学校教育法施行規則の一部を改正する省令の施行等について(通知)

17文科初第485号
平成17年7月6日

  各都道府県教育委員会 殿
  各指定都市教育委員会 殿
  各都道府県知事 殿
  附属学校を置く各国立大学法人学長 殿

文部科学省初等中等教育局長
銭谷 眞美

  このたび,別添のとおり,「学校教育法施行規則の一部を改正する省令」(平成17年文部科学省令第38号),「学校教育法施行規則の規定によらないで教育課程を編成することができる場合を定める件」(平成17年文部科学省告示第98号)及び「教育課程に関し学校教育法施行規則の規定によらない場合における高等学校又は中等教育学校の後期課程の全課程の修了の認定について定める件」(平成17年文部科学省告示第99号)が平成17年7月6日に公布,同日に施行されるとともに,「不登校児童生徒等を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する学校に関する指定要項」(文部科学大臣決定。以下「指定要項」という。)が同日に決定されました。
  今回の改正又は制定の趣旨,内容及び留意事項は,下記のとおりですので,十分御了知いただくようお願いします。
  また,各都道府県教育委員会におかれては,所管の学校及び域内の市町村に,各都道府県知事におかれては,所轄の学校及び学校法人に対して,このことを十分周知されるようお願いします。

第1 趣旨

  今回の改正又は制定の趣旨は,不登校児童生徒等の実態に配慮した特別の教育課程を編成する必要があると認められる場合,特定の学校において教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成することができるようにするものであり,構造改革特別区域法(平成14年法律第189号)第2条第3項に規定する規制の特例措置である「不登校児童生徒等を対象とした学校設置に係る教育課程弾力化事業」を,同法の定める手続によらずに実施できることとするものであること。

第2 内容

1 学校教育法施行規則及び告示関係

  (1)学校生活への適応が困難であるため相当の期間小学校,中学校,高等学校又は中等教育学校(以下「小学校等」という。)を欠席していると認められる児童生徒,高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。以下同じ。)を退学し,その後高等学校に入学していないと認められる者又は高等学校の入学資格を有するが,高等学校に入学していないと認められる者(以下「不登校児童生徒等」という。)を対象として,その実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると文部科学大臣が認める場合,教育課程の基準によらずに特別の教育課程を編成して教育を実施することができることとすること。(学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号。以下「施行規則」という。)第26条の3,第57条の4関係)

  (2)教育課程の基準によらないで教育課程を編成することができる場合は,文部科学大臣が,不登校児童生徒等の実態に配慮した特別の教育課程を編成して教育を実施する必要があると認めて小学校等を指定する場合とすること。(文部科学省告示第98号関係)

  (3)施行規則第63条の2ただし書の規定に基づき,教育課程に関し同令の規定によらない場合における高等学校の全課程の修了の認定について,特別の教育課程を編成して教育を実施する高等学校の指定に係る実施計画に従った教科若しくは科目又はこれらに準ずるものを履修し又は習得した生徒について行うものとすること。(文部科学省告示第99号関係)

  (4)その他所要の規定の整備を行うこと。

2 指定要項関係

  不登校児童生徒等を対象とする特別の教育課程を編成して教育を実施する小学校等に関し,以下の項目について指定要項において定めること。

  1. 趣旨
  2. 小学校等の指定
  3. 実施
  4. 報告の依頼等
  5. 実施計画の変更
  6. 文部科学大臣の是正措置等
  7. 経過措置(指定要項の決定の際現に構造改革特別区域法第4条第8項の規定による内閣総理大臣の認定を受けて特別の教育課程を編成して教育を実施している小学校等に係る経過措置。)

第3 留意事項

1.児童生徒について,不登校状態であるか否かは,小学校又は中学校における不登校児童生徒に関する文部科学省の調査で示された年間30日以上の欠席という定義が一つの参考となり得ると考えられるが,その判断は小学校等又はその管理機関が行うこととし,例えば,断続的な不登校や不登校の傾向が見られる児童生徒も対象となり得るものであること。
  他方,不登校児童生徒等以外の児童生徒については,特別の教育課程の対象にはなり得ないこと。

2.特別の教育課程とは,憲法,教育基本法の理念を踏まえ,学校教育法に定める学校教育の目標の達成に努めつつ,施行規則の定めにかかわらず編成される教育課程であること。

3.特別の教育課程を実施するにあたっては,不登校児童生徒等の実態に配慮し,例えば不登校児童生徒等の学習状況にあわせた少人数指導や習熟度別指導,個々の児童生徒の実態に即した支援(家庭訪問や保護者への支援等),学校外の学習プログラムの積極的な活用など指導上の工夫をすることが望ましいこと。

4.(1)市町村が新たに設置する高等学校若しくは中等教育学校又は学校法人が新たに設置する小学校,中学校,高等学校若しくは中等教育学校において特別の教育課程を編成して教育を実施することを希望する場合,当該学校の設置認可の前に,特別の教育課程を編成して教育を実施する必要がある学校として指定を受ける必要があること。
  (2)市町村が新たに設置する高等学校若しくは中等教育学校又は学校法人が新たに設置する小学校,中学校,高等学校若しくは中等教育学校について,文部科学大臣が指定をした際には,文部科学省はその旨を速やかに,当該学校の設置認可権者(市町村立の高等学校又は中等教育学校については都道府県教育委員会,私立の小学校,中学校,高等学校又は中等教育学校については都道府県知事)に対して通知することとしているので,その旨留意すること。

5.指定を受けた小学校等については,文部科学省ホームページにおいて公表するものであること。

お問合せ先

初等中等教育局児童生徒課

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