検 定 意 見 書
受理番号 12-359 | 学校 高等学校 | 教科 地理歴史 | 種目 世界史A | 学年 |
番号 | 指摘箇所 | 指 摘 事 項 | 指 摘 事 由 | 検定基準 | |
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頁 | 行 | ||||
1 | 3 | 上図 | 図「農耕文化の発生とその伝播」中のサバンナ農耕文化、地中海農耕文化、ライスロード | サバンナ農耕文化と地中海農耕文化、ライスロードの表示[→]は不正確である。 | 3-(1) |
2 | 14 | 側注1 | アーリア人は・・・ヨーロッパ・イラン(ペルシア)・インド方面に進出した。 | アーリア人の概念をヨーロッパ人に適用することは、誤りである。 | 3-(1) |
3 | 25 | 9 − 11 |
西ヨーロッパ(西欧)は・・・先住民のケルト系のほか、さまざまな人びとの移動と衝突がくりかえされた。 | 西欧の主要な言語・民族系統であるゲルマン系のことが記されておらず、ヨーロッパの民族分布に関して誤解のおそれがある記述である。 | 3-(2) |
4 | 27 | 18 − 20 |
・・・属州から多数の奴隷と巨額の富がはこびこまれた。 | 2世紀以後、「多数の奴隷」がローマにもたらされたとするのは、不正確である。 | 3-(1) |
5 | 27 | 31 − 33 |
313年、コンスタンティヌス帝はイエスの教えのなかで、アタナシウス派だけをキリスト教として公認し、380年、ローマ帝国の国教となった | ミラノ勅令とニケーア宗教会議が混同されており、また、アタナシウスの説はイエスの教えそのものというより教義の問題であり、不正確な記述である。 | 3-(1) |
6 | 28 | 1 − 7 |
3世紀に入ると・・・奴隷反乱がたびたびおこった。・・・大農場主は、土地を小作させるなど自給自足的な経営にきりかえていった。そのため、地方ごとに自立する動きが強まり | 属州の奴隷反乱、およびコロヌス制と地方の自立に関する記述は、3・4世紀に関する歴史記述としては不正確である。 | 3-(1) |
7 | 30 | 11 − 12 |
・・・商工業者は・・・教皇に保護をもとめたので、都市は大聖堂を中心に町づくりがなされた | 都市の保護権力は聖俗多様であり、都市の成立に関して不正確な記述である。 | 3-(1) |
8 | 32 | 地図 | 地図「おもな交易路とモンゴル帝国の領域」中の高麗 | 高麗と元の関係について、誤解のおそれのある地図である。 | 3-(2) |
9 | 34 − 41 |
第2章第2節「海とユーラシア」、第3節「陸とユーラシア」、第4節「ヨーロッパとユーラシア」、第5節「東アジア海域と日本」 | 学習指導要領に示す「内容」の(1)のオの(ア)から(エ)について、「内容の取扱い」(2)のイに照らして、二つ程度選択して学習することができるよう配慮がされていない。 | 固有 2-(1) |
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10 | 40 | 12 | 李氏朝鮮 | 表記が適切でない。 p.11 11行目も同様。 | 3-(3) |
11 | 45 | 右上図 | イェニチェリ ・・・かれらは、・・・強制的にイスラーム教徒にさせられ、軍人や官僚として育成された | 奴隷の補充制度としてのデウシルメ制の記述であり、常備歩兵軍団としてのイェニチェリとの関係が明らかではなく、二つの制度の関係について誤解するおそれがある。 | 3-(2) |
12 | 49 | 26 − 27 |
そこをインドと信じたかれは・・・ | 当時の「インド」の観念が現在とは異なることを説明しておらず、「コロンブスの航海」の歴史的背景について誤解するおそれのある表現である。 | 3-(2) |
13 | 68 | 21 − 23 |
経済学者のアダム=スミス・・・こうした産業革命を積極的に評価し、 | 「こうした」がなにを指すのか明らかではなく、産業革命について誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
14 | 69 | 側注3 | ヨーロッパ系の白人男性だけをさし、黒人やインディアンだけでなく、白人の女性もふくまれていなかった。 p.71 側注3 |
歴史的文書における理論的要請と政治的・社会的現実との関係性が説明されておらず、民主主義の歴史上重要な文書の学習に関して、誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
15 | 82 | 側注1 | 側注1 | 側注の内容が、p.81 15行目以下の記述と重複しており、組織が不適切である。 | 2-(9) |
16 | 84 | 地図 | 地図「18世紀末〜19世紀はじめのアジア・アフリカ」 | イギリス領インド帝国、フランス領インドシナ連邦、太平天国、長州など表題とは関係性のうすい情報が図示されており、不正確である。 | 3-(1) |
17 | 85 | 10 − 12 |
これに独力で対処できなかったオスマン帝国は、エジプト軍に鎮圧をもとめたため、ギリシア独立運動は国際問題となり | エジプト軍の参加によって、なぜ、ギリシア独立運動が国際問題化するのか、説明不足で理解し難い。 | 3-(2) |
18 | 91 | 14 | インドを直轄支配下においた | 同ページ17行目のインド帝国に関する記述、「インド政庁の直轄地と多数の藩王国からなるインド帝国が成立した」との関連が図られておらず、理解し難い。 | 3-(2) |
