緊急スクールカウンセラー等活用事業実施要領

平成28年4月1日
初等中等教育局長決定
平成29年4月1日一部改正
平成30年4月1日一部改正
                                                                     

   緊急スクールカウンセラー等活用事業交付金交付要綱第19条の規定に基づき、緊急スクールカウンセラー等活用事業の実施について必要な事項を、本実施要領で定めるものとする。

1 事業の趣旨

   平成23年3月に発生した東日本大震災に係る災害救助法(昭和22年法律第118号)が適用された地域(以下「適用地域」という。)等において、被災した幼児児童生徒等の心のケア、教職員・保護者等への助言・援助等様々な課題に対応するため、スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー等を教育委員会や幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校等(以下「幼小中高等学校等」という。)へ派遣するなどにより被災した幼児児童生徒等が安心して学校生活を送ることができるよう支援体制を整備する。

2 実施主体

   本事業の実施主体は、都道府県、市町村(特別区及び市町村の組合を含む。以下同じ。)及び適用地域に所在する国立大学法人(附属学校に係る当該事業を行う場合に限る。)(以下「自治体等」という。)とする。

3 事業の内容

   本事業は、次の内容を実施することができる。
(1) スクールカウンセラーを教育委員会又は幼小中高等学校等へ派遣する事業
(2)スクールカウンセラーに準ずる者を教育委員会又は幼小中高等学校等へ派遣する事業
(3)スクールソーシャルワーカーを教育委員会又は幼小中高等学校等へ派遣する事業
(4)適切な指導・助言ができるスーパーバイザーを配置し、スクールカウンセラー・スクールカウンセラーに準ずる者・スクールソーシャルワーカーの専門性を向上させる事業(スクールカウンセラー・スクールカウンセラーに準ずる者・スクールソーシャルワーカーの専門性の向上や教職員・保護者等の心のケアに関する理解を図るための研修会、事業を効果的かつ円滑に実施するための情報交換や関係機関との連絡調整等を行う連絡協議会等の開催を含む。)
(5)被災した幼児児童生徒の心のケアに資するための学習支援、学校運営の補助等の支援活動事業
(6)電話相談事業
  被災した幼児児童生徒・保護者等がより気軽に相談できるよう電話相談員を配置するなど、電話相談体制を整備する事業

4 スクールカウンセラー等の選考

(1) スクールカウンセラーの選考

   次の各号のいずれかに該当する者から、自治体等が選考し、スクールカウンセラーとして認めた者とする。
1 公認心理師
2 公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会の認定に係る臨床心理士
3 精神科医
4 児童生徒等の心理に関して高度に専門的な知識及び経験を有し、学校教育法第1条に規定する大学の学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師(常時勤務をする者に限る)又は助教の職にある者又はあった者
5 自治体等が上記の各者と同等以上の知識及び経験を有すると認めた者

(2) スクールカウンセラーに準ずる者の選考

   次の各号のいずれかに該当する者から、自治体等が選考し、スクールカウンセラーに準ずる者として認めた者とする。
1 大学院修士課程を修了した者で、心理業務又は児童生徒等を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
2 大学若しくは短期大学を卒業した者で、心理業務又は児童生徒等を対象とした相談業務について、5年以上の経験を有する者
3 医師で、心理業務又は児童生徒等を対象とした相談業務について、1年以上の経験を有する者
   なお、今般の被災の状況に鑑み、必要に応じて、学習支援などの教育の分野において、専門的な知識・技術を有する者又は活動経験の実績等がある者を含むことができる。

(3)スクールソーシャルワーカーの選考

   社会福祉士や精神保健福祉士等の福祉に関する専門的な資格を有する者から自治体等が選考し、スクールソーシャルワーカーとして認めた者とする。ただし、地域や学校の実情に応じて、福祉や教育の分野において、専門的な知識・技術を有する者又は活動経験の実績等がある者であって、次の職務内容を適切に遂行できる者のうちから選考を行うことも可とする。
1 問題を抱える児童生徒等が置かれた環境への働き掛け
2 関係機関等とのネットワークの構築、連携・調整
3 学校内におけるチーム体制の構築、支援
4 保護者、教職員等に対する支援・相談・情報提供
5 教職員等への研修活動

(4) 電話相談員の選考

   電話相談や教育相談に関して知識及び経験を有し、本事業の趣旨を理解する者を、自治体等が選考し、電話相談員として認めた者とする。ただし、第三者への委託を行う場合は、この限りではない。

5 事業計画書の提出

   交付金の交付を受けようとする自治体等は、文部科学省が指定する期日までに事業計画書を提出するものとする。

6 事業報告書の提出

   交付金の交付を受けた自治体等は、文部科学省が指定する期日までに、事業報告書を提出するものとする。

7  交付対象経費

   国は、記2から6までの要件を満たす自治体等が実施する事業(その一部を委託して実施する場合も含む。)に対して補助するものとする。また、取扱いに際しては、自治体等が持つ他の経費と紛れることのないようにすること。

8 第三者への委託を行う際の留意事項

   業務の全てを直接執行することが困難な場合、その一部を第三者に委託することができる。ただし、第三者に委託する場合にあっても、その業務遂行に係る責は交付事業者に帰するものとする。

9 その他留意事項

本事業を行うに当たっては、以下に留意すること。

  1. 本事業は、「1 事業の趣旨」に基づき、震災により被災した幼児児童生徒を対象とするものであり、従前より実施している既存事業(スクールカウンセラー等活用事業、スクールソーシャルワーカー活用事業及び都道府県等が実施しているスクールカウンセラー等を配置する事業)において、スクールカウンセラー・スクールカウンセラーに準ずる者・スクールソーシャルワーカー及び電話相談員を配置する都道府県等においては、本事業との棲み分けを適切に行うこととし、原則として、年度の途中で本事業と既存事業との経費の振り替えを行わないこと。
  2. 事業実施に当たっては、スクールカウンセラー等の派遣を受け入れる教育委員会等と派遣する自治体等が相互に連携することにより、設置者や学校種別によって偏りが生じることなく、効果的かつ効率的にスクールカウンセラー等が配置されるよう調整を図ること。
  3. 厚生労働省において、被災者支援総合交付金により「親を亡くした子ども等への相談・援助事業」事業を措置しており、スクールカウンセラー等の配置について、各地方公共団体の福祉部局等と連携を図ること。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成28年06月 --