東海

都道府県等名 具体的な内容
岐阜県  生徒一人ひとりが、将来に夢や希望を持って、意欲的に学び、個性を伸ばし、様々な方法により「生きる力」を育んでいくことができるように、総合学科や単位制高校等の多様な学習環境の整備する。県内全体の学校を適正規模とすることにより、生徒の学びの選択肢の拡大と一層の学校の活性化を図る、「生徒いきいきプラン」を策定し、その整備方針と実施計画を平成14年4月に教育委員会決定した。
 具体的には、県立高等学校74校を統合等により63校とし、新たに中等教育学校1校を設置して計64校とするものである。統合等により、学校規模の適正化を図るとともに、学びの選択肢の拡大をはかり、総合学科を4校から8校へ、全日制単位制高校を1校から5校へ、3部制単位制高校を1校から2校へ、連携型中高一貫教育校を新たに2校、中等教育学校を新たに1校、ぎふ総合型選択制高校を新たに3校、情報科を2校、福祉科を4校へと拡充する。
静岡県
  • 現行の再編計画:「静岡県立高等学校長期計画」の概要より(平成22年度を見通した計画)
    1. 高等学校の公私別生徒受入の在り方
      公私立高校間の生徒受入の比率は、基本的には、生徒等のニーズを踏まえるべきであると同時に、中学校卒業生の急激な減少の中で、本県の教育の安定を図ることも必要であるため、公立高等学校は、当面、目安として高等学校進学者の3分の2(公立対私立で2対1)の生徒を受け入れる。
    2. 公立高等学校の普通科・専門学科・総合学科の在り方
      本県における「普通科・その他の専門学科」、「職業に関する専門学科」、「総合学科」の生徒受入の割合は、現在は、おおむね68(普通科66、その他の専門学科2):31:1になっている。平成22年度には、できる限りおおむね65:25:10にする方向で検討する。
    3. 公立の単位制高等学校・中高一貫教育の在り方
      • 全日制の単位制高等学校については、生徒及び社会のニーズを踏まえ、総合学科の単位制高等学校のほかに、各学区1校程度を目途に改組・整備を進めることを検討する。
      • 定時制の単位制高等学校については、現在の中部地域のほか、東部地域及び西部地域においても改組・整備を検討する。
      • 中高一貫教育については、ゆとりある教育環境の中で生徒一人一人の個性をより重視した教育の実現を目指すという観点から、今後「静岡県中高一貫教育研究会議」の研究経過を踏まえながら、更に検討を進める。
         平成14年度実施 川根高等学校(連携型)、浜松西高等学校(併設型)
         平成15年度実施 清水南高等学校(併設型)、沼津市立沼津高等学校(併設型)
    4. 県立高等学校の全日制・定時制・通信制の各課程の配置等の在り方
      • (1)県立高等学校の全日制の課程の配置等の在り方
        • 全日制の県立高等学校の規模については、教師・生徒間及び生徒相互間の望ましい人間関係の形成、魅力的な教育課程の編成に必要な教職員の確保、学年行事・学校行事等が円滑かつ効果的に行える規模の確保等の観点から見ると、生活集団としては、おおむね1学年6~8学級 (全校生徒数720~960人)を目標とする。
        • 充実した教育には一定の学校規模が必要であること等にかんがみ、1学年4学級以下になるような学級数の少なくなる学校、当該学区又は地区の産業従事者数等に見合った規模になっていない学校等を対象に再編整備を検討する。
        • ただし、教育の機会を保障するため、過疎地域である等の地域の事情及び県内唯一の学科である等の設置学科の特質について配慮した弾力的な対応を行うことができるものとする。
        • 以上の基本的な考え方等を踏まえ、平成22年度を目途とした各学区ごとの全日制高等学校の再編整備等の主な基本方向を示すと、おおむね以下のとおりである(各学区とも、例示したもののほか、適切な学科改善等について検討する。)。
          (第1学区・賀茂)
          • 下田南高等学校(普通科・商業科・農業科(分校))及び下田北高等学校(普通科・理数科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、発展的に普通科(単位制)や総合学科(単位制)等を有する1つの新構想高等学校に再編整備する。
          (第2学区・田方)
          • 伊東城ケ崎高等学校(普通科)については、生徒数の減少に伴う余裕教室を活用するとともに、将来同校の学級数が更に減少することが見込まれることから、その場合においては、学校の在り方について検討する。
