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いじめ防止基本方針策定協議会(第7回) 議事要旨

1.日時

平成25年10月11日(金曜日) 9時~10時15分

2.場所

文部科学省15階15F特別会議室

3.議題

(1)いじめ防止基本方針の策定について
(2)その他

4.出席者

委員

安倍委員、新井委員、尾上委員、小泉委員、國分委員、實吉委員(欠席)、高田委員、田中委員、野島委員、野原委員(欠席)、藤川委員、森田委員、山浦委員、山田委員

文部科学省

上野大臣政務官、前川初等中等教育局長、義本大臣官房審議官、内藤児童生徒課長、池田生徒指導室長、春山課長補佐、鈴木生徒指導調査官 他

5.議事要旨

(1)文科省より、「いじめの防止等のための基本的な方針(案)」等について説明がなされ、本原案でもって委員の了承が得られた。なお、補足として以下の意見があった。

【委員】
 地域基本方針の策定について、本文に「条例などの形で」と記載されたが、国の基本方針全てを条例化することは難しい。基本方針の骨格の部分や非常に重要な部分について条例化して、具体的なプログラムや検証方法等は運用指針で定めるといった形も考えられるのではないか。今後、地方からの問合せや説明会等が行われる際、この条例化と「条例などの形で」という意味について、説明していただけるものと思っているがいかがか。

【文部科学省】
 「条例などの形で」とあり、絶対に条例で策定せよというものではない。具体的な対策についても必ずしも条例の文中に定めなければならないものではないという説明ぶりになると思われる。なお、近々、地方自治体に対して説明会を行う予定。

(2)上野文部科学大臣政務官挨拶

 全ての子供を、いじめの被害者にも、加害者にも、傍観者にもさせないためには、各地域・学校における具体的な取組こそ重要であり、法の理念を具体化する「いじめ防止基本方針」は、法を踏まえた対策の充実に必要不可欠な、大変重要なものであると考えている。文部科学省としては、基本方針を下に、国としてもより一層の取組強化を図るとともに、各地域や学校において、確実にいじめの問題への対策が進むよう、基本方針の周知徹底にしっかりと取り組んでまいりたい。

(3)各委員所見発表

【委員】
 先般、県議会においていじめの問題が取り上げられ、その中で、子供自らがいじめの問題について考える機会を学校は意識的に設けていく必要があるという意見があったところ。また、地方では、県立学校と私立学校、更には県と政令市の市立学校との連携も必要。市町教委との連携も重要で、静岡県の場合、人口規模40万人近い市から7,000人ぐらいの町まであり、市町教委の規模に応じて県教委がどのように支援していくかということも大きな課題。また、いじめ問題対策連絡協議会や附属機関の設置について、こういった機関が、平時にもいじめが起きたときにも機能するものにしていかなければならないと考えており、都道府県が情報交換する場を国が設けたり、市や町が行う取組を定期的に情報交換する場を県が設けたり、そういう継続的な取組を行っていかなければならない。

【委員】
 先般、全国のPTAの代表者が集まる会議があり、その中で、私たち保護者は、いじめる側、いじめられる側、どちらにもかかわることになるので、公平・公正に対処できる基本方針となるようしっかり議論してほしいということを伝えさせていただいた。また今後、基本方針に基づいた取組が実践されていくことを、今保護者である方にはもちろん、これから保護者になる方たちにもしっかり伝えられるようにしていきたい。PTA組織においても、いじめの問題に継続して取り組んでいくための委員会等を立ち上げていきたいと思っている。

【委員】
 学校として基本方針を策定する際、学校が変わるということを、保護者、地域、子供に見える形で示していくことが非常に重要。学校から地域、保護者に発信して、地域全体としていじめを防いでいく、そういう核となる学校でなければならないと思っている。また、教員の意識の問題について、例えば、教員のいじめに対する理解や、子供たちを見ていく目を改めて変えていくといったことも伝えていかなければならない。今後、校長会の組織を使って、全国の小学校の校長に基本方針の在り方や法の精神等を伝え、全国の小学校でいじめを未然に防いでいく取組を、全連小としても積極的に進めていきたい。

