検 定 意 見 書
受理番号 14-75 | 学校 高等学校 | 教科 地理歴史 | 種目 日本史A | 学年 |
番号 | 指摘箇所 | 指 摘 事 項 | 指 摘 事 由 | 検定基準 | |
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頁 | 行 | ||||
1 | 口絵 | 「日本のやきもの」「稲荷信仰」(「港ヨコハマの歴史」「鉄道網の拡大」「産業技術の発達と社会」も含む) | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(3)のア「作業的、体験的な学習を重視して実施すること」に照らして、扱いが不適切である。 | 2-(1) | |
2 | 口絵 | テーマ学習 | 学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(3)のア「アからオまでの中から、生徒の実態等に応じ、二つ又は三つを選択して主題を設定し」に照らして、選択して学習することができるよう配慮がされていない。 | 固有 2-(1) |
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3 | 2 | 上絵説明「9世紀後半。『伴大納言絵詞』」 | 『伴大納言絵詞』は12世紀に制作されたものであり誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) | |
4 | 4 | 11 − 12 |
6代将軍の暗殺をきっかけに、1467年に応仁の乱がおこり、・・ | 不正確である。 | 3-(1) |
5 | 9 | 側注![]() |
外国の要求を拒絶する阿部の対応に対して、現実的な対応を期待していた側近らは反発を強めた。 | 幕府内の状況を阿部とその側近の対立のみで記しており、説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
6 | 16 | 3 − 6 |
この事件をきっかけに、攘夷の困難さを知った薩摩藩は会津藩とむすんで・・・尊攘派の勢力の一掃をめざした(八月十八日の政変)。 | 薩摩藩が長州藩などの尊攘派を排除しようとした要因が、攘夷の困難さを知ったことにあるとのみ誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
7 | 22 | 9 − 11 |
1872年には幕府がアメリカに許可していた江戸・横浜間の鉄道敷設権と経営権を買いもどし、 | アメリカに対しては金銭の支払いはなく、不正確である。 | 3-(1) |
8 | 39 | 15 − 16 |
・・の増税などを行なって歳入を増加させて正貨保有量を増やし、その余剰金で不換紙幣を処分した。 | 歳入増加、正貨保有量増加、不換紙幣処分の関係が説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
9 | 43 | 25 − 26 |
また大臣は、天皇の最高諮問機関をになう枢密院などの検討をへて・・ | 不正確である。 | 3-(1) |
10 | 44 | 14 − 20 |
なかでも、民法は・・姦通罪があった。 | 民法に姦通罪があるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
11 | 46 | 14 | 立憲自由党 | 不正確である。 | 3-(1) |
12 | 49 | 18 − 19 |
朝鮮政府は1889年に穀物の搬出を禁止したが、 | 朝鮮政府とするのは不正確である。 | 3-(1) |
13 | 50 | 5 − 6 |
この反乱に対して、日本政府は議会を解散して、朝鮮への出兵準備を急いだ。 | 議会が出兵の阻害要因であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
14 | 50 | 7 | 天津条約にもとづいて | 天津条約に規定されているかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
15 | 50 | 10 | ロシアの了解をえた日本は | ロシアが了解したかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
16 | 56 | 11 | 義和団という宗教団体 | 義和団の性格について不正確である。 | 3-(1) |
17 | 57 | 側注![]() |
![]() |
この時点で日本の支配権が容認されたかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
18 | 59 | 15 − 16 |
・・堺利彦らが日本社会党を結成し、労働争議や東京市電値上げ反対運動を支援すると、1907年、西園寺内閣は解散を命じた。 | 日本社会党の解散命令の理由について、労働争議などによるものと誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
19 | 59 | 16 − 18 |
1910年、天皇暗殺を計画したとして社会主義者数百人を検挙し、1911年、幸徳秋水らを死刑とした(大逆事件)。 | 主語が西園寺内閣であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
20 | 59 | 28 − 30 |
統監府は、義兵闘争を武力で弾圧した。1909年に司法権・警察権をうばい、1910年には韓国併合を行ない、・・ | 日本が韓国の警察権を奪ったのが1909年であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