          • 大仁高等学校(普通科)及び修善寺工業高等学校(工業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、発展的に総合学科(単位制)等を有する1つの新構想高等学校に再編整備する。
          • 三島南高等学校(普通科・商業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、単位制高等学校に改組・整備する。
          (第3学区・沼駿)
          • 沼津西高等学校(普通科・女子校)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、普通科及び芸術科を有する男女共学の高等学校に改組・整備する。
          (第4学区・富士)
          • 富士宮農業高等学校(農業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、総合学科(単位制)を有する高等学校に改組・整備する。
          (第5学区・清庵)
          • 清水工業高等学校(工業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、静岡工業高等学校(工業科)とともに、発展的に1つの新構想高等学校(総合科学技術高等学校)に再編整備する。
          (第6学区・静岡)
          • 静岡工業高等学校(工業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、清水工業高等学校(工業科)とともに、発展的に1つの新構想高等学校(総合科学技術高等学校)に再編整備する。
          (第7学区・志榛)
          • 藤枝北高等学校(農業科・工業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、総合学科(単位制)等を有する高等学校に改組・整備する。
          (第8学区・小笠)
          • 掛川東高等学校(普通科・衛生看護科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、看護・福祉関連科目も開設する単位制を視野に入れた普通科高等学校に改組・整備する。
          (第9学区・磐周)
          • 森高等学校(普通科)及び周智高等学校(農業科・工業科・商業科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、発展的に総合学科(単位制)等を有する1つの新構想高等学校に再編整備する。
          (第10学区・西遠)
          • 農業経営高等学校(農業科)及び定時制の浜松城南高等学校(普通科)については、より良い教育条件の整備確立を図るため、発展的に全日制の総合学科(単位制)及び定時制の普通科(単位制)を有する1つの新構想高等学校に再編整備する。
      • (2)県立高等学校の定時制の課程の配置等の在り方
        • 県立高等学校の夜間の定時制の課程の生徒については、生徒及び社会のニーズを踏まえ、できる限り定時制の単位制高等学校または全日制の高等学校等において受け入れる方向で検討する。
        • 夜間の定時制の課程については、生徒数が減少していることにかんがみ、同一学区又は地区に3校以上の定時制高等学校がある場合等にあっては、定員の充足状況等の実状を踏まえながら、定時制の単位制高等学校の整備等と併せ、再編整備を検討する。
      • (3)県立高等学校の通信制の課程の配置等の在り方
        • 県立高等学校の通信制の課程については、生徒及び社会のニーズを踏まえ、現在の中部地域のほか、東部地域及び西部地域において整備することを検討する。
        • この場合、新しい情報システムを活用した授業の在り方、分校方式等も含めた設置形態等についても検討する。
  • 「静岡県立高等学校第長期計画」見直しの概要
     県立高等学校の適正配置や特色ある学校づくりを推進するため、「静岡県立高等学校長期計画」について、
     中間見直しを行うとともに、平成27年度を見通した「静岡県立高等学校第二次長期計画」を策定する。
    • (検討項目)
      • 特色ある学校づくりについて
      • 中高一貫教育の在り方について
      • 公私別生徒受入について
      • 学区の在り方について
      • 全日制・定時制・通信制の在り方について
愛知県 「県立高等学校再編整備基本計画」 平成13年11月策定
  1. 計画の策定・実施期間
    計画は、平成13年度から平成22年度までの10年間とする。
