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高等学校の全日制課程及び定時制課程における不登校生徒に対する通信の方法を用いた教育による単位認定について

20文科初第8077号
平成21年3月31日

各都道府県教育委員会教育長 殿
各指定都市教育委員会教育長 殿
各都道府県知事 殿
附属学校を置く各国立大学法人学長 殿
構造改革特別区域法第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長 殿

文部科学省初等中等教育局長

 不登校児童生徒への対応に当たっては、平成15年5月16日付け文科初第255号「不登校への対応の在り方について」を始めとする一連の通知等を踏まえ、関係者において、これまでにも様々な努力がなされているところですが、このたび、学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号。以下「施行規則」という。)第86条に基づく指定を受けることにより、高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)の全日制の課程及び定時制の課程において、学校生活への適応が困難であるため、相当の期間高等学校を欠席していると認められる生徒(以下「不登校生徒」という。)を対象として、通信の方法を用いた教育により、一定の範囲内において単位認定を行うことができることとしました。趣旨、内容及び留意事項は、下記のとおりですので、十分御了知いただくようお願いします。
 また、各都道府県教育委員会におかれては、所管の高等学校及び指定都市を除く域内の市町村教育委員会に対して、各指定都市教育委員会におかれては、所管の高等学校に対して、各都道府県知事及び構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第12条第1項の認定を受けた地方公共団体の長におかれては、所轄の学校及び学校法人等に対して、このことを十分周知されるとともに、必要な指導等をお願いします。
 なお、本通知は、構造改革特別区域基本方針に基づく特例措置において認定されたものを全国的に実施できることとしたものであり、平成16年3月30日付け15文科総第248号「構造改革特別区域基本方針(平成16年2月24日閣議決定)に基づく特例措置について(通知)」の記2については、今後、本通知によることとします。

第1 趣旨

 高等学校の全日制の課程及び定時制の課程に在籍している不登校生徒の中には、学習意欲はありながら登校できないために、原級留置、転学、中途退学をせざるを得ない者もおり、このような生徒に対する学習の機会の充実が求められている。このような生徒を対象として、通信の方法を用いた教育により単位認定を行うことを一定の範囲内で認めることにより、学習意欲はありながら登校できない生徒が、原級留置、転学、中途退学することなく不登校状態を解消し、卒業することができるようになることが期待される。 
 このため、施行規則第86条に基づく指定を受けることにより、高等学校の全日制の課程及び定時制の課程において、不登校生徒を対象として、通信の方法を用いた教育により単位認定を行うことができることとする

第2 内容

  1. 高等学校の全日制の課程及び定時制の課程において、不登校生徒を対象として、高等学校学習指導要領(平成11年文部省告示第58号)第1章第8款(通信制の課程における教育課程の特例)に定める各教科・科目の添削指導の回数及び面接指導の単位時間数の取扱い等(ラジオ放送、テレビ放送その他の多様なメディアを利用して行う学習を取り入れた場合の取扱いを含む。)に準じた特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると文部科学大臣が認める場合においては、通信の方法を用いた教育により単位認定を行うことを36単位を上限として認めることとすること。
  2. 1の措置が認められる場合は、施行規則第86条、「学校教育法施行規則の規定によらないで教育課程を編成することができる場合を定める件」(平成17年文部科学省告示第98号)、「教育課程に関し学校教育法施行規則の規定によらない場合における高等学校又は中等教育学校の後期課程の全課程の修了の認定について定める件」(平成17年文部科学省告示第99号)及び「不登校児童生徒等を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校に関する指定要項」(文部科学大臣決定。以下「指定要項」という。)に基づき、文部科学大臣が当該高等学校を指定する場合とすること。
  3. 指定要項について所要の改正を行うとともに、その際現に構造改革特別区域法第4条第8項の規定による内閣総理大臣の認定を受けて、構造改革特別区域基本方針に基づく「高等学校全日制課程において不登校状態にある生徒に対するIT等の活用による学習機会拡大事業」に係る規制の特例措置の適用を受けている高等学校について、経過措置を設けることとすること。

第3 留意事項

  1. 通信の方法を用いた教育を実施する体制が不十分である場合、生徒の不登校状態が深刻化することや安易な単位認定が行われること、他の生徒に対する教育の質が低下すること等の弊害が生じることが懸念されることから、通信の方法を用いた教育を実施する場合には、全日制の課程及び定時制の課程の教育を実施するために必要な教職員等の体制に加え、あらかじめ、通信の方法を用いた教育を実施するために必要な教職員等の体制を整備することや、通信の方法を用いた教育を実施する場合の具体的な指導計画を作成すること等が必要であること。
     その際には、不登校生徒に対する適切な対応のために、あらかじめ、各学校において中心的かつコーディネーター的な役割を果たす教員や、通信の方法を用いた教育を行う教員を明確に位置づけることが必要であるとともに、研修等を通じた各教職員の資質の向上に努めることが望ましいこと。
  2. 今回の措置により認められる通信の方法を用いた教育は、学習意欲はありながら登校できない生徒が、原級留置、転学、中途退学することなく不登校状態を解消し、卒業することができるようにすることを目的としていることから、指導を行うにあたっては、不登校生徒の実態に配慮し、例えば、教職員が生徒の状況に応じて家庭への訪問を行うこと等を通じて、その生活や学習の状況を把握し、生徒本人やその保護者が必要としている支援を行うことや、学校外の関係機関等と積極的な連携を図る等の指導上の工夫をすることが望ましいこと。その際には、生徒が学習意欲を持って主体的に学校に通うことができるよう、自らの生き方や将来に対する夢や目的意識について考えるきっかけを与えることのできる指導を行うことが重要であること。
     なお、不登校状態を解消し、卒業することができるようにするという目的に鑑み、学習意欲がない者や不登校状態が解消する見込みのない者、学習成果を評価することができないような者等に対して単位認定を行うような安易な運用が行われることのないよう留意すること。  
  3. 高等学校教育においては、教師との対面を通じての触れ合いや生徒同士の集団活動が極めて大切であると考えられることから、通信の方法を用いた教育を実施する場合であっても、対面による面接指導や集団活動等の機会を十分に確保することが望ましいこと。
  4. 全日制の課程及び定時制の課程においては、施行規則第97条から第99条まで(定時制の課程については第98条及び第99条。以下同じ。)の規定に基づき、同一の高等学校の通信制の課程又は他の高等学校の通信制の課程を併修した場合等に36単位を上限として単位認定を行うことが認められているが、今回の措置により認められる通信の方法を用いた教育による単位認定についても、全日制の課程及び定時制の課程において、通信の方法を用いた教育により単位認定を行うという点において共通するものであることから、今回の措置における通信の方法を用いた教育により認定することができる単位数は、施行規則第97条から第99条までの規定に基づく単位認定による単位数と合計して36単位までとすること。
  5. 第2内容2の指定には、一定の審査等の期間を要することに留意すること。なお、審査等の円滑な実施のため、指定を希望する場合には、あらかじめ下記担当まで申請内容について相談を行うことが望ましいこと。
  6. その他、平成17年7月6日付け17文科総第485号「学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行等について(通知)」の記第3留意事項1、2、4及び5について留意すること。

お問合せ先

初等中等教育局参事官(高等学校担当)付

(初等中等教育局参事官(高等学校担当)付)

-- 登録:平成23年09月 --