【委員】
 スクールカウンセリング推進協議会の立場から、本基本方針にはとても満足している。それは、臨床心理学的なスクールカウンセリングに加え、「育てるカウンセリング」、すなわち「生徒指導的なカウンセリング」の意味合いを加えた「心理・福祉の専門家」という言葉である。また、年間計画を立てて、いじめの防止に関する教育プログラムを展開すること。いじめについて、特定の教員が判断するのでなく、複数の教員によって組織的に判断するという、学校組織としての対応の概念が入っていること等、よい基本方針が策定されたと思っている。1点お願いとして、各教育委員会から「心理・福祉の専門家等」とは、と質問されたら、「等」に含まれている定義について、ガイダンスカウンセラー、学校心理士、学校カウンセラー、教育カウンセラーなども含まれることをきっちりと答えてほしい。

【委員】
 いじめの起こった現場で、よくいじめられる側にも問題があると発言をする子供もいるが、ここの認知のずれ、いじめは人権侵害であるということをよく理解させていくことが重要。心の痛みは外からは見えず、その見えない心の痛みをどのように理解していくかという感性を、学校教育の中で是非日常的に育んでもらいたい。今回、スクールカウンセラーとして、いじめられている子供たちの役にどこまで立てているのかということを真摯に受けとめて、その専門性を磨き、高めていかなければならないということを痛感した。

【委員】
 基本方針が絵に描いた餅にならないようにしなければならない。そのためには今後、国民的運動の展開が必要になってくるのではないか。いじめの防止等について、保護者や地域にどういった形で啓発していくのか、また、方針を伝達するに当たって、知事以下教員レベルまで、どういった形で伝達講習を行っていくのか。これらは、これからの活動ではないかと思っている。更に、教員の資質向上のためには、研修会を定期的に行っていく必要があり、また、基本方針が機能しているかどうかのチェック機能についても、併せてこれから考えていかなければならない。

【委員】
 本基本方針には、「組織的に対応」という文言がかなり入っており、今後いじめが起きた際には、適切に適正に組織として対応する姿勢を、地域や保護者、児童生徒に、しっかり示すことが必要で、それにより教育的な効果も出てくるのではないか。いじめの多くは学校で発生しており、その対応等も学校で行うことが多く、現場としても真摯に対応していかねばならない。1点国にお願いしたいこととして、学校として、保護者や地域を巻き込んで様々な取組を行っているが、なかなか浸透しない部分があり、是非国民全体に向けて、このいじめの問題は学校だけで取り組むことではなく、国民全体で取り組んでいくものであるということを、マスメディア等を使って啓発していただけるとありがたい。

【委員】
 法律や基本方針が定められたことについて、もしかすると、また学校が負担を強いられるのではないか、と思っている方が多くいるのではないか。そうではなく、例えば、教師の多忙化を改善することも含めて取り組んでいくこと、例えば、いじめに対して組織的に対応できるようにすること等、負担を強いるものではなく、現場に動きやすい体制をつくってもらうというメッセージであることを理解してもらうことが、当面の大きな課題と考えている。報道機関からも、是非こういった点に触れた報道をしていただきたい。また、既に千葉県市川市では、地域の大人が研修を受け、小学生や中学生と交流する事業を展開しており、子供たちの話を大人が聞きながら、いじめについての認識を深めるという取組を実践している。こういった取組の発信をし、全国で共有されるようにしていくことが、大学教員であり、研究者である我々の立場として必要なことかと思っている。

【委員】
 信頼された学校をつくっていくこと、教員一人一人の意識を変えていくことが、校長としての責務だと痛感した。また、「いじめは今も起きている」この言葉を校長として真摯に受けとめ、学校において、いじめ撲滅のためにこれからもますます努力していきたい。今後、全日中として、いじめの問題に対処するシステムや組織、取組内容等について、経年でアンケートを取り、全国の校長がどう取り組んでいるのか、課題は何なのか、改善点は何なのか、国にどういうことを要望していけばよいのかといったことを、取りまとめようと計画しているところ。

【委員】
 基本方針の各所に、弁護士会等の職能団体に推薦依頼をするという項目を入れていただいた。このように全国規模で推薦依頼があり得る受け皿として、各地方の単位弁護士会がしっかりと受け止めて、公平・中立な、適切な第三者である弁護士を推薦できるかどうかというのは、まだまだ始まったところであり、弁護士会の運動にしていかなければいけないということを、改めて緊張感を持って受け止めている。

