第8節 家庭

第1 目標

 衣食住などに関する実践的な活動を通して、日常生活に必要な基礎的な知識と技能を習得させるとともに家庭生活についての理解を深め、家族の一員として家庭生活をよりよくしようとする実践的な態度を育てる。

第2 各学年の目標及び内容

〔第5学年及び第6学年〕

1 目標

(1)布を用いた身の回りの簡単な物の製作や日常着の手入れができるようにするとともに、日常着の着方や選び方を理解し、被服を工夫して整えることができるようにする。

(2)簡単な調理ができるようにするとともに、日常食の栄養的なとり方や会食の意義を理解し、食事を工夫して整えることができるようにする。

(3)家庭における家族の生活を理解し、快適な住まい方や計画的な生活を工夫することができるようにするとともに、協力して家庭生活をよりよくしようとする態度を育てる。

2 内容

〔第5学年〕
A 被服

(1)被服の働きが分かり、目的に応じて日常着を着ることができるようにする。

(2)日常着の整理・整とんやボタンなどを付けることができるようにする。

(3)簡単な小物及び袋を製作することができるようにする。
 ア 使用目的に応じた形や大きさ及び材料の選び方が分かり、採寸や裁断ができること。
 イ 手縫いによるなみ縫い、返し縫い、玉結び、玉どめなどができること。また、ミシンを用いて直線縫いができること。
 ウ 簡単な装飾ができること。
 エ 製作に必要な用具の種類や扱い方が分かり、その安全な取扱いができること。

B 食物

(1)体に必要な栄養素とその働き及びそれらの栄養素を含む食品の種類が分かり、食品を組み合わせてとる必要があることを理解できるようにする。

(2)野菜や卵を用いて簡単な調理ができるようにする。
 ア 調理に必要な材料の選び方や計量の仕方が分かること。
 イ 食品の洗い方、切り方、加熱の仕方、味の付け方及び盛り付け方が分かること。
 ウ 野菜を切ったりいためたりできること。また、卵をゆでたり焼いたりできること。
 エ 調理に必要な用具や食器の安全で衛生的な取扱い及び燃料やこんろの安全な取扱いができること。

(3)簡単な間食を整え、食べ方やすすめ方を工夫し、団らんの場を楽しくすることができるようにする。

C 家族の生活と住居

(1)家庭における家族の仕事や役割が分かり、家族の一員として家庭の仕事に協力できるようにする。
 ア 家族の仕事や役割が分かり、自分の立場や役割について考えること。
 イ 自分の分担する仕事を工夫してできること。

(2)身の回りの整理・整とんや清掃の適切な仕方が分かり、気持ちよく住むことができるようにする。
 ア 収納の仕方を工夫し、自分の持ち物の整理・整とんができること。
 イ 材質や汚れに応じて適切な清掃ができること。

(3)身の回りの品物について活用の仕方が分かり、不用品やごみを適切に処理できるようにする。

〔第6学年〕
A 被服

(1)日常着の適切な選び方が分かり、被服の整え方を工夫することができるようにする。

(2)日常着の手入れの仕方が分かり、洗たく及びほころび直しができるようにする。

(3)簡単なエプロンやカバー類を工夫して製作できるようにする。
 ア 使用目的に応じた形や大きさの決め方が分かり、材料を選ぶことができること。
 イ 採寸や裁断が工夫してできること。
 ウ 手縫いやミシン縫いにより、目的に応じて縫うことができること。

B 食物

(1)栄養を考えた食物のとり方が分かり、1食分の献立を作ることができるようにする。

(2)日常よく使用される食品を用いて簡単な調理ができるようにする。
 ア 米飯、みそ汁、じゃがいも料理、魚や肉の加工品を使った料理、サンドイッチ、飲み物などの調理ができること。
 イ 調理に必要な材料の分量が分かり、計画を立て手順よく調理ができること。
 ウ 盛り付けや配膳を工夫し、望ましい食事の仕方が分かること。

(3)家庭生活における会食の意義を理解し、計画を立てて楽しい会食ができるようにする。

C 家族の生活と住居

(1)団らんや仕事など生活時間の有効な使い方を工夫し、家庭生活に協力できるようにする。

(2)買物の仕方や金銭の使い方などが分かり、計画的に生活する必要があることが理解できるようにする。
 ア 物の選び方や買い方を考えて、適切に購入することができること。
 イ 金銭の使い方と記録の仕方を工夫すること。

(3)住居の働きが分かり、快適で安全な住まい方を工夫することができるようにする。
 ア 気候の変化に対する住居や住まい方の工夫が分かり、換気をしたり暖房用具を安全に扱ったりすることができること。
 イ 採光のための工夫や照明の仕方が分かること。
 ウ 近隣の人々の生活を考え、環境を清潔にしたり騒音を防止したりする必要性が分かること。

(4)家族の生活に役立つ簡単な物を布などを用いて製作し、活用できるようにする。

第3 指導計画の作成と各学年にわたる内容の取扱い

1 指導計画の作成に当たっては、次の事項に配慮するものとする。
(1)題材を配列するに当たっては、指導の系統性を考慮するとともに季節や行事などとの関連を図り、指導の効果を高めるようにすること。
(2)個々の児童が特性を生かした学習を展開できるようにするため、題材の扱いなどについて工夫すること。

2 第2の内容の取扱いについては、次の事項に配慮する必要がある。
(1)各学年の指導については、つくる喜びや仕事の楽しさを味わうようにすること。
(2)実習の指導については、次の事項に配慮すること。
 ア 服装を整え、用具の手入れや保管を適切に行うこと。
 イ 事故の防止に留意して、熱源や用具、機械などを取り扱うこと。
 ウ 調理に用いる食品の衛生に留意すること。

3 家庭との連携を図り、児童が習得した知識や技能を実際の生活に活用するよう配慮する必要がある。

お問合せ先

初等中等教育局

-- 登録:平成21年以前 --