第1章 第4節 行政による学校等の取組への支援

  以上のような学校等の取組への支援として、行政は以下のようなことを実施している。

1 学校における児童虐待防止に向けた指導

  以上のような、児童虐待防止に向けた対応については、文部科学省においても、喫緊の課題として取り組んできているところであり、これまでも、都道府県教育委員会等への通知の発出や各種会議、研修等を通じて、児童虐待防止法の周知徹底及び児童虐待の早期発見・対応、被害を受けた児童の適切な保護など、学校において児童虐待の問題に対して適切な対応がなされるよう指導してきた。

2 学校における児童虐待防止に向けた取組への支援

  学校教育における取組への支援としては、

  1. 児童虐待防止法の改正や児童虐待の深刻な状況を踏まえ、国において国内・海外の先進的取組等に関する収集・分析、
  2. 児童虐待に関する学校の対応や教育委員会等の取組の状況等に関する実態調査を実施し、学校や被虐待児童生徒又は家族等に対する支援策の在り方に関する研究、
  3. 児童虐待等による悩みを抱える児童生徒の心の相談に当たるため、スクールカウンセラーや子どもと親の相談員の配置など学校における教育相談体制の充実、
  4. 児童虐待の予防から早期発見、虐待を受けた児童の保護及び自立の支援に至るまでの切れ目のない支援のため、関係行政機関や民間団体の間の連携の強化など、学校・家庭・地域・関係機関の連携の強化のための地域における支援システムづくり、
  5. 児童虐待に対する早期発見、早期対応及び事後指導のためには、教師の指導力が重要であるため、生徒指導上の諸課題への対応の一環として、指導者の養成のための研修、

  などを行っている。

3 家庭教育に対する支援

  また、児童虐待の防止のためには、もとより、学校だけでなく、家庭における教育を充実し、「教育の力」によって児童虐待の根を断つよう、家庭教育の充実・強化に努めてきている。このため、家庭教育に対する支援としては、

  1. 一人一人の親が家庭を見つめ直し、自信をもって子育てに取り組んでいく契機となるような指導資料の作成、
  2. 子育てサポーターの資質向上を図るリーダーの養成や、親が参加する多様な機会を活用した学習機会の提供等、
  3. 子育てについて学ぶ余裕がない親や、子育てに不安や悩みを持ちながら孤立しがちな親等が、気軽に学習・相談でき、身近な子育て情報を入手することができるよう、家庭教育に関する相談機能の充実、
  4. 家庭教育支援の重要性に関する国民の意識啓発、などを行っている。

  以上のような取組を今後とも推進し、学校等において虐待防止に向けた適切な活動を支援していくことが必要である。

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初等中等教育局児童生徒課

-- 登録:平成21年以前 --