平成15年8月
高等学校においては、生徒の多様な能力・適性、興味・関心、進路希望等に対応し、その個性の伸長を最大限に図るため、特色ある学校・学科づくりや、選択中心のカリキュラム編成の推進など、高等学校教育の個性化・多様化が進められている。
本調査は、高等学校教育改革の推進状況について、各都道府県・指定都市の教育委員会、各都道府県私立学校主管課及び各国立大学附属高等学校に対して調査を行い、取りまとめたものである。
高等学校教育の改革に関する推進状況の概要は以下のとおりである。
都道府県が策定した再編計画等に基づき、総合学科の設置が全国的に着実に進んでおり、平成15年度には200校を超えた。また、16年度以降はさらに59校の設置が予定されている。
平成15年度は、広島県において定時制課程普通科の公立高等学校18校に単位制が導入されるなど、総合学科以外の普通科や専門学科における単位制の導入が進んでおり、15年度には500校を超えた。また、16年度以降はさらに129校の設置が予定されている。
(平成15年度は、新たに226校(31都道府県2市)において実施予定)
公立高校(全日制)においてインターンシップを実施している学科数及びその実施率が年々増加し、平成14年度には全体の約半数の学科で実施されている。特に、職業に関する学科や総合学科においては、約75%の学科で実施されているほか、普通科における実施が30%を超える状況になっている。
佐賀県では「セルフプロデュース方式」(生徒自身で受入れ先の検討、受入れ依頼、交渉、事前打合せ、礼状の持参等すべての活動を実施)によりインターンシップを行っている。
(平成15年度は、新たに73校(24都道府県)において実施予定)
大学、専修学校等における学修を単位認定をしている学校数が大幅に増加(対前年度比1.6倍)している。
茨城県においては、平成15年度から県教育委員会と7大学とが協定書を締結し、公立高等学校の生徒を対象として「高校生公開授業」(大学の正規授業科目を高校生に公開)及び「高校生公開講座」(高校生を対象に講座を開設)を実施している。
(平成15年度は、新たに61校(19都道県)において実施予定)
ボランティア活動等に係る学修の単位認定については、平成10年度から制度化されており、単位認定を行う学校数も年々増加している傾向にある。
京都府においては、町教育委員会社会教育課と連携し、府立高校の生徒がパソコン教室の講師として補助的な活動を行い、その活動に対して単位認定を行っている。
大学の科目等履修生、聴講生又は公開講座などの制度の活用状況(高等学校で単位認定しているものを除く)
(平成15年度は、新たに73校(20都道県1市)において実施予定)
平成14年度は科目等履修生等の制度を活用する学校が急増(対前年度比約4倍)している。また、全実施校数455校のうち公立が393校を占めており、公立における活用が増えてきている。
横浜市においては、横浜市立大学と連携し、市立高校(1校)の生徒に対し科目等履修生として通年又は半年間にわたり18講座を公開している。(平成15年度からは全市立高校が連携予定。)
平成14年度までに全都道府県(政令指定都市を除く)において、将来の高等学校の再編整備計画を作成又は検討しており、計画により整備を進めている都道府県においては、新たな計画又は第2期となる計画についても検討を始めた都道府県もみられる。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成21年以前 --