問題行動への対応について

  子どもの問題行動等について相談できる機関等としては,どういうものがあるのですか。

   子どもの問題行動等については,地域において複数の機関が相談活動を行っています。
 教育委員会では,教育センターや教育相談所などで相談窓口を設けています。心理学,教育学等に関する知識を有する専門職員,臨床心理の専門家等が,問題行動等,教育上の諸問題について相談活動を行います。
 また,警察署や警察が所管する少年サポートセンターなどが挙げられます。警察署においては,少年担当警察官が,少年非行や犯罪被害に関する相談活動を行っています。少年サポートセンターでは,少年非行対策に関して,専門的知識を有する少年補導職員・少年相談専門職員が配置され,少年非行や少年の犯罪被害に関する相談活動を行っています。
 他に,厚生労働省が所管する児童相談所,福祉事務所,保健所・保健センターなども挙げられます。児童相談所においては,児童福祉司等が配置され,18歳未満の子どもに関する相談活動を行います。主に,養護相談,保健相談,身体障害相談,知的障害相談,非行相談,育成相談等を行い,また,児童虐待に関する対応も行います。福祉事務所(家庭児童相談室)においては,児童福祉司等が生活保護,児童福祉などに関する相談を受け,支援を行います。保健所・保健センターでは,医師,保健師等が配置され,児童の健康相談等を行うほか,薬物乱用についての相談を受け,指導・助言等を行っています。
 また,各自治体において少年補導センターが設けられ,少年非行や犯罪被害に関する相談活動を行っています。
 これらの相談窓口については,地域において名称等が異なりますので,詳しくは各都道府県・市区町村でお問い合わせください。


  問題行動等について,文部科学省としてはどのような取組を行っているのですか。

   文部科学省としては,児童生徒の問題行動に対しては,家庭,学校,地域社会がそれぞれの役割を果たし,一体となった取組を行うことが重要であると考えます。
 文部科学省においては,1わかる授業,楽しい学校の実現,2社会性や豊かな人間性をはぐくむための体験活動の充実など心の教育の充実,3生徒指導に関する研修など教員の指導力の向上,4スクールカウンセラーや子どもと親の相談員の配置など教育相談体制の充実,5家庭,地域,関係機関との連携の推進などの施策に取り組んでいます。
 また,平成16年6月の佐世保市の児童殺傷事件を受け設置された省内のプロジェクトチームにおいて,再発防止に向けた取組について検討を行いました。その結果については,平成16年10月に「児童生徒の問題行動対策重点プログラム(最終まとめ)」として取りまとめたところです。
 本プログラムにおいては,1命を大切にする教育の充実,2学校で安心して学習できる環境づくりの一層の推進,3情報社会の中でのモラルやマナーについての指導の在り方の確立を中心に,家庭や地域,関係機関などと連携して重点的に問題行動等について取り組むこととしています。


  学校と関係機関等が連携して行う「サポートチーム」とはどのようなものですか。

   サポートチームとは,問題行動を起こす個々の児童生徒について,学校や教育委員会と児童相談所,保護司,児童委員,警察などの関係機関等が情報を共有し,共通理解の下,各機関の権限等に基づいて多様な指導・支援を行うために形成されるものです。
 文部科学省では,平成14年度から「サポートチーム等地域支援システムづくり推進事業」を実施し,サポートチームの取組を進めてきました。このサポートチームの形成により,児童生徒の問題行動等に対して複眼的な対応が可能になった,家庭への支援など柔軟な対応が可能となった,関係者の間で役割分担がなされ,対応が効果的になり,また充実したなどの成果があがっています。
 平成15年7月には,専門家や関係機関からなる「学校と関係機関との行動連携に関する研究会」において,機能的・効果的なサポートチームの在り方等も含めた,地域における行動連携を推進するための方策等について検討が行われ,平成16年3月に報告書が取りまとめられました。この報告書では,サポートチームの取組も含めた連携の際の基本的な視点や具体的な方策が示されています。
 文部科学省では,平成16年度からは「問題行動に対する地域における行動連携推進事業」を実施しており,サポートチームの形成など,地域における支援システムづくりの一層の充実を図ることとしています。

-- 登録:平成21年以前 --