21 | 63 | コラム | 右12行目「伊勢の村むらと同じような目的で・・」 | それ以前に伊勢の村むらに関する記述がなく、組織が不適切である。 | 2-(9) |
22 | 67 | 脚注![]() |
ブリジストン美術館 | 誤りである。 | 3-(1) |
23 | 69 | 8 − 10 |
・・政治問題を論じる大きな新聞と、・・事件や読み物などを掲載する小さな小新聞とがあった。 | 大新聞と小新聞の実態について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
24 | 73 | 側注![]() |
ロマノフ王朝の皇帝(ツアーリ)による圧政に対する革命は、3月革命と11月革命の二度くりかえされた。 | 帝政に対する革命が二度おこされたかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
25 | 73 | 33 | 1922年、内外の批判をうけ、ようやく撤兵した。 | 同ページ側注![]() |
3-(1) |
26 | 75 | 1 − 3 |
パリのヴェルサイユ宮殿で連合国とドイツとの間の戦争状態を終わらせるための講和会議が開かれ、・・ | 講和会議開催の場所をヴェルサイユ宮殿とするのは不正確である。 | 3-(1) |
27 | 75 | 9 − 10 |
アメリカは民主党のウイルソンに対抗して共和党が上院で反対したため・・ | アメリカ議会の反対理由について、単にウイルソンに対抗することにより反対したと誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
28 | 77 | 側注![]() |
三菱系の東京電灯会社は・・ | 誤りである。 | 3-(1) |
29 | 80 | コラム | (右4行目)在華紡はより純粋な経済侵略としての特徴があり、 | 説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
30 | 83 | 24 − 25 |
清浦内閣は政党に対して強硬姿勢を打ちだしたため、野党の憲政会と革新倶楽部の両党は・・ | 清浦内閣の政党に対する姿勢について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
31 | 95 | 18 − 20 |
そうしたなか、1930年に日本は金解禁を行なったため、世界恐慌にまきこまれた(昭和恐慌)。 | 世界恐慌にまきこまれた主因が金解禁であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
32 | 96 | 23 − 27 |
1931年、満州で日本軍人が行方不明となった事件や、満州在住の朝鮮人農民と国境警備にあたる中国の保安隊とが武力衝突した事件 | 不正確である。 | 3-(1) |
33 | 97 | 9 − 11 |
諸外国も日本の行動を侵略行為としてきびしく批判したため、国際連盟はイギリスのリットンを団長とする調査団を日本・中国へ派遣した。 | リットン調査団派遣の理由について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
34 | 98 | 10 − 11 |
かえって、事件のたびごとに軍部の発言力は強まり、あとを継ぐ政党内閣はなく・・ | 説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
35 | 98 | 19 | 満州占領は国際法違反であるとする勧告 | 国際法違反とはしておらず不正確である。 | 3-(1) |
36 | 99 | 21 − 24 |
犬養内閣の高橋是清大蔵大臣は、金本位制を停止し、・・管理通貨制度に移行した。こうした政策を実施するために、政府は、多額の赤字国債を発行しておぎなっていった。 | 前後の文章の関係が説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
37 | 101 | 2 − 3 |
ドイツでは、1933年、ヒトラーが国家(国民)社会主義ドイツ労働者党(ナチス)を組織し、・・ | ヒトラーがナチスを1933年に組織したように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
38 | 101 | 11 − 13 |
これを黙認する宥和政策をとり、1938年、ミュンヘン会談でドイツのオーストリア併合をみとめた。 | 不正確である。 | 3-(1) |
39 | 102 | 6 − 7 |
広田弘毅内閣が組閣するさい、軍部大臣現役武官制を復活させて圧力をかけ・・ | 軍部大臣現役武官制復活は組閣後であり、不正確である。 | 3-(1) |
40 | 102 | 11 | 軍閥ごとに異なっていた通貨 | 中国において通貨が異なっていた主因は軍閥の存在にあるのではなく、不正確である。 | 3-(1) |
41 | 103 | 側注![]() |
南京を占領した日本軍がくり広げたレイプ・掠奪・放火・集団的な虐殺がおこった。 | 「レイプ」という用語は、教育的配慮に欠ける表現である。 | 2-(7) |
42 | 103 | 17 − 18 |
・・さらに日本・「満州」・「中国」の3か国による「東亜新秩序」建設の声明(第2次近衛声明)を出して、和平の道を閉ざした。 | 第2次近衛声明の内容について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
43 | 108 | 10 − 11 |
『古事記』や『日本書紀』を批判した歴史学者の津田左右吉 | 批判したとはいえず、不正確である。 | 3-(1) |
44 | 108 | 18 | 日本放送協会(のちのNHK) | 誤りである。 | 3-(1) |
