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いじめ防止基本方針策定協議会(第1回)議事要旨

1.日時

平成25年8月13日(火曜日) 15時~17時30分

2.場所

文部科学省東館11階 省議室

3.議題

(1)会議の運営について
(2)いじめ防止基本方針の策定について
(3)その他

4.出席者

委員

安倍委員、新井委員、尾上委員、小泉委員、國分委員、實吉委員、高田委員、田中委員、野島委員、野原委員、藤川委員、森田委員、山浦委員、山田委員

文部科学省

義家大臣政務官、前川初等中等教育局長、義本大臣官房審議官、白間児童生徒課長、池田生徒指導室長、春山課長補佐、鈴木生徒指導調査官 他

5.議事要旨

(1)議事に先立ち、委員紹介及び座長・副座長の選任が行われ、森田洋司氏が座長に、新井肇氏が副座長に選任された。また、協議会の進め方について、以下のとおり決定された。

  • 本協議会及び配付資料及び議事要旨は報道関係者に対して原則公開すること。
  • 報道関係者によるカメラ撮りは会議冒頭のみとすること
  • 特に必要がある場合は、委員の同意を得て、協議会と配付資料を非公開とすること

(2)森田座長冒頭発言

 いじめは、児童生徒の尊厳を損なう、あるいは、それを踏みにじる行為、それがどの学校でも、どこにでも起こり得るというような日本の社会の状況を我々は放置できない。本日は各界からいろいろな方においでいただいている。いじめの問題を日本の社会で克服していく道筋を具体的に協議していきたい。

(3)義家大臣政務官挨拶

 これまで、数年おきにいじめが社会現象となり、そのたびにより深刻で複雑な問題が表出するということを繰り返してきた。これは単に子供たちだけの問題ではなく、子供たちを取り巻くあらゆるものに根があると考えている。
 本法律では、国に対し、いじめの防止等のための基本的な方針の策定を求めているが、まさにこの協議会の議論が、今後の地方自治体及び学校が制定するいじめ防止対策基本方針の核になる。今後は、本法律をきっかけに様々な関係者が連携し、一刻も早く対応することで、いじめの被害者、加害者、傍観者を含め、一人でも多くの子供たちを救済し、あるいは抑止する、そういった効果を心から期待したい。

(4)事務局より、いじめ防止対策推進法及びいじめ防止基本方針についての説明がなされ、委員から意見・質問が出された。

【文部科学省】
 本法律の施行日の9月28日をめどに、国のいじめ防止基本方針を策定することを考えている。その内容としては、「地方公共団体や学校が基本方針を策定する際の基になる事項」と、「実際法律を運用する際の参考になる事項」という二つの性格を持つと考えている。

【委員】
 第18条で「教員の養成及び研修の充実を通じた教員の資質の向上」が言われているが、適切に学級経営がなされていないケースや教職員がチームとして機能しないことによっていじめの問題が深刻化しているケースが多いと思う。個々の教員の資質向上はもちろん重要だが、学校内、あるいは学校を超えた教職員のチームワークをどう作っていくかについても議論したい。

【委員】
 基本方針策定に当たっては、今までの通知等だけではなく、教育委員会や学校が活用している「生徒指導提要」も踏まえるべきだと思う。

【委員】
 全5回の協議会、それぞれの目標をクリアにしておくべきではないか。今後の議論の進め方の案では、第2回が関係団体ヒアリングとなっているが、早い段階で素案を検討し、その上でヒアリングを行う方が良いのではないか。

(5)事務局より、文部科学省におけるこれまでのいじめの問題への取組についての説明がなされ、委員から意見・質問が出された。

【委員】
 本協議会では、いじめが起きてからの対策ではなく、今まで以上に「予防」にウエイトを置いた対策を議論すべきではないか。特に教職員等への研修は重要。

【委員】
 予防ももちろん大切だが、現実に苦しんでいる子供たちに対し、どういう制度の枠組みで、どう手を差し伸べるのかも大変重要なので、両面から考えていきたい。

【委員】
 教育現場で現実に起こっていることの大半は、いじめか否かが判然としない状態であり、予防と対応とを分けるのは非常に難しい。いじめか否かが判然としない状態を前提とした実践や組織の在り方を考えるべきではないか。

(6)各委員より、問題認識やいじめ防止基本方針に対する意見が出された。

【委員】
 まず、教員がチームを組んで様々な問題に対応していくことが大切である。また、いじめは、子供同士の人間関係により生じる問題なので、例えば児童会や生徒会などで、子供が主体的に自分たちの問題として考える機会を大切にすべきである。更に、いじめの背景には、家庭での親との関わりが反映している部分もあるので、家庭や地域が総ぐるみで対応していく必要がある。

【委員】
 地域行事などの関わりや地域のつながりを通じ、保護者に対してアクションを起こすことが大切だと思う。

【委員】
 この協議会では、過去のいじめ事件の知見を有効に使う方法を議論し、それを伝えていくことが非常に大切である。若手の教員の中には、過去のいじめ自殺事件を知らない者もいるので、教員研修でも十分知らせていくことが必要だ。
 また、お笑い番組の中で人権を軽んじるようなギャグや死を軽視したゲームがあったり、子供たちの会話の中で「死ね」「うざい」といった言葉が平気で使われたりするなど、子供たちを取り巻く環境も変化しているので、それらも考慮しなければ、いじめの根絶は難しい。

