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団体名 |
調査研究課題名 |
調査研究概要 |
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青森県教育委員会 |
ICTを活用した高等学校における遠隔教育の普及・推進 |
本県はICT基盤が発展途上であるため、遠隔授業の研究に段階的に取り組み、本県全体の高校教育の質の確保・向上につなげる。平成27年度は、授業、学校行事等、どのような場面においてICTを活用した遠隔授業が効果的か、また、どのような課題があるか検証した。平成28年度は、商業科目及び外国語を中心に遠隔教育システムによる授業実践を行い、有効な科目や単元、または不向きである科目等について検証を行うとともに、環境改善、教材や指導方法、評価方法等のノウハウの蓄積を図り、授業外での使用の検討や単位認定に関する課題の集約を行った。平成29年度は、1・2年目の取り組みを基に、遠隔授業及び講習の実施(指導方法の工夫改善)、授業外の活用(生徒会の交流、講演の配信等)、単位認定の実施検討(観点別評価の実施)をするとともに、2年間の課題を整理し、モデル校以外での活用につなげる。 |
2 |
山形県教育委員会 |
定時制・通信制課程における支援・相談体制の構築 |
山形県立霞城学園高等学校を本県の定時制・通信制課程の拠点校とし、県内5校の定時制・通信制を持つ県立高等学校を連携校とする。拠点校に進路アドバイザーを配置(週5日)し、生徒への相談活動など直接的な支援を行うとともに、外部機関との連携の推進やライフスキルアップセミナーの開催などを、教職員との協働のもと実施する。また、キャリアカウンセラーを配置(週1日)し、生徒の就職先の開拓や外部との連携による進路実現の拡大を図る。併せて、多様な学習歴を持つ生徒への対応を研究する。進路アドバイザー及びキャリアカウンセラーについては、連携校との連携を密にしながら、必要に応じて派遣するなど、成果の普及を図る。これらの取組の成果を検証、充実させるため、有識者や県教委、関係機関で構成される推進会議を開催(2回)し、併せて成果の普及を図る。平成29年度は研究の最終年度であることから、広く参加者を募り、研究発表の機会を設ける。 |
3 |
神奈川県 |
定時制・通信制課程における支援相談体制の構築~外部機関とのネットワークづくりや重層的支援の充実を通して~ |
横浜修悠館高等学校では、外部資源と連携し、専門相談員が常駐する「修悠館サテライト」の、校内外に対する相談センター化をめざしている。今年度は、生徒・保護者及び地域の不登校中学生やその保護者等が利用しやすいように、周知方法等の工夫改善を図る。支援連絡会議をコーディネート機関として、情報を共有し、重層的支援を通して得られる相談・支援のデータベースをさらに活用する。また、上級学校への進学を目ざす生徒への学習支援を外部機関との連携を通して展開することで、生徒一人ひとりの学習や生活にとってよりよい効果が得られるシステムを構築する。厚木清南高等学校では、発達障害等の生徒や外国につながりのある生徒など、きめ細かな支援を必要とする生徒に対して、必要な支援を提供する体制を構築し、その効果を検証する。校内においては、全定通すべての課程で協力し、学校全体で取り組んでいく。 |
4 |
福井県教育委員会 |
通信制高校生徒の不登校状態を防ぐ支援体制の構築をめざして |
本調査研究校は、様々な事情を抱え、不登校等を経験しながらも高校卒業を目指す生徒が多数在籍している。本研究はそのような複雑な背景を持つ生徒に、自己の希望を実現させ、社会で自立していく力を身に付けさせるための、通信制独自の支援体制構築をめざすものである。2年間の取組を踏まえ、より個に焦点を当てた支援を実践するため具体的に次の3点を充実させていく。
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5 |
長野県教育委員会 |
遠隔教育による多様な学習の支援とICTによる確かな学力の育成 |
少子化に伴う学校の規模の縮小に対応して、平成27年度に2キャンパスをもつ佐久平総合技術高等学校に遠隔教育システムを導入し、実習等を伴う専門学科における実用性の検証、思考力・判断力・表現力の育成に資するアクティブ・ラーニングの学習形態、学科の枠を越えた連携授業及び高度な高大連携等、高校教育の新たな可能性の研究を始めた。平成28年度からは、ともに総合学科を設置する塩尻志学館高等学校、蘇南高等学校を調査研究校に追加指定して、異なる学校間での遠隔教育を実施し、これらの取組を一層促進した。平成29年度は、遠隔教育による単位認定に係る課題を整理するため、授業内での学習評価に取り組む。また、対面授業と遠隔教育では同じ教育方法論が通用しないことを踏まえ、遠隔システムを効果的に実施するための新しい教授法、授業法の確立に向けて研究を行う。 |
