兵庫県教育委員会 インタビュー概要

1.実施日

平成23年7月27日(水曜日)

2.インタビュー対象者

兵庫県教育委員会 主任指導主事 稲次一彦 氏
兵庫県教育委員会 主任指導主事 西田利也 氏

3.概要(課題と取組について)

(特色ある学校づくりの支援と発信)

 兵庫県では、「学びたいことが学べる魅力ある学校づくりの推進」をテーマに、ひとりひとりの個性や能力を伸ばす学校教育の充実のため、魅力ある学校づくりを積極的に推進している。具体的には、例えば「魅力あるひょうごの高校づくり推進事業-インスパイア・ハイスクール-」において、「中高連携・地域連携」「学力向上」「スペシャリストの育成」等を重点テーマとして、県立高等学校のべ115校を魅力づくり実践校として指定し、各校の特色づくりを支援している。
 全日制普通科は、現在、16の学区が定められているが、単位制高校や総合学科では定員の半数、専門学科、定時制・通信制は、学区に関係無く受検することができるため、県としても、積極的に高等学校の魅力を発信していく必要がある。

(入学者選抜制度の見直し)

 本県における全日制普通科の入学者選抜制度は、総合選抜、単独選抜等、学区毎に異なっており、それぞれの制度に課題が生じていた。その課題を解決するために単独選抜と総合選抜の長所を取り入れた「複数志願選抜」と高等学校がその特色に応じて受検生の個性や能力を多面的に評価する「特色選抜」を平成15年度から順次導入している。「複数志願選抜」の特徴は、「1校または2校を志願できること」「第1,第2志望校以外への入学を希望できること」「第1志望校には一定の加算点を加えて合否判定すること」等であり、学びたいことが学べる学校への志願が進むとともに、総合得点によってはいずれかの公立高校に合格できるという安心感を持てる制度となっている。現在、県内16学区のうち、12学区がこの制度を導入しており、全県にこの制度を導入したいと考えている。

(通学区域の見直し)

 生徒が学びたいことを学べる学校を選択できるようにするためには、入学者選抜制度の見直しにあわせて、通学区域も見直す必要があると考えている。現在、学区内に普通科高等学校が3校しかないところもあれば、10校以ある学区もあり、選択幅に差がある。このような中で「複数志願選抜」を導入しても、選択肢が少なければ、この制度の趣旨も生かされない。
 また、本県では自身の通学区域以外の高等学校にも志願を認める「自由学区」を一部地域に設けており、自由学区を設けている周辺地域から「不公平である」といった意見が寄せられており、現行の通学区域の課題と考えている。
 これらの課題を解決するため「兵庫県高等学校通学区域検討委員会」を平成21年に設置し、今後の通学区域の望ましい在り方について検討を進めているところである。

(小規模校の在り方)

 本県は、今後生徒数の減少が見込まれる地域に小規模校が存在する。本県では1学年2学級以下の学校も必要があれば存続することとしており、すべての学年が1学級の学校が4校独立校として存続している。少子化が進む中で今後の小規模校の在り方が課題となっており、単に学級数が少なくなったということのみで判断するのではなく、存続の必要性をきちんと見極めた上で、どうするのかを考えていきたい。

(職業教育を主とする学科の在り方)

 本県では、職業教育を主とする学科の望ましい在り方について検討することも課題の一つと考えている。就職雇用状況が厳しいこともあり、学科によっては教育内容と職業の関連性が弱まっていることや、少子化による生徒数の減少により、学科の配置の適正化を検討する必要があると考えている。適正化に当たっては、ニーズに応じて、活性化させる部分とニーズにあった形に変えていく部分が必要であると考えている。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年10月 --