第12節 商業

第1款 目標

 商業の各分野に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、商業の意義や役割を理解させるとともに、経営活動を主体的、合理的に行い、経済社会の発展に寄与する能力と態度を育てる。

第2款 各科目

第1 流通経済

1 目標

 流通に関する知識と技術を習得させ、流通の意義や役割を理解させるとともに、流通を中心とした商業活動に適切に対応する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)流通経済の仕組みと商業活動
(2)流通活動と売買
(3)流通活動と関連機関
(4)企業の活動とコミュニケーション
(5)地域経済と流通活動
(6)経済社会の進展と流通経済

第2 簿記

1 目標

 経営活動に伴う取引を正確、明瞭に記録・計算・整理するための知識と技術を習得させ、簿記の基本原理を理解させるとともに、合理的な会計処理を行う能力と態度を育てる。

2 内容

(1)企業の簿記
(2)簿記の基礎
(3)取引の記帳
(4)決算
(5)帳簿と帳簿組織
(6)株式会社における記帳
(7)コンピュータを利用した会計処理

第3 情報処理

1 目標

 コンピュータとその利用に関する知識と技術を習得させ、情報の意義や役割について理解させるとともに、情報を適切に処理する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経営活動と情報処理
(2)コンピュータの機能と構成
(3)情報処理の手順とプログラミングの基礎
(4)集計処理
(5)情報検索
(6)図形処理
(7)文書処理
(8)コンピュータと通信
(9)情報処理機器の進展とその利用

第4 計算事務

1 目標

 商業活動に必要な計算を合理的、能率的に処理するための知識と技術を習得させ、珠算や計算機の操作に習熟させるとともに、経営活動に役立てる能力と態度を育てる。

2 内容

(1)計算の基礎
(2)珠算、計算機による計算
(3)売買に関する計算
(4)金融に関する計算
(5)証券投資に関する計算
(6)営業費用等に関する計算
(7)経営活動と統計・分析

第5 総合実践

1 目標

 商業の各分野に関する知識と技術を実践的活動を通して総合的に習得させ、経営活動を主体的、合理的に行う能力と態度を育てる。

2 内容

(1)流通経済活動に関する実践
(2)国際経済活動に関する実践
(3)会計活動に関する実践
(4)情報処理に関する実践
(5)経営管理的活動に関する実践

第6 課題研究

1 目標

 商業に関する課題を設定し、その課題の解決を図る学習を通して、専門的な知識と技術の深化、総合化を図るとともに、問題解決の能力や自発的、創造的な学習態度を育てる。

2 内容

(1)調査、実験、研究
(2)作品製作
(3)産業現場等における実習
(4)職業資格の取得

第7 商品

1 目標

 流通活動における主要な商品に関する知識と技術を習得させ、技術革新及び経済社会の変化に伴う商品の特性について理解させるとともに、商品の円滑、適正な流通に寄与する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)産業経済の発展と消費生活
(2)商品と流通
(3)生活関連商品
(4)科学技術の進展と商品
(5)国際化の進展と商品
(6)商品研究

第8 マーケティング

1 目標

 マーケティングに関する知識と技術を習得させ、マーケティングの意義や役割について理解させるとともに、マーケティング活動を計画的、合理的に行う能力と態度を育てる。

2 内容

(1)現代市場とマーケティング
(2)市場調査
(3)商品計画
(4)流通経路と販売価格
(5)販売促進
(6)マーケティングと経営管理
(7)マーケティング実習

第9 商業デザイン

1 目標

 商業デザインについての知識と技術を作品の製作実習を通して習得させ、商業デザインをマーケティング活動に役立てる能力と態度を育てる。

2 内容

(1)デザインの基礎
(2)グラフィックデザイン実習
(3)パッケージデザイン実習
(4)ディスプレーデザイン実習
(5)コンピュータによるデザイン実習

第10 商業経済

1 目標

 経済に関する知識を習得させ、我が国の経済に関する活動を理解させるとともに、経済事象に適切に対応する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経済の発展と生活
(2)商業活動と流通経済
(3)国民経済の仕組み
(4)我が国の経済
(5)国際経済

第11 経営

1 目標

 経営に関する知識を習得させ、我が国の企業経営の特質を理解させるとともに、主体的、合理的な経営に関する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経済活動と経営
(2)サービス産業と経営
(3)経営管理と組織
(4)組織と人間
(5)我が国の企業経営の特質
(6)企業経営と国際化
(7)企業の社会的責任

第12 商業法規

1 目標

 商業活動に必要な法規に関する知識を習得させ、経済社会における法の意義とその役割について理解させるとともに、経済事象を法律的に考え、判断する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経済社会と法
(2)権利・義務と財産権
(3)財産権と契約
(4)財産権の保護
(5)経営活動に関する法規
(6)労働に関する法規
(7)社会生活に関する法規
(8)紛争の解決

