高等学校においては、生徒の多様な能力・適性、興味・関心、進路希望等に対応し、その個性の伸長を最大限に図るため、特色ある学校・学科づくりや、選択中心のカリキュラム編成の推進など、高等学校教育の個性化・多様化が進められている。
本調査は、高等学校教育改革の推進状況について、各都道府県・指定都市の教育委員会、各都道府県私立学校主管課及び各国立大学附属高等学校に対して調査を行い、取りまとめたものである。
高等学校教育の改革に関する推進状況の概要は以下のとおりである。
全国的に都道府県が策定した再編計画等に基づき、総合学科の設置が着実に進んでいる。また、
岩手県、東京都、神奈川県及び福岡県においては、15年度以降、多くの総合学科の設置が予定されている。
平成14年度については、山口県において全日制課程普通科の公立高校5校に単位制が導入されるなど、総合学科以外の普通科や専門学科における単位制の導入が進んでいる。
公立高校(全日制)においてインターンシップを実施している学科数及びその実施率は年々増加している。特に、職業に関する学科や総合学科においては、約70%の学科で実施されているほか、普通科における実施も20%を超えている。
三重県では、4校(農業高校、工業高校、商業高校、総合学科設置校)と地元の商工会議所が連携して、それぞれの学校の生徒が他校の生徒と一緒にインターンシップを行っている。
(平成14年度は、新たに66校(17都道府県1市)において実施予定)
大学、専修学校等における学修を単位認定をしている学校数は急増(対前年度比2.4倍増)している。また、社会教育施設等における学修の単位認定を行う学校(北海道、埼玉県、千葉県、富山県(2)、岡山県の公立6校)も増えてきている。
(平成14年度は、新たに37校(18道府県)において実施予定)
ボランティア活動等に係る学修の単位認定については、平成10年度から制度化されており、単位認定を行う学校数も年々増加している傾向にある。
(平成14年度は、新たに64校(16都道府県1市)において実施予定)
平成13年度は科目等履修生等の制度を活用する学校が急増している。また、全実施校数113校のうち公立が83校を占めており、公立における活用が増えてきている。
群馬県では、平成14年度に県教育委員会と群馬大学が協定を締結し、県立高校7校の生徒を対象とした公開講座を開設する予定となっている。
(平成14年度は、新たに61校(26都道府県1市)において実施予定)
平成13年度は、高校において大学教員を招いて講演等が行う学校は、全高校の約22%に上っている。特に、茨城県、千葉県、静岡県、山口県、大分県では、公立での実施数が20校以上増加している。
新潟県や高知県(ブルーバード事業)をはじめ、大阪府、広島市など県市レベルの事業として実施しているところが増えてきている。
平成14年度までに全都道府県(政令指定都市を除く)において、将来の高等学校の再編整備を策定又は検討しており、生徒数の減少に対応して、学級減や統合方策、高等学校の適正規模・適正配置の在り方についての検討が進められている。
また、生徒の興味・関心、進路志望等の多様化等に対応して、普通科・専門学科等の学科構成や特色ある学科、単位制高校の設置、総合学科の設置など特色ある学校づくり、中高一貫教育の導入などについて検討が進められ、基本的方向性や具体的な整備計画に沿って、高等学校の再編整備が進められている。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成21年以前 --