6 |
静岡県教育委員会 (定通) |
単位制の定時制高等学校におけるソーシャルワーカーによる支援体制の構築~単位制・定時制高等学校における生徒の社会的包摂~ |
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7 |
徳島県教育委員会 (定通) |
「つなぐ」徳島プロジェクト~「支援・相談」でつなぐ生徒の未来~ |
徳島県内の定時制・通信制課程で学ぶ全ての高校生が自己有用感を持ち、社会における自己の役割を自覚し、職業人として活躍できる人材として成長するため、徳島中央高等学校を拠点校とし、他の5校を協力校とした支援・相談体制を確立する。前提として、平成26年3月に策定された「徳島県キャリア教育推進指針」に則り、社会的・職業的自立に向け必要な基盤としての基礎的・汎用的能力の育成を図るための、入学時から卒業までを見通したキャリア教育全体計画や、平成27年度の拠点校での支援実績や平成28年度の県内の定時制・通信制課程を有する全ての高校での実績を踏まえ、それぞれの高校の独自性を生かしつつ、支援の汎用化の可能性についても引き続き検証する。具体的には、支援におけるルーブリック等評価方法の改善、外部機関との連携事例の共有等を行う。 |
8 |
徳島県教育委員会 (遠隔) |
過疎地の高校における遠隔授業の導入に関する調査研究~総合教育センターを配信拠点とする体制の構築について~ |
過疎化・少子高齢化が進行する人口過少地域において、高校の小規模化、近隣高校との統廃合が進んでいる。しかし、統廃合により誕生した高校でも、今後、小規模化が確実視されている高校も現れている。このような過疎地の高校において、多様な教育活動、特に魅力的な授業の展開を維持し、生徒の学習ニーズに対応した授業を実施する方策として、平成27年度より、ICTを活用したTV会議システムによる遠隔授業の実施体制の構築に取り組んでいる。 |
9 |
高知県教育委員会 |
遠隔教育における学校体制の構築と生徒の能動的な学習を支援する汎用的な学習指導方法の研究 |
本校・分校での取組、小規模校間の取組に加えて、平成29年度は大規模校と小規模校の連携も対象として調査研究を行う。研究テーマは、1.本校からの授業配信による分校の振興と効果的な遠隔授業の実践についての研究開発、2.中山間地域小規模校の教育課程の充実に向けた遠隔授業の活用に関する研究、3.遠隔教育による多様な教育機会の提供に向けた教育課程の充実と授業改善に関する研究の3点である。具体的な取組として、遠隔教育に関する生徒、教員を対象とした事前・事後、取組時アンケートの分析により、遠隔教育の有効性を実証する。また、遠隔教育を通した授業改善に取り組み、アクティブ・ラーニング型の授業への転換を目指し研究する。特に、遠隔教育では、生徒の意欲や活動の状況などの観察方法が直接授業とは異なるので、より適切な評価の在り方等を研究する。さらに、合同授業による単位認定を目指し、そのための教授法や学習評価の方法、制度の整備等について調査研究を推進する。 |
10 |
長崎県教育委員会 |
高等学校における遠隔教育の普及促進に関する調査研究 |
離島部の同じ島内にある高等学校において、安価なWeb会議システムを用いて、実技を伴う教科「芸術(音楽)」と教科「家庭」の遠隔授業を実施し、効果的な指導及びその成果や課題等の検証を行う。昨年度は、調理実習を実施したが映像の不明瞭さや音声の途切れ、火気・刃物を扱う際の危機管理などの課題が多く、実施が難しいと判断した。しかし、実技を伴う科目においても、調べ学習やグループワークなどの教師の発問に対し、調べて、対話し、まとめ、発表する形式の授業では対面と変わらないと感じた。今年度も機器利用の改善を図り、対面授業との違いを検証し、ICT支援員とともに、本システムを活用するためのマニュアル作りを進めていく。 |
11 |
学校法人 科学技術学園 |
定時制・通信制高校が可能な学習支援の構築についての調査・研究 |
