0.0%となっている。 

 学歴別の採用率(採用者数を受験者数で除したものを百分率で表したもので,受験者の何%が採用されたかを示す。以下同じ。)は以下のとおりとなっており,教員養成大学・学部出身者が他の出身者に比べて高い率で採用されている。
・教員養成大学・学部出身者 23.0%
・大学院出身者 15.9%
・一般大学出身者 13.1%
・短期大学等出身者 8.9% 

8 受験者,採用者における新規学卒者等の比率について(第6表,図3)

 受験者総数,及び採用者総数に占める新規学卒者の割合は以下のとおりとなっている。
・受験者 27.1%(0.5ポイント減)
・採用者 27.9%(0.5ポイント増)

 採用者総数に占める新規学卒者の割合について,過去の推移を見ると,平成5年度から平成14年度まで低下が続き,平成15年度に増加に転じて以降,平成17年度にわずかに減少した以外は,平成20年度まで増加が続いている。

 採用率は以下のとおりとなっており,前年度は既卒者の採用率が新規学卒者の採用率を上回っていたが,今回は新規学卒者が既卒者よりも高い率で採用されている。
・新規学卒者 15.7%(13.4%)
・既卒者 15.0%(13.5%)

9 採用者における民間企業経験者等の人数及び比率について(第7表)

 採用者に占める教職経験者,民間企業等勤務経験者の割合は以下のとおりとなっている。
・教職経験者 53.7%(3.7ポイント増)
・民間企業等勤務経験者 6.6%(1.8ポイント減)

 なお教職経験者とは,採用前の職として国公私立の教員であった者(非常勤講師も含む)であり,民間企業等勤務経験者とは,採用前の職として教職以外の継続的な雇用に係る勤務経験(いわゆるアルバイトの経験は除く)のあった者である。

図表

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