    平成18年度までを第1期、平成19年度以降を第2期とし、順次「実施計画」を策定する。
    構想策定委員会を設置し、統合の時期や統合後の学校の設置場所、設置課程・教育内容などについて協議する。
  2. 魅力ある学校づくり
    • (1)総合学科の設置促進
      岩倉総合高等学校、蒲郡高等学校に続く、3校目を平成16年度に鶴城丘高等学校に設置する。その後、順次、県立高等学校の再編にも併せて県内各地域に配置して、平成22年度までに10校程度を整備する。
    • (2)普通科の特色化
       普通科高等学校の特色づくりの一つとして、従前の普通科の教育課程のほかに、専門科目を取り入れた教育課程を設け、体験的・実践的な学習や得意な分野を伸長する学習を重点的に行い、生徒の興味・関心や学習意欲を喚起するコースを設置する。
    • (3)専門学科の充実
       専門学科においては、将来のスペシャリストに必要とされる基礎・基本を重視した教育を推進するとともに進学にも対応できる教科・科目を設けて、生徒の多様な進路希望に対応できる魅力ある学校づくりを図る。
       地場産業と関連の深い農業・工業・商業等の専門学科では、異なる学校・学科相互の単位の交換等を実施するとともに、各学校や地域の実情を考慮しながら、学科改編や教育課程の弾力化を図る。
    • (4)定時制課程の活性化
       生徒の興味・関心や進路などに応じて科目を選択し自分のペースにあわせて学習を進めることができる単位制の特徴を生かし、きめ細やかな指導を行うために、単位制による複数部制の定時制高等学校の新設を検討するなどして定時制高等学校の活性化を図る。 その際、社会人も学べる生涯学習講座の実施や通信制課程の併置などについても検討する。
    • (5)養護学校の併設
       障害のある者も障害のない者も同じように社会の一員として社会活動に参加し自立して生活できる社会を目指すというノーマライゼーションの理念の実現に向けた学校づくりを進めるため、桃陵高等学校に知的障害養護学校の高等部を併設する。
    • (6)中高一貫教育の検討
       中高一貫教育については、平成16年度から田口高等学校、設楽中学校、豊根中学校、津具中学校の4校において開始される。そのほかの学校については、本県の実情等を考慮し、連携型を中心にその設置の可能性について引き続き検討する。
    • (7)開かれた学校づくり
       高等学校のもつ人的・物的な教育機能を一層開放するとともに、学校の様子を地域に発信し、これまで以上に学校・家庭及び地域社会との連携を深め、地域の学習センターとしての機能を拡充する。
       「学校評議員制度」の導入、社会人講師の活用、インターンシップの導入について積極的に推進する。
  3. 活力ある学校づくり
    • (1)標準規模及び配置
       「県立高等学校適正規模等検討会議」の提言を踏まえ、本県の県立高等学校の標準規模を1学年6~8学級とし、平成22年度までに、原則としてすべての学校が標準規模を確保できるように学校を再編する。
       分校(校舎)については、1学年1学級といった現状では学校の活力を確保することが困難なため募集停止する。
    • (2)再編整備による配置目標
       平成13年度の153校を平成22年度までに146校にする。
  4. 教育環境の整備
    • (1)教職員配置の改善
       国の第6次教職員定数改善計画に沿った教職員定数の改善を進める。
    • (2)教職員の資質向上
       採用において優秀な人材を確保することや、日常の指導における自己研鑽はもとより、様々な研修によって人材を育成する。
    • (3)施設・設備の整備
       校舎等の老朽化に対応するための大規模改造や耐震補強工事などにより、安全で快適な学校の整備を進め、併せて総合学科など新しいタイプの学校の設置、学習指導要領の改訂、高度情報化など、学校を取り巻く環境の変化へも対応できるように整備する。
三重県
  1. 経緯
     三重県立高等学校の適正規模、適正配置を計画的に推進し、子どもたちに魅力ある教育環境を提供するため、平成11年3月に策定した三重県教育振興ビジョンを踏まえて平成11年度に三重県高等学校再編活性化推進調査研究委員会を設置して検討を始め、その報告(「県立高等学校再編活性化の推進について-調査 研究報告書-」平成12年3月)を基に平成12年度に県高等学校教育改革推進協議会で協議を重ね、平成13年2月に「県立高等学校の適正規模、適正配置の推進について(審議のまとめ)」の報告を得た。