定時制課程において学習意欲の回復を目的に、生徒一人ひとりの学習到達度に応じて、出発点を決定し学習させる科目である学校設定科目「総合基礎」は1クラス2名のペアワークの指導体制である。この指導体制を中心として一斉指導、個別学習、小テストを学習計画に基づき本年度も継続する。また、「自分の居場所」「自分の存在を肯定的に捉える」手段として部活とは別に「習い事クラブ」、学校行事の運営への参画による「生徒リーダーの育成」は学校制度の中で可能な限り「個別」なものとし、今後は「個別」の指導をどうのように学校全体の中に取り入れることを調査・研究する。通信制課程おいては、不登校傾向の生徒に対して生徒の学力にあった教材、特にレポートのレベルの複層化に取り組む。特化した支援を要する生徒への学習教材の提供は、昨年実施した新国立バレエ研修所のカリキュラム「栄養学」と高校の「家庭科」の重なる部分を教材として冊子・製本化し生徒の目指す領域と高校での学習を有機的に結び付ける試みを更に展開する。全日制において学習が困難な生徒に対しては、通信制の自学自習教材の提供、特に学習書、問題集、課題集の充実が様々な生徒層に効果が検証できたことから、在籍高校での退学に至らない方策について調査・研究をすすめる。 |
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学校法人 国際学園 |
通信制高等学校における多様な生徒への個別支援システムの研究・開発 |
平成28年度にて構築したキャリアガイドシステムβ版をベースに、調査研究校が全国に展開する学習センターにおいて、在籍する生徒に対して入学から卒業まで継続的に実施される各種面談の質問・対応項目を、専門家を加えた事業推進会議において精査・統合し、まとめられたアンケート(A、B)を基に面談の標準化を推進する。同時にそのデータを活用した個々の状況に応じた面談を通して、情報の蓄積と成果の確認を行う。更に今後システムの微修正を施しながら、本システムを活用した面談から見えてくる改良点を集約し、第1次完成版を目指す。なお、平成29年度を完成年度としており、ここまでの取組について専門家推進会議のメンバーと調査研究校の職員による評価および成果、課題に関するシンポジウムと、それらを文字化した冊子を成果物として作成し、関係する教育機関各所へ広く配布し、各機関におけるより個に対応した指導の質の向上に寄与することを目指す。 |
13 |
学校法人 |
定時制・通信制課程における生徒の自立を促す支援・相談体制の構築~「自立支援プログラム」「地域連携プログラム」の作成と実践を通して~ |
平成27年度は、生徒や学校の課題を明らかにするために実態調査やアンケート調査を行った。その結果を踏まえて、平成28年度は「自立支援プログラム」の作成と実践を行い、その成果や課題を明らかにした。今年度は「地域連携プログラム」作成のために、さまざまな実践を行い、その成果や課題、改善点などを明らかにしていく。「地域連携プログラム」では、生徒のボランティア活動による地域貢献活動、大学と連携した学生による生徒支援活動、学校に常駐するスクールソーシャルワーカーを軸に教育や医療、福祉、NPOなどの関係機関との情報交換や支援会の開催などを通して生徒や保護者への支援活動を行う。さらに、就職支援コーディネーターとも協働し、職場体験学習や生徒の特性に応じた就労支援などを行うことにより、学校生活を継続するための支援だけでなく卒業後の自立につなげていく活動をめざす。また、3年間の調査研究の成果と課題をまとめる。 |
14 |
岩手県教育委員会 |
教育の質保障を目指し小規模校が連携する遠隔授業の実証的調査研究 |
本県は広大な県土を有し、少子化とも相俟って、多くの学校が小規模校化することが予想されている。小規模校では、生徒一人ひとりに対するきめ細かい指導が可能な一方、教員定数の関係で各教科・科目等の専門知識を有する教員を十分に確保できず、生徒の多様な進路志望に応じた教育課程の編成に制約が生じる。こうした制約を解消するため、ICTを活用した遠隔教育に関する調査・研究を行い、本県における教育の機会及び質の確保をめざす。具体的には、小規模校同士がICTを用い、双方向・同時性の遠隔授業を実施することで、双方で専門教員を補完し合い、生徒の多様な興味関心に応じた指導をめざす。総合教育センターと調査研究校とを結んだ模擬授業や授業研究及び調査研究校間を結んだ教科、科目の授業、課外授業、教員研修を実施し、時間的・経費的負担を軽減させながら質的及び量的な充実をめざす。更には、これらの取組によって得られた成果を県内の高校へ示す。 |
15 |
学校法人 |
外部機関と連携した通信制の支援体制の構築とアセスメント方法の開発 |