【副座長】
 各学校が基本方針を策定する中で、今までの学校の取組を振り返り、これからの取組を議論していく。そこに地域、保護者、関係機関、更には子供の主体的な参加を促しながら、見直しを図っていく。これは、学校が変わるよいきっかけとなるのではないか。また、学校を内と外に開くことにもつながっていく。内に開くとは、22条の学校の組織を十分に機能するものにすること、外に開くとは、外部の者の視点を交えながらいじめの問題を改めて見ていくことであると考えている。教員養成学部で教鞭をとる者として、教員を目指す学生が、子供をしっかり守り、そして子供を育てていくという視点を深めて学校社会に出ていけるよう、そういった学びを大学の中で展開しなければならないと思っている。

(4)委員から要望書等が提出され、それについて議論がなされた。

【委員】
 いじめ被害者の方から2件の意見書が出ている。1点目は22条の組織についての要望で、これは基本方針が本日策定されたので、方針自体に入れることは難しいが、今後のガイドライン策定に当たっての課題として、協議会ではこの意見をどう見るのか、その取扱いについて協議していただきたい。
 2点目の「過去の事件についても法律を適用すること」という意見について、可能であればもう少しこの論点について協議会の中で議論をし、そしてもし可能であれば、基本方針の中に入れられたらよかったという思いを禁じ得ない。これは非常に難しい問題であり、法律の遡及効果の問題と、今後の適用について、個人的な意見としても、法律そのものは遡及させられないと思っている。しかしながら、過去に起きた事件であっても、これから組織を立ち上げて調査をするというような場合においては、法律や基本方針になるべく沿うようにすることが望ましいということについては、何ら問題のないことではないか。これらの点について検討いただきたい。

【座長】
 これらの内容を基本方針に盛り込むということは、現段階ではなかなか容易なことではないが、生かす工夫があろうかと思うので、意見をお願いしたい。

 〈意見書1:22条組織は、全ての学級担任等が必ずその参加を経験すること〉

【座長】
 提案の「いじめの防止等の対策に関する各教職員の資質能力向上を図り、その同僚性(信頼感及び一体感)を培っていくためには、学校の実情に応じて、当該組織への各教職員の適切な参加を確保していくことが有効である」という文言について、これは、基本方針の中にかなりかみ砕いて入っているが、まだこれでも不十分ではないか。教職員の資質向上について、教職生活を通じて計画的・体系的に図っていくという点がまだ少し薄いように思う。これは文科省にもお願いしなければならないことだが、いじめの問題だけに限らず、我が国が直面しているさまざまな教育課題にどう応えていくかという点で、初任研や10年研、更新研修、あるいは大学における教育や教員養成、これらに関してもしっかりと体系立てて、教員の資質の向上を図っていく必要がある。

【副座長】
 提案に基本的には賛成である。22条の組織が実効的に動かなければ意味がない。実効的に動いていくために何が必要かというと、同僚性を土台にした、協働的な生徒指導、教育相談の体制だと思っている。したがって、説明会等で説明していく中で、「同僚性」は実際に機能する組織となるために必要だということを強調していくことが大事かと思っている。ただ、この文言に関して、「同僚性(信頼感及び一体感)」となっているが、余り「信頼感」「一体感」ということを強調すると、今それが学校の中に足りないというような感じにもなってしまうので、これから更に同僚性を高めていくというような形で、説明会等で周知していく、あるいはガイドラインで示していくという手立てでよいのではないか。

【座長】
 今後、ガイドラインや説明会、Q&A等、いろいろな形の出し方があり得ると思うが、意見をその中で生かしていただくということは非常に大事。また、後段の「各教職員の適切な参加」についても説明いただくことが必要。本意見を尊重し、書いてあることを砕いて説明していただくことが大事で、その点について事務局の方で是非よろしくお願いしたい。

【文部科学省】
 参考にさせていただきながら、各種の説明会等で説明をさせていただく。

〈意見書2:過去の事件についても法律を適用すること〉

【座長】
 提案の、事件は施行前にあったとしても、これから調査委員会等が組織される場合は、本基本方針をしっかりと参酌しその組織形成に当たるという意見について、説明会等で、このような意見や要望があったということを紹介することはやぶさかではないと思う。策定された基本方針は間違った方針ではないので、そういう要望があり我々もその期待に添いたいということを、述べていただくことも可能かと思う。