【委員】
 いじめをなくすには、学校というコミュニティに、安心して自己を開くことができ、人が自己を開いたときにそれを受け入れてあげるという、「ふれあいのある人間関係」が生まれることが重要である。そのために、特別活動を活用すべき。
 また、教員が仲よくすることと、仲のいい学級経営をすること、これがいじめ予防になると思う。

【委員】
 公立と私立の学校では様々な意味で違いがあるので、私立学校の場合について、議論の中で、ケーススタディ的にお話しさせていただきたいと思っている。また、変化する子供たちの気持ちを参酌したよい方策が立てられるかという視点で本協議会に臨みたい。

【委員】
 いじめを受けカウンセリングルームに相談に来られる子供はまだいいが、家から出られなくなる子供もいる。いじめによる甚大な心の傷を癒すことが、我々カウンセラーの仕事。一方で、加害者の方も何らかの形で問題を抱えており、学校教育ではこの両方に対してアプローチすることが重要ではないか。

【委員】
 具体的に、各学校の校務分掌において、「生徒指導」の一部ではなく「いじめ防止推進委員」というカテゴリーを作って対応するなどの方法も考えられる。また、最近は、コミュニケーションが上手でなく、自己肯定感が低い子供たちが多いので、いじめの予防には、クラスの集団作りや仲間作りといった技法を教職員が学ぶことも重要だ。

【委員】
 いじめの予防という観点からは、特に幼少期からの道徳教育の充実が大事だと思う。また、子供たちは学校だけで育つのではなく、地域社会の中で費やしている時間が非常に多いので、学校と地域社会が同じ方向を向いて取り組んでいかないとなかなか成果は出ない。
 また、一生懸命いじめの防止対策と言いながら、一方で、これは放映してもいいのかという番組がかなりあり、それを子供たちは平気で見て当たり前のように感じてしまっているという常識を逸している社会現状があり、その点を危惧する。

【委員】
 学校が抱え込み過ぎており、関係機関との連携が重要。しかし、いざ関係機関にお願いすると、市町村レベルまで話が通っていないこともあるので、是非、国や県の教育委員会から関係機関へ協力をあらかじめ依頼しておいてほしい。

【委員】
 どういうことがいじめにつながるかという、いじめリスクを意識して指導ができる教員及び教員集団を作ることが重要である。例えば、学級崩壊や、教員のチームワークの欠如、教員の多忙という問題は、いじめにつながったりいじめを深刻化させるリスクがある。
 二点目として、報道機関との関係が希薄であるために報道対応を恐れて隠蔽してしまったり、保護者や地域に上手く広報がなされていなかったりするといった問題点が見られ、学校がやろうとしていることを戦略的に関係者に広報(「戦略的学校広報」)することも重要だ。
 三点目に、ネット関係の問題については、学校ネットパトロールだけでは不十分。目に見えないところでいじめが起こらないよう、子供たちに対し情報モラル教育を充実することが重要である。情報技術の分野に関しては変化が激しいので、変化に対応できる情報モラル教育を維持できる体制作りが重要だと思う。

【委員】
 LINE上でのいじめが非常に増えている。また、殴っても相手はすぐ起き上がる、殺してもまた生き返るなど、バーチャルの世界と現実とを錯覚している子供も多い。学校と家庭が連携して、命の大切さを教えなければならない。

【委員】
 今までの学校でのいじめ対策は、原因探究という視点が欠けていたのではないか。いじめられている子供には何の責任も原因もない。いじめている子供には様々な心の苦しみが鬱憤としてたまっており、いじめている子供の立ち直りの支援こそ必要だ。
 今回の法律が今までのいじめ対策と大きく違うのは、組織作りとしていじめ対策を表すところだと思う。学校や自治体に、専門家と連携した組織ができることで、風通しも良くなり、いじめ予防にも非常に役立つだろう。

【委員】
 教員の問題と子供の問題がある。教員の問題の一つは、個々の教員が実際に現場で「いじめの定義」だけを基にいじめを認識するのは非常に難しいということ。客観的な指標を持ちながら、努力目標としていじめをとらえていくという視点を打ち出す必要がある。また、教員は法的な認識が非常に弱いので、研修の必要性を強く感じる。様々な報道を受け逆風の中、本当に頑張っている先生が萎縮しなくて済むようエンパワーメントしていきたい。
 もう一つは、組織的な対応ができないことで、これはマンパワーの問題が大きい。例えば荒れた中学校に力を持った生徒指導担当が一人いて自由に動けるだけで学校は違ってくる。そういう保障ができる制度が必要である。
 次に、子供については、自分の危機にも友達の危機にも気付くことができ、気付いた危機をしっかりと受けとめて、それを大人につないでいくという力を付けることが大切である。また、全ての児童生徒の可能性を伸ばしていく「開発的な生徒指導」をどのように制度として進めていくかを考えることが重要ではないか。

(7)最後に、事務局から、今後の会議の進め方について説明があった。

── 了 ──

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成25年11月 --