昨年度の本校の調査研究では、外部機関と連携し、運営組織や学習プログラムを設計してアセスメントを行ったが、その結果分かった事は、「体験活動」が生徒に与える影響の大きさである。体験活動を通して人や社会とつながることは、生徒の視野を広め社会への関心を高め、生徒の進路意識の向上に大きく寄与する結果となった。今年度の調査研究では、外部機関と連携し、より効果的な体験活動を設計して実践する。「通信制」は、全日制とは異なり、体験活動の時間を十分に生み出すことができる。この通信制の特性を活かして、通信制だからこそ可能な支援体制を構築したい。また、アセスメントも、昨年度のものをさらに改良し、より効果的な方法を開発したい。その過程を通して、生徒の成長に有効な「運営組織」や「学習プログラム」などの総体的支援体制を構築し、より教育効果を上げることができる通信制信制高校の在り方を探究していきたい。 |
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静岡県教育委員会 |
中山間地域の小規模校におけるICT活用推進事業 |
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17 |
京都市教育委員会 |
スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーと協働し、個々の生徒のニーズに応じた支援を可能にする校内体制作り~すべての生徒に確かな学力を保障するために~ |
スクールカウンセラー(SC)やスクールソーシャルワーカー(SSW)と協働して、様々な「困り」を抱えた生徒に対する支援方法の確立および校内体制の構築をすることにより、適切な時期の、適切な支援を実現することを目標とする。
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18 |
学校法人 日本放送協会学園高等学校 |
広域通信制高等学校における支援・相談体制の全国展開及び本校専攻科を活用した大学編入等を可能にする進路実現への取り組み |
今年度の事業では、生徒への多様な支援、地域・保護者の教育力向上のために、以下の取組を行う。
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19 |
学校法人 益田永島学園 明誠高等学校 |
益田ソーシャルポート(都市と地方の教育ニーズをつなぐバイターン)事業 |
家庭環境や心身の健康などの問題により、学校を含む社会生活において困難を抱えている生徒の自立や環境改善をめざすとともに、都市部と地方の問題を解決するために、生徒の居場所、相談所および寮(ソーシャルポート)を設置し、併せてファームステイ先を確保するなど、当法人並びに各種支援機関が困難を抱える生徒と社会をつなぐさまざまな支援手法・支援プログラムを実施する。当事業に参加する生徒には、事前にヒアリングと質問紙によ るアンケートを実施する。ヒアリング内容は「自身が困難と感じていること」「自身の夢と希望」「自身の将来のイメージについて」などとし、事業実施中及び事業終了後において、生徒の困難がどのように解消されていくか、その過程を確認していく。質問紙には「自尊感情」を測定する尺度を採用し、事業終了前と後においてどのような効果が表れているかを検証する。 |
20 |
学校法人 八洲学園 八洲学園高等学校 |
支援を要する子どもたちに対しての就労支援の取り組み研究 |
支援学校に入学を必要とする子どもたち以外に、手帳を有さないがコミュニケーション能力の遅れがある子どもや小・中学校、高等学校において不登校経験者など、様々な事象の子どもたちを「支援を要する子ども」と定義づけ、その子どもたちに対して、どのような内容の学びや活動を提供・実施することが自立へ繋がるのかを複数の視点(高校教員・就労支援従事者・キャリアカウンセラー・スクールカウンセラー・医療従事者など)から検討し、PDCAサイクルを繰り返しおこなう。また、この取組に関し、当校教員の知識やスキルの向上の為、各分野の有識者や現場担当者を招いて勉強会を行う。また、キャリアカウンセラーの配置も行い、生徒・保護者へのカウンセリングの機会を設けることはもちろんのこと、この研究実施への助言や教員からの相談などにも常に対応できる環境をつくる。これらの研究は、将来、八洲学園高校全体へ波及させ、「支援を要する子ども」の不安を取り除き、自己肯定感を持って、自立に繋がる教育活動としていく。 |
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室