第13 英語実務

1 目標

 英語を通して商業に関する実務を行うための知識と技術を習得させ、国際理解を深めるとともに、英語を経営活動に役立てる能力と態度を育てる。

2 内容

(1)外国人とのコミュニケーション
(2)ビジネスの会話
(3)ビジネスの文書
(4)国際経済情報
(5)英語実務実習

第14 国際経済

1 目標

 経済を中心とした国際交流や外国の産業経済に関する知識を習得させ、国際理解を深めるとともに、国際間の経済活動に適切に対応する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経済活動の国際化
(2)貿易
(3)国際金融と海外投資
(4)国際経済事情

第15 工業簿記

1 目標

 製造業における簿記及び原価計算に関する知識と技術を習得させ、原価についての理解を深めるとともに、合理的な会計処理を行う能力と態度を育てる。

2 内容

(1)工業簿記と原価計算
(2)原価要素の費目別計算
(3)原価の部門別計算
(4)原価の製品別計算
(5)製品の受払と決算
(6)原価の管理

第16 会計

1 目標

 企業会計に関する法規、制度や財務諸表の作成に関する知識と技術を習得させ、合理的な会計処理を行うとともに、財務諸表を理解する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)企業会計の基礎
(2)貸借対照表
(3)損益計算書
(4)連結財務諸表の概要
(5)財務諸表の分析
(6)企業経営の社会的責任と監査

第17 税務会計

1 目標

 税法や税務会計に関する知識と技術を習得させ、取引を正確に記帳するとともに、税を正しく計算し申告する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)税務会計の基礎
(2)所得税
(3)法人税
(4)その他の税

第18 文書処理

1 目標

 商業活動に必要な文書処理に関する知識と技術を習得させ、機器の操作に習熟させるとともに、文書に関する情報を経営活動に役立てる能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経営活動と文書情報
(2)基本文書の作成
(3)機器の利用
(4)文書情報の管理
(5)文書処理実習

第19 プログラミング

1 目標

 プログラミングに関する知識と技術を習得させ、コンピュータの効果的な運用方法について理解させるとともに、経営活動に関する情報を合理的に処理する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)コンピュータシステム
(2)基本プログラミング
(3)ファイル処理
(4)表の利用
(5)報告書の作成
(6)オンラインシステム
(7)ソフトウェア
(8)ハードウェア

第20 情報管理

1 目標

 システム設計に関する知識と技術を習得させ、経営活動における情報処理システムについて理解させるとともに、情報を適切に管理し、活用する能力と態度を育てる。

2 内容

(1)企業経営と情報処理
(2)オペレーティングシステムとデータベース
(3)経営管理情報の分析と活用
(4)データ処理のシステム設計と評価
(5)システム設計演習

第21 経営情報

1 目標

 経営活動に関する情報をコンピュータを利用して科学的に処理するための知識と技術を習得させ、情報を計画的、合理的な経営活動に役立てる能力と態度を育てる。

2 内容

(1)経営科学とモデル
(2)市場調査と分析
(3)需要予測
(4)仕入計画
(5)窓口サービス
(6)商品管理
(7)商品の輸送計画
(8)資金計画

第3款 各科目にわたる指導計画の作成と内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)実験・実習を行うに当たっては、施設・設備の安全管理に配慮し、学習環境を整えるとともに、安全と衛生に十分留意すること。また、校外で調査・研究、実習などを行う場合には、指導計画を綿密に作成するとともに、生徒指導にも十分留意すること。
(2)各科目の指導に当たっては、実践的・体験的学習を重視するとともに、情報関連機器の活用を図り、指導の効果を高めるようにすること。
(3)「総合実践」及び「課題研究」については、原則として商業に関する各学科において履修させること。
(4)「課題研究」については、年間指導計画に定めるところに従い、必要に応じて弾力的に授業時間を配当することができること。
(5)普通科において商業に関する科目を履修させる場合には、地域や学校の実態、生徒の興味・関心、進路希望などを考慮し、「流通経済」、「簿記」、「情報処理」、「計算事務」、「文書処理」など適切なものを履修させることが望ましいこと。

2 内容の取扱いに当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)各科目の指導に当たっては、経済活動や技術革新の進展に伴う経済環境、経済政策、経営形態、消費者志向などにも適宜関心を持たせるとともに、特に「流通経済」、「商業経済」、「経営」、「商業法規」及び「国際経済」の指導に当たっては、これらに関する具体的な事例を取り上げることにより理解を深めるようにすること。
(2)「総合実践」については、各学科の特質に応じて内容の(1)から(5)までのうちから指導項目を適宜選択すること。
(3)「課題研究」については、生徒の興味・関心、進路希望などに応じて、内容の(1)から(4)までのうちから個人又はグループで適切な課題を設定させること。

お問合せ先

初等中等教育局

-- 登録:平成21年以前 --