平成13年8月
高等学校においては、生徒の多様な能力・適性、興味・関心、進路希望等に対応し、その個性の伸長を最大限に図るため、特色ある学校・学科づくりや、選択中心のカリキュラム編成の推進など、高等学校教育の個性化・多様化が進められている。
本調査は、高等学校教育改革の推進状況について、各都道府県・指定都市の教育委員会、各都道府県私立学校主管課及び各国立大学附属高等学校に対して調査を行い、取りまとめたものである。
高等学校教育の改革に関する推進状況の概要は以下のとおりである。
全国的に都道府県が策定した再編計画等に基づき、総合学科の設置が進んでいる。特に岩手県、東京都、神奈川県及び福岡県においては、14年度以降、数多くの総合学科の設置が打ち出されている。
平成13年度については、山形県が公立定時制高等学校3校に単位制を導入したことをはじめとし、多くの定時制高校が単位制に移行したことや総合学科の設置(原則として単位制)が増えたことなどから、その数が着実に増えている。
公立高校において、インターンシップに取り組む学校は年々増加している。特に職業に関する学科、総合学科での実施率は、いずれも60%を超えている。また、インターンシップを実施する学校数及び単位認定を行う学科数も、前年度に比べ増加している。
(平成13年度は、新たに22校(11都道府県)が実施予定)
平成12年度は単位認定している学校数が倍増した。認定を行っているのは、大学、専修学校がほとんどであるが、岡山県においては社会教育施設における学修を単位認定している。また、平成12年度は、初めて国立大学(埼玉大学、静岡大学、三重大学、大阪大学)における学修の単位認定が行われた。
(平成13年度は、新たに12道県19校が実施予定)
ボランティア活動等に係る学修の単位認定については、平成10年度から制度化されたが、単位認定を行っている学校の数は年々増加している。活動の内容は、ボランティア活動又はインターンシップとなっている。特に兵庫県は、全県的に「体験活動」を教育課程に位置付け、幅広く体験活動を実施し、それらの活動を本制度を活用して単位認定しており、全国で実施している公立校の多く(71校中23校)を占めている。
(平成13年度は、新たに8都府県13校において実施予定)
平成12年度は、公立においては68校中43校で実施されており、前年度の15校中3校に比べ著しく増加している。受け入れ先の大学は、私立大学のほか、国立大学や公立大学も増加している。
(平成13年度は、新たに11道府県17校において実施予定)
平成12年度は、大学教員を招いて講演等を行った高校が急増し、石川県や三重県では、通年で授業を実施している例なども見られる。また、新潟県や高知県では、県の事業として実施している。
ほとんどの都道府県において、将来の高等学校の再編計画を策定又は検討しており、その内容は、生徒減少に対応した学級減や統廃合の方策、将来的な学科構成、普通科・専門学科・総合学科の在り方、単位制高校、定時制・通信制教育、中高一貫教育などとなっている。また、現在、検討していない1県2市においても、今後検討を行うこととしている。
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成21年以前 --