小・中学校理科の移行期間中における指導について留意すべきことは何でしょうか。
小・中学校理科については、算数・数学と同様、新課程に円滑に移行できるよう、移行期間中から新課程の内容の一部を前倒しして実施することとなっています。このため、すべての学校において、これらの内容を踏まえて年間指導計画を作成することが必要となります。(詳細については、移行期間中の教育課程については、「平成21年度4月1日から平成23年3月31日までの間における小学校学習指導要領の特例を定める件」(平成20年文部科学省告示第98号)及び「平成21年度4月1日から平成24年3月31日までの間における中学校学習指導要領の特例を定める件」(平成20年文部科学省告示第99号)を確認して下さい。)
特に、小学校第3学年における「風やゴムの働き」、小学校第6学年における「電気の利用」、中学校第1分野「仕事とエネルギー」など、新しく追加される内容もありますので、新たな教材研究や、場合によっては、教材の開発・購入が必要です。
また、指導においては、十分な観察、実験の時間や探究の時間の設定や、博物館や科学技術センターなどとの連携、道徳の時間などとの関連などにも配慮していただきたいと思います。
新しく追加される内容に伴い必要とされる実験器具にはどのようなものがありますか。
小・中学校学習指導要領解説理科編に例示されている実験器具や(財)日本理科教育振興協会のホームページに掲載されている実験器具一覧を適宜参考にして下さい。また、観察・実験等に必要な機器・器具等については理科教育振興法に基づき整備費の一部が補助されることとなっています。こちらも是非ご活用下さい。
また、例えば、現行学習指導要領で使われなくなり、今回の改訂で復活した「電気とその利用」の「誘導コイル」のように、長期間使用していなかった実験器具を使用すると、劣化などにより実験に不具合が生じたり発火するおそれがあったりします。使用前に、安全に使用可能かどうか必ず一度ご確認下さい。
学習の内容の指導順序に関する規定が変更されましたが,詳しく教えて下さい。
学習の内容の指導順序に関する規定について,平成10年告示の学習指導要領では,各分野の内容の(1)から(7)までをこの順序で取り扱うように示していました。今回,これを改めて,内容の(1)及び(2)は第1学年,内容の(3)及び(4)は第2学年,内容の(5)から(7)までは第3学年で取り扱うよう,各学年ごとに標準的な内容を示すこととし,各学年の中では指導する順序の弾力化を図ることとしました。このことにより,例えば,動植物の観察や気象・天体の観測を春夏秋冬のそれぞれの季節に実施することや,第2学年第1分野の(3)と(4)の学習の順序を入れ替えることにより,静電気の実験を湿度が高く静電気が発生しにくい梅雨の時期から避けることができたり,有害な気体が発生する実験を風が強く換気がしにくい冬の時期から避けるたりすることなどが可能となりました。
これは,地域の特性などを生かした学習ができるようにするためであり,中学校理科の第1分野と第2分野の内容の系統性に配慮し学習の全体を見通して指導計画を作成し指導を行うことが重要です。
移行期間中の補助教材については,いつ頃,どのように配布されるのですか。
初等中等教育局教育課程課
-- 登録:平成21年以前 --