【委員】
 内容的に非常に結構である。そういった話合いがなされ、それを尊重することになったということを、社会全体や本意見書を出された方々に伝えるため、この協議会としての要望事項という形をとっていただけるとありがたい。

【文部科学省】
 議論の内容をやや詳しめに議事要旨に提示する形で対応したい。

 〈要望書:国のいじめ防止対策協議会(仮称)及びガイドライン策定協議会(仮称)の協力者の選定方法〉

【委員】
 本協議会の議論の中で、基本方針に入れ切れなかった内容については、今後改めて組織される協議会で、ガイドライン等として策定することを検討することになったが、その際の組織構成は、例えば学会や職能団体等から推薦を受けるということを基本とするべきではないか。社会全体やいじめにかかわる当事者、その周辺の人々から、公平に選定されている協議会であるという信頼性を得ることが非常に重要。ガイドライン策定に係る要望について、本協議会の総意でという形で出していただきたい。

【座長】
 本要望については、これは我々の方から申し上げる要望ではないのではと思う。ただ、この基本方針で我々が議論してきたことをしっかりと受け継ぎ、実効性ある組織を国の方でつくっていただきたいということは、皆の願いとして共通していること。

【委員】
 基本方針の策定に当たっては、短期間の策定ということで、例えばパブリックコメントを募集することなども行っていない。しかし、これは非常に多くの方々にかかわる事柄であり、本来もう少し広く意見を求めながら進めていかなければならない議論だったのではないか。委員提案の方向性に賛成であり、バランスよく、広く国民の意見を得ながら進められる協議会を作っていただきたいと期待している。

【座長】
 これらの議論に先立って、様々な団体から要望が出ており、そういう点で、弁護士会の要望のみを捉えるという観点では、少し公平さを欠くのではないか。もちろん委員の御趣旨は、そういう意見を今後くみ上げながら、更によりよい実効性あるガイドライン等の策定へと生かしていくということであることは十分理解している。今後、様々な要望や意見が、学校現場や地方公共団体からも出てくることが考えられ、それらもくみ上げながら、今後残された課題の中にうまく溶かし込んでいくことが大事。

【委員】
 本要望は、弁護士会として提出したものではなく、委員である私とその賛同者から出した要望書。今後のガイドライン云々については、私たち委員が一番そのことについて長く議論してきたこともあり、新たな協議会の設置に当たって、ここで気がついたことを伝えていくということはあってもいいことかと思うので、可能であれば、議事要旨に、本要望書や、委員、座長の意見を記載していただきたい。

【座長】
 委員提案という形で、議事要旨に記載させていただく。

(5)最後に、森田座長からまとめの挨拶があった。

【座長】
 いじめの問題というものは、その国の教育力と、国民の成熟度を測定する一つの指標。そういう意味で、学校現場あるいは関係者だけで取り組めばよいというものではなく、社会総がかりでこの問題に取り組んでいくことが必要で、このいじめの問題の克服に向けた、社会全体へのメッセージを発信していかなければならない。
 国に是非お願いしたいこととして、様々な組織において、様々な機会を捉えて周知徹底を図るとともに、常に課題を検証して次へと生かす。今後、恐らく様々な課題が出てくるだろうと思っており、3年後の見直し作業を視野に入れた対応をお願いしたい。また、外部専門家の参加について、その人材確保が可能なように、予算的な裏づけを努力していただくとともに、公正中立な組織ということで、職能団体や大学、学会等から協力が得られるよう、連携体制の整備に取り組んでいただきたい。
 委員の方々にはこれまで大変御苦労をおかけしたが、今後も、基本方針を作成した一員として、それぞれの立場から、本法律等の趣旨、精神、あるいは目的、それらを発信していただきたい。最後に、「子供を守る、子供を育てる」この観点がそれぞれの発言の中にひしひしと伝わってきて、それを大きな言葉として受け止めている。是非ともこの基本方針がうまく国民の中に浸透し、日本の社会そのものが成熟し、そして変わっていく、これは学校現場だけのことではなく、国民の意識もこれによって向上していくということを願ってやまない。

── 了 ──

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成25年11月 --