第1 目標
国語を適切に表現し正確に理解する能力を育成し,伝え合う力を高めるとともに,思考力や想像力及び言語感覚を養い,国語に対する関心を深め国語を尊重する態度を育てる。
第2 各学年の目標及び内容
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
- 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
- (1) 第2の各学年の内容の指導については,必要に応じて当該学年より前の学年において初歩的な形で取り上げたり,その後の学年で程度を高めて取り上げたりして,弾力的に指導することができるようにすること。
- (2) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」,「C読むこと」及び〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕に示す事項については,相互に密接に関連付けて指導するようにするとともに,それぞれの能力が偏りなく養われるようにすること。その際,学校図書館などを計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。また,児童が情報機器を活用する機会を設けるなどして,指導の効果を高めるよう工夫すること。
- (3) 第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」に関する指導については,意図的,計画的に指導する機会が得られるように,第1学年及び第2学年では年間35単位時間程度,第3学年及び第4学年では年間30単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間25単位時間程度を配当すること。その際,音声言語のための教材を活用するなどして指導の効果を高めるよう工夫すること。
- (4) 第2の各学年の内容の「B書くこと」に関する指導については,第1学年及び第2学年では年間100単位時間程度,第3学年及び第4学年では年間85単位時間程度,第5学年及び第6学年では年間55単位時間程度を配当すること。その際,実際に文章を書く活動をなるべく多くすること。
- (5) 第2の各学年の内容の「C読むこと」に関する指導については,読書意欲を高め,日常生活において読書活動を活発に行うようにするとともに,他の教科における読書の指導や学校図書館における指導との関連を考えて行うこと。学校図書館の利用に際しては,本の題名や種類などに注目したり,索引を利用して検索をしたりするなどにより,必要な本や資料を選ぶことができるように指導すること。なお,児童の読む図書については,人間形成のため幅広く,偏りがないように配慮して選定すること。
- (6) 低学年においては,生活科などとの関連を積極的に図り,指導の効果を高めるようにすること。特に第1学年においては,幼稚園教育における言葉に関する内容などとの関連を考慮すること。
- (7) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,国語科の特質に応じて適切な指導をすること。
- 第2の各学年の内容の〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕については,次のとおり取り扱うものとする。
- (1) 〔伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項〕の(1)に示す事項については,次のとおり取り扱うこと。
- ア 特定の事項をまとめて指導したり,繰り返して指導したりすることが必要な場合については,特にそれだけを取り上げて学習させるよう配慮すること。
- イ 伝統的な言語文化に関する指導については,各学年で行い,古典に親しめるよう配慮すること。
- ウ 漢字の指導については,第2の内容に定めるほか,次のとおり取り扱うこと。
- (ア) 学年ごとに配当されている漢字は,児童の学習負担に配慮しつつ,必要に応じて,当該学年以前の学年又は当該学年以降の学年において指導することもできること。
- (イ) 当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字については,振り仮名を付けるなど,児童の学習負担に配慮しつつ提示することができること。
- (ウ) 漢字の指導においては,学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。
- (2) 硬筆を使用する書写の指導は各学年で行い,毛筆を使用する書写の指導は第3学年以上の各学年で行うこと。また,毛筆を使用する書写の指導は硬筆による書写の能力の基礎を養うよう指導し,文字を正しく整えて書くことができるようにするとともに,各学年年間30単位時間程度を配当すること。
- 教材については,次の事項に留意するものとする。
- (1) 教材は,話すこと・聞くことの能力,書くことの能力及び読むことの能力などを偏りなく養うことや読書に親しむ態度の育成を通して読書習慣を形成することをねらいとし,児童の発達の段階に即して適切な話題や題材を精選して調和的に取り上げること。また,第2の各学年の内容の「A話すこと・聞くこと」,「B書くこと」及び「C読むこと」のそれぞれの(2)に掲げる言語活動が十分行われるよう教材を選定すること。
- (2) 教材は,次のような観点に配慮して取り上げること。
- ア 国語に対する関心を高め,国語を尊重する態度を育てるのに役立つこと。
- イ 伝え合う力,思考力や想像力及び言語感覚を養うのに役立つこと。
- ウ 公正かつ適切に判断する能力や態度を育てるのに役立つこと。
- エ 科学的,論理的な見方や考え方をする態度を育て,視野を広げるのに役立つこと。
- オ 生活を明るくし,強く正しく生きる意志を育てるのに役立つこと。
- カ 生命を尊重し,他人を思いやる心を育てるのに役立つこと。
- キ 自然を愛し,美しいものに感動する心を育てるのに役立つこと。
- ク 我が国の伝統と文化に対する理解と愛情を育てるのに役立つこと。
- ケ 日本人としての自覚をもって国を愛し,国家,社会の発展を願う態度を育てるのに役立つこと。
- コ 世界の風土や文化などを理解し,国際協調の精神を養うのに役立つこと。
- (3) 第2の各学年の内容の「C読むこと」の教材については,説明的な文章や文学的な文章などの文章形態を調和的に取り扱うこと。