学習指導要領「生きる力」

Q&A

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6.生活に関すること

Q問6−1

 中央教育審議会答申によれば,生活科では気付きの質を高めることが求められています。気付きの質を高めることの意味とそのための学習活動としてどのようなことが考えられるかを教えてください。

A答6−1

 気付きは対象に対する一人一人の認識のことですが,活動を繰り返したり対象とのかかわりを深めたりすることに伴い,一つ一つの気付きが関連付けられた気付きとなったり,対象への気付きが自分自身への気付きとなったりすることが考えられます。例えば,アサガオを育てる活動を行う中でアサガオへのかかわりを深め,アサガオの成長への気付きがアサガオの世話を続けることができた自分自身の成長への気付きとなることが考えられます。

 このように気付きの質を高めるため,今回の改訂では,見付ける,比べる,たとえるなどの多様な学習活動を工夫することが例示されています。教員には児童が気付いたことを表現する活動を工夫し充実することが期待されています。

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Q問6−2

 内容(1)学校と生活においては安全を守っている人々などに関心を持たせることになっています。この際の安全とは自然災害,交通災害,人的災害の3つの災害に対する安全確保に配慮することが必要だとされていますが,具体的にどのようなことでしょうか。

A答6−2

 内容(1)においては,安全な登下校ができるようにすることをねらいとしています。このため,自然災害,交通災害,人的災害とは,通学路の様子を念頭においており,具体的には,自然災害とは川の氾濫や屋根に積もった雪の落下,交通災害とは自動車の事故,人的災害とは近年多発している不審者による事件などが考えられます。

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Q問6−3

 継続的な飼育に当たっては,どのような動物を選ぶのが適当でしょうか。

A答6−3

 動植物の飼育・栽培は身近な動物や植物に興味・関心をもち,それらが生命をもっていることや成長することに気付くとともに,生き物を大切にすることができるようにすることをねらいとしています。これまでは,短時間の触れ合いに終わっている事例などがあったため,今回の改訂においては,継続的に飼育・栽培を行うことを重視しています。

 飼育する動物としては,ウサギやモルモットなどの小型動物や中型動物のほか昆虫類も含むと考えられます。各学校の地域や児童の実態が異なりますので一概には言えませんが,生活科の目標を実現するという視点から選ぶことが重要となります。なお,動物飼育に当たっては、動物の管理や繁殖,施設や環境などについて配慮することが必要ですので,地域の専門家や獣医師などと連携することが必要です。また,代表的な動物の飼育方法、飼育動物の疾病と対策等を内容とする「学校における望ましい動物飼育のあり方」(文部科学省委嘱研究)
https://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/06121213/001.pdf)もご活用ください。

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Q問6−4

 内容(8)生活や出来事の交流は,生活科以外の内容と関わらせて行うことも可能でしょうか。

A答6−4

 生活科においては活動や体験を重視していますが,内容(8)の交流活動については,進んで身近な人と交流できる態度をはぐくむほか,活動や体験をその場限りで終わらせるのではなく活動や体験をもとに思考を促し,進んで交流しようとする意欲をはぐくむことをねらいとしています。実際の単元を構成する場合には,内容(8)は(1)〜(7),(9)と関わらせて実施することが適当と考えられますが、他教科における活動や夏期休暇中の出来事などと関わらせて実施することも可能です。

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Q問6−5

 生活科を中心として第1学年で実施するスタートカリキュラムとは,具体的にはどのようなものでしょうか。

A答6−5

 いわゆるスタートカリキュラムとは,児童が義務教育の始まりにスムーズに適応していけるようなカリキュラムを構成することです。例えば,小学校第1学年において,教科を横断した大単元から各教科の単元へと分化していく教育課程を編成することが考えられます。具体的には,生活科において学校を探検する学習活動を行い,そこで発見した事柄について,伝えたいという児童の意欲を生かして,国語科,音楽科,図画工作科においてそれぞれのねらいを踏まえた表現活動を行うなど,合科的に扱うことが考えられます。

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初等中等教育局教育課程課

-- 登録:平成21年以前 --