第1 目標
広い視野に立って,社会に対する関心を高め,諸資料に基づいて多面的・多角的に考察し,我が国の国土と歴史に対する理解と愛情を深め,公民としての基礎的教養を培い,国際社会に生きる平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な公民的資質の基礎を養う。
第2 各分野の目標及び内容
第3 指導計画の作成と内容の取扱い
- 指導計画の作成に当たっては,次の事項に配慮するものとする。
- (1) 小学校社会科の内容との関連及び各分野相互の有機的な関連を図るとともに,地理的分野及び歴史的分野の基礎の上に公民的分野の学習を展開するこの教科の基本的な構造に留意して,全体として教科の目標が達成できるようにする必要があること。
- (2) 各分野の履修については,第1,第2学年を通じて地理的分野と歴史的分野を並行して学習させることを原則とし,第3学年において歴史的分野及び公民的分野を学習させること。各分野に配当する授業時数は,地理的分野120単位時間,歴史的分野130単位時間,公民的分野100単位時間とすること。これらの点に留意し,各学校で創意工夫して適切な指導計画を作成すること。
- (3) 知識に偏り過ぎた指導にならないようにするため,基本的な事項・事柄を厳選して指導内容を構成するものとし,基本的な内容が確実に身に付くよう指導すること。また,生徒の主体的な学習を促し,課題を解決する能力を一層培うため,各分野において,第2の内容の範囲や程度に十分配慮しつつ事項を再構成するなどの工夫をして,適切な課題を設けて行う学習の充実を図るようにすること。
- (4) 第1章総則の第1の2及び第3章道徳の第1に示す道徳教育の目標に基づき,道徳の時間などとの関連を考慮しながら,第3章道徳の第2に示す内容について,社会科の特質に応じて適切な指導をすること。
- 指導の全般にわたって,資料を選択し活用する学習活動を重視するとともに作業的,体験的な学習の充実を図るようにする。その際,地図や年表を読みかつ作成すること,新聞,読み物,統計その他の資料に平素から親しみ適切に活用すること,観察や調査などの過程と結果を整理し報告書にまとめ,発表することなどの活動を取り入れるようにする。また,資料の収集,処理や発表などに当たっては,コンピュータや情報通信ネットワークなどを積極的に活用し,指導に生かすことで,生徒が興味・関心をもって学習に取り組めるようにするとともに,生徒が主体的に情報手段を活用できるよう配慮するものとする。その際,情報モラルの指導にも配慮するものとする。
- 内容の指導に当たっては,教育基本法第14条及び第15条の規定に基づき,適切に行うよう特に慎重に配慮して,政治及び宗教に関する教育を行うものとする。