2.8.愛知県北名古屋市立鴨田小学校

自然を愛し思いやりの心を育む体験活動

  • 取組当時は西春町立鴨田小。

【活動のポイント】

学校教育活動に対して、保護者の理解が深く、協力的である。学校行事への参加も多い。

  • 地域の方々や保護者との交流を通して、地域を愛する心を育てる。
  • 自然に関わる活動を通して、自然を愛する心を育てる。

【活動内容(対象:3年生)】自然に関する体験活動 —3年生のヤゴ救出作戦—

《活動の経緯》

  • プールのヤゴを死滅させるのはかわいそうだという児童の声で、平成11年度からプール清掃前プールのヤゴを助け育てる『ヤゴ救出作戦』が始まった。
  • 「学校に池がほしい」との児童の願いが池づくりに進展し、その後地域ぐるみでの自然観察園の造成へとつながっていった。水辺の植物も植えられ、校内に本格的なビオトープである「鴨田ウォーターランド」の完成となった。

《ヤゴ救出作戦》

ステップ1

諸注意を聞く

ステップ2

ヤゴを捕獲する

  • 教師・講師・保護者もプールに入り、とり方の指導を行いながらともに捕獲する。
  • プール外からもケガのないように巡視する。

ステップ3

ヤゴを「鴨田ウォーターランド」に放流する。

ステップ4

講師の話を聞く

  • 講師の先生(近隣の高校で「ヤゴ救出作戦」を実践されている先生)がヤゴの成長の記録の方法や育て方について指導する。

【体験活動の支援体制】

  • PTA会長、鴨田スポーツクラブ会長、本校職員(校長・教頭・教務)で構成する「学校支援委員会」
  • 全職員の共通を設置し、活動についての意見交換・検討を行った。
    校長—教頭—全体会—低学年部会・中学年部会・高学年部会

【体験活動の成果と課題】

(1)成果

 ウォーターランドで夏から秋にかけてとびかうトンボの様子を目のあたりにするとき、子どもたちにとっては、生き物の命の尊さを直接実感させることのできる瞬間であり、貴重な学習の場、体験の場でもある。この感動の経験こそ、生き物の命を尊び、自分たちの周りの環境を守っていこうという心を、生涯に位置づけるものである。授業参観で意欲的にいきいきと発表する態度からも、確実に育っていると確信できる。
 地域の方々や保護者、関係諸機関の講師の方々からの専門的な指導を受けることで、「楽しかった」「面白かった」という表面的な学びではなく、「環境問題を真剣に考えていきたい。」もっといろいろな知識を学びたい。」など専門的な知識や課題を積極的に学ぼうとする意識が高まった。

(2)今後の課題

 体験活動の規模が広範囲になるに従って、地域の方々や保護者、講師、関係諸機関との連絡調整が困難になると同時に、安全を確保していくことも難しくなってきた。全活動の窓口を統一し、連絡調整を一本化していく必要がある。

-- 登録:平成21年以前 --