     県教育委員会では、これらを踏まえて、平成13年5月に県立高等学校再編活性化基本計画を策定した。その後、基本計画を踏まえて、地域関係者や学校関係者等と協議を重ね、平成14年1月、県立高等学校再編活性化第一次実施計画(案)を公表し、パブリックコメントの手続きを経て同年3月22日の教育委員会で県立高等学校再編活性化第一次実施計画を議決した。
  2. 基本計画及び第一次実施計画について
     基本計画では、「学習者起点」の観点に立って三重県教育振興ビジョンの実現を図ることを目指し、1.県立高校の適正規模を1学年3から8学級とし、2.県立高校1校当たりの1学年学級数の平均を6学級程度になるように努め、3.県立高校全体の活性化を図る等の内容とした。
     第一次実施計画は、基本計画を踏まえて、1.10年先を見据え、2.平成14年度から16年度までの3年間で、3.高校教育改革、学校施設の更新計画も見据えた総合的な視点で推進していくものとして、地域社会とともに教育の在り方を考えていくとした。
【第一次実施計画の概要】
  1. はじめに
    • (1)第一次実施計画の趣旨
       三重県教育振興ビジョンに基づき策定した県立高等学校再編活性化基本計画(平成13年5月)を推進するため、地域社会とともに特色ある県立高等学校づくりを全ての学校で進めることを目指して策定。
    • (2)第一次実施計画の基本方針
       基本計画を踏まえて、1.およそ10年先を見据え、2.平成14年度から16年度までの3年間の3.高等学校教育改革や学校施設の更新計画等も見据えた総合的な視点で、柔軟性を持ちつつ積極的に再編活性化を推進。
  2. 県立高等学校の適正規模・適正配置推進の全体像
    • (1)全日制高等学校における適正規模に向けた取組
      • ア.大規模校
         全体として1学年10学級以上の大規模校を概ねなくすように努めるとともに、可能なところから8学級以下とするように取り組む。
      • イ.小規模校
         平成14年度以降、関係地域ごとに「協議会」を設置し、地元関係者とも連携をとりつつ具体的に検討する。
    • (2)学校配置の適正化に向けた取組
      • ア.普通科
        • 科学、国際、芸術、スポーツ、情報、地域文化などの教育内容等で特色化。
        • 単位制を全ての普通科に導入することを視野に入れて推進。
      • イ.専門学科
        • 拠点化を図りながら学科を整理・統合。
        • 「くくり募集」、インターンシップ、単位制などを推進。
          1. 農業に関する学科:専門性を深く追求する学校と農業を通した人づくりを進める学校に整理。
          2. 工業に関する学科:小学科の拠点化を目指して、学科の整理・統合。
          3. 商業に関する学科:拠点化。
          4. 家庭に関する学科:拠点化。
          5. 水産に関する学科:水産高校は、他県とも連携を図りつつ、県民のニーズに応じた学科整理を検討。
          6. 衛生看護科:桑名高校衛生看護分校は、5年間一貫教育。
          7. 情報に関する学科及び福祉に関する学科:新学習指導要領を踏まえ、これまでの専門教育の成果を検証しつつ検討。
          8. 芸術関連学科:ニーズに応じた芸術関連学科等の設置を図る。
      • エ.総合学科
        • 基本計画の方針に沿って、成果を検証しつつ既存資産の有効活用を念頭に設置。
      • オ.中高一貫教育
        • 併設型又は中等教育学校の設置に向けて研究。
      • カ.定時制課程・通信制課程
        • 四日市北高校、伊勢実業高校に昼間部を設置することとし、四日市北高校は平成14年度に設置。
           また、平成14年度に検討のうえ、定時制課程の統廃合と並行して「定通ネットワーク拠点」を整備。
  3. 高等学校活性化に向けた取組
    • (1)生徒の選択幅の拡大
      • 県立高校の通学区域に関する規則は廃止とし、原則として平成16年度から実施。
      • 15年度に「弾力的運用」をして、ニーズや影響を把握しつつ進める。
    • (2)生徒の学習環境
  4. 課題及び今後の処理方針
    • (1)特色ある学校づくりを重要な視点として高校改革を推進し、活性化に努めている学校に対する支援を積極的に行う必要がある。
    • (2)小規模校の活性化のため、県内4地域で協議会を設置する。
    • (3)平成16年度には第二次実施計画を策定する必要がある。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成21年以前 --