45 | 114 | 見出し | アジア・太平洋戦争 | アジア・太平洋戦争という用語は、現在一般的とは言い難い。 | 2-(4) |
46 | 118 | 1 − 2 |
1943年、日本は「満州国」や中国の南京政府、タイ、フィリピン、ビルマなどの占領地からの代表を東京にあつめて大東亜会議を開き、 | タイを占領地に含めるのは不正確である。 | 3-(1) |
47 | 126 | 18 | 従軍慰安婦にされた女性たちは戦場で多くが死んだ。 | 一面的な見解を十分な配慮なく取り上げている。 | 2-(4) |
48 | 127 | 11 − 18 |
こうして、日本政府は・・戦後処理にもられている問題も存在する。 | 国家賠償と個人の請求権の関係、「約束した課題」「国家賠償」などの関係が説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
49 | 128 | 6 − 8 |
10月にはアメリカ・イギリス・フランス・ソ連・中国の五か国が中心となって・・国際連合が発足した。 | フランスが国連発足の際の中心の一つであったかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
50 | 129 | 側注![]() |
裁判中の死亡者3名であった。 | 誤りである。 | 3-(1) |
51 | 132 | 20 − 21 |
・・マッカーサーは禁止命令を出してこれを中止させ、批判をかわすために吉田首相に総選挙の実施を指示した。 | 総選挙実施の支持の理由について、誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
52 | 134 | 囲み | 改正民法 | 改正された民法であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
53 | 135 | 写真説明 | 墨ぬり教科書 資料不足のために・・ | 説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
54 | 135 | 3 − 7 |
1945年、幣原内閣は・・5町歩(5ha)とし、小作料は金納とする農地改革案を作成した。しかし総司令部は、農民運動や労働運動の高まりを恐れて・・実施されなかった。 | 第1次農地改革が実施されなかった主因が農民運動などにあるかのように誤解するおそれのある表現である | 3-(2) |
55 | 139 | 側注![]() |
金日成主席 | 当時は首相であり、誤りである。 | 3-(1) |
56 | 143 | 表 | 「政党の変遷![]() |
不正確である。 | 3-(1) |
57 | 152 | 1 − 3 |
松下電器工業(のちのパナソニック)や、・・本田技研工業(のちのホンダ) | 誤りである。 | 3-(1) |
58 | 153 | 20 − 21 |
韓国との間では、対日賠償請求と国交回復のための日韓交渉をつづけてきたが、・・ | 国交正常化と賠償問題とが同列に扱われたかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
59 | 153 | 21 − 22 |
しかし、1960年に李承晩にかわって、軍人の朴正熙がクーデタによって政権をにぎり、 | 不正確である。 | 3-(1) |
60 | 154 | 表 | 1972・・国交回復 | 不正確である。 | 3-(1) |
61 | 154 | 21 | 最前線基地 | 実際に戦場であるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
62 | 155 | 19 − 21 |
企業は製品輸入の必要がなくなったため、大量の製品の販売先を外国にたよる輸出依存型の産業構造ができあがっていった。 | 説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
63 | 160 | 15 − 19 |
世界経済もまた、1971年に為替相場が変動相場制に移行した後・・1973年、・・主要先進国は変動相場制に移行した。 | 変動相場制への移行時期について、説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
64 | 160 − 161 |
23 − 2 |
田中内閣はまた、再度の円の交換レート切上げをふせぐために「日本列島改造論」にもとづく内需拡大政策を実行に移した。 | 円交換レートの問題と日本列島改造論との関係について、説明不足で理解し難い表現である。 | 3-(2) |
65 | 165 | 8 | 金利の引下げ | 誤りである。 | 3-(1) |
66 | 165 | 17 − 19 |
・・竹下登内閣が成立し、1989年、選挙公約に反して大型間接税である「消費税」(3%)の導入がきめられた。 | 竹下内閣が消費税を導入しないことを公約に掲げて選挙に臨んだことがあるかのように誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
67 | 167 | 側注![]() |
2001年からは統一通貨(ユーロ)の使用がはじまった。 | 2002年からであり、誤りである。 | 3-(1) |
68 | 169 | 28 | フロンガスや二酸化炭素による地球温暖化 | 地球温暖化について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
69 | 裏見返 | 東京近郊図 | 新橋駅がなく不正確である。 | 3-(1) |
検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。