19 | 94 | 側注1 | 1.広州で・・・逮捕した事件。第2次アヘン戦争ともよばれている。 | 本文との関係も含めて、アロー号事件とアロー戦争が混同されており、事件と戦争の関わりを誤解するおそれのある注である。 | 3-(2) |
20 | 105 | 16 − 17 |
このように、バルカン半島には、少数民族が多く、 | 少数民族とは一定地域における人口比率の問題であり、「このように」では説明不足であり、理解し難い記述である。 | 3-(2) |
21 | 119 | 3 − 6 |
この鎮圧にてこずった朝鮮政府の要請をうけて清が軍隊を派遣すると、日本も居留民保護を理由に出兵し・・・日清戦争がはじまった。 | 日清戦争勃発の経緯として、不正確な記述である。 | 3-(1) |
22 | 128 | 地図 | 地図「世界の国ぐに」中の凡例:「19世紀の共和国」、「20世紀に君主制を廃止した国」 | 「共和国」、「君主制」の基準がどのような原理に基づくのか明らかでなく、なにを表現しようとしたのか理解し難い地図である。 | 3-(2) |
23 | 130 | 9 − 12 |
資本主義陣営は富や所得の公正な分配のために、市場の国家統制を・・・共産主義陣営は富や所得の拡大のために、経済運営に市場原理を・・・そのため・・・混合経済なる言葉も生まれた | 資本主義における市場の国家統制、共産主義陣営における市場原理の導入、いずれもその目的との関係が、また「混合経済」もその内容が説明不足であり、第2次世界大戦後の経済体制に関して誤解するおそれのある記述である。 | 3-(2) |
24 | 133 | 18 | 環境ホルモン | 内分泌かく乱物質について誤解するおそれがある。 | 3-(2) |
25 | 144 | 6 − 9 |
また、移民数が制限されたため、・・・カトリック教徒やユダヤ人たちのアメリカ化がすすみ・・・白人プロテスタントの不寛容な運動もおこった。 | アメリカの移民社会の事情、白人プロテスタントの価値観などが説明不足であり、理解し難い記述である。 | 3-(2) |
26 | 147 | 3 − 4 |
・・・五・四運動は・・・民族独立運動で | 不正確な表現である。 | 3-(1) |
27 | 153 | 側注4 | イギリスの宥和政策のため、翌年退陣した | ブルム首相の退陣とイギリスの宥和政策がどのように関係するのか、理解し難い。 | 3-(2) |
28 | 155 | 27 − 28 |
「アジア・太平洋戦争」 | 「アジア・太平洋戦争」という用語は、現在一般的とは言い難い。 | 2-(4) |
29 | 157 | 側注5 | 日本軍の抗日根拠地に対する作戦は、三光政策と・・・よばれた。 | 本文との関連で、抗日根拠地に国民党の根拠地もふくまれるかのように誤解するおそれがある。 | 3-(2) |
30 | 158 | 側注2 | ソ連の犠牲者は2700万人におよび | p.159の表「第二次世界大戦における死傷者」中のソ連の死傷者数と一致せず、相互に矛盾している。 | 3-(1) |
31 | 166 | 地図 | 地図全体「おもな地域紛争と宗教分布」 | 本文の地域紛争の定義と合致しない紛争地域を含んでおり、理解し難い地図である。 | 3-(2) |
32 | 168 | 9 − 10 |
相手に察知されず・・・精確に命中する運搬手段(MIRV)も開発された。 | MIRVは、運搬手段ではなく、誤りである。 | 3-(1) |
33 | 169 | 13 − 14 |
核兵器とならんでその危険性が論争されているのは原子力発電である。 | 原子力発電の「危険性」について、誤解のおそれがある。 | 3-(2) |
34 | 172 | 側注3 | その最悪の事例がドイツのナチズムである | ナチスの反ユダヤ主義の原因の一つに東欧からのユダヤ系移民の増加があることが記されておらず、ナチスの排外主義と現代の移民・難民問題とがどのような関係にあるのか説明不足で理解し難い。 | 3-(2) |
35 | 179 | 3 − 5 |
中ソ両国は・・・少数民族支配をめぐる抗争に、社会主義世界での指導権あらそいがくわわり・・・対立がはげしくなり | 対立の主要原因となったソ連の平和共存政策について記されておらず、中ソ対立の原因について誤解するおそれがある。 | 3-(2) |
36 | 180 | 側注1 | 側注1 | どこの国・地域のことについて述べているのか不明であり、理解し難い注である。 | 3-(2) |
37 | 182 | 13 − 17 |
ソ連では・・エリツィンが・・・バルト3国の独立を承認・・・各共和国が独立し、いっきょにソ連邦の解体にまですすんだ。そして、旧ソ連内11共和国は、独立国家共同体を創設し・・ | ソ連の解体にいたる時系列が不正確である。 | 3-(1) |
38 | 183 − 184 |
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学習指導要領に示す「内容の取扱い」の(2)のエの(イ)「例示された課題などを参考に適切な主題を設定し、生徒の主体的な追究を通して認識を深めさせる」に照らして、学習主題と追究方法が明示されておらず、扱いが不適切である。 | 2-(1) |
検定基準の欄には、義務教育諸学校教科用図書検定基準又は高等学校教科用図書検定基準の第2章及び第3章に掲げる項目のうち、該当するものの番号を示す。