1.研究開発学校制度について

(1) 研究開発学校制度とは
    文部科学省では,幼稚園,小学校,中学校,義務教育学校,高等学校,中等教育学校及び特別支援学校の教育課程の改善に資する実証的資料を得るため,昭和51年から研究開発学校の制度を設けています。
    この制度は,学校における教育実践の中から提起されてくる教育上の課題や急激な社会の変化・発展に伴って生じた学校教育に対する多様な要請に対応するため,研究開発を行おうとする学校を「研究開発学校」として指定し,その学校には,学習指導要領等の現行の教育課程の基準によらない教育課程の編成・実施を認め,その実践研究を通して新しい教育課程・指導方法を開発していこうとするものです。
    国や教育委員会においては,従来から,教育課程研究指定校を設けるなどして教育課程の改善のための研究を進めてきており,その成果は,学習指導要領の改訂等に際しても十分生かされてきています。一方,教育課程の基準の改善に当たっては,改善しようとする事項がその趣旨ねらいに即して実際に各学校で実施できるかどうかなどを十分見定めることが必要であり,そのためには現行の基準によらない試みをあらかじめ実践し,その成果を検証しておく必要があります。
    このような考えに立って,文部科学省では,学校教育法施行規則第55条等に基づき,研究開発学校制度を設けています。
    平成12年度からは,各学校や地域の創意工夫をより生かすため,文部科学省が研究課題を定めた上で都道府県教育委員会等に学校の推薦を依頼していた方式を改め,学校の管理機関が主体的に研究開発課題を設定し,文部科学省に申請することとしています。なお,研究開発学校実施希望調査の際には,審議会等において,今後検討すべきとされている課題等を中心に「重点課題」として示しています。
   
(2) 研究開発の成果
    これまでの研究開発の成果は,教育課程の基準改訂に関する審議会の審議等の中で,具体的な実証的資料として生かされてきています。例えば,平成元年改訂学習指導要領においては,小学校低学年の「生活科」の設置,中学校の選択履修の幅の拡大,高等学校の「課題研究」などの新しい科目の設定などの形で取り入れられ,平成10年,11年改訂学習指導要領における「総合的な学習の時間」や高等学校の「情報」「福祉」などの教科の創設に際しても,研究開発学校における実践が貴重な資料になりました。また,単位制高等学校や中等教育学校の制度化においても実証的資料を提供しました。さらに,平成20年改訂学習指導要領における小学校高学年における「外国語活動」の新設,平成29年改訂学習指導要領における小学校中学年における「外国語活動」の導入にも,研究成果が活用されています。
 
(3) 教育課程の不断の見直し
    文部科学省では,平成13年から,教育課程に関する審議会(中央教育審議会初等中等教育分科会教育課程部会)を常設化し,これまではおおむね10年に一度の見直しを行ってきた教育課程の基準について,研究開発学校における実践研究の成果や,全国的な学力調査をはじめとした各種調査研究の結果に基づき不断に見直す体制を整備しました。この結果,各研究開発学校における実践の成果は絶えず教育課程の基準に関する審議に生かされることとなり,その重要性はこれまで以上に高まっています。

-- 登録:平成21年以前 --