平成23年7月27日(水曜日)
兵庫県立舞子高等学校 校長 浅井 伸行 氏
兵庫県立舞子高等学校 教頭 谷川 彰一 氏
兵庫県立舞子高等学校 事務長 酒井 圭三 氏
教材や指導方法に関して言えば、環境防災科設置以来、約10年が経過し、これまで実施してきた行事や活動の成果物等により、かなり蓄積されてきたものがある。
また、生徒がボランティア活動に行く際に、卒業生に連絡し、同行してもらうなど、学校外でのバックアップ体制も整ってきている。
将来的には、環境防災科が取り組んできた防災教育の情報発信を強化し、全国に広めていきたいと考えている。
本校の環境防災科は全国唯一の専門学科であるため、設置当初は、環境防災に関する専門的な知見を有した教員が少なかったが、10年間の蓄積が教員の資質や能力を確実に向上させた。しかし、人数においては絶対的に足りていないのが現状である。
したがって、環境防災担当の教員が、長期間のボランティア活動に行ってしまうと、その間、他の教員が学校の授業をカバーしなければならないなど、教員の人数からみると手薄になる部分も生じることがある。
また、学校設定科目として27単位の専門科目を設置しているが、防災教育という特色ある教育課程を生かすため、外部講師を招いて授業を実施することも多い。外部講師への依頼や日程調整等、事務的な負担もあるが、将来的にもこの取組を継続していきたい。一方、本校の教員においても外部講師に代わるだけの能力を教員自身が身に付けていくことが望まれる。そして、ベテランの教員が異動しても教育の質を保てる体制整備をしていく必要がある。
国内外でのボランティア活動を行う際、希望する生徒全てを参加させるためには、多大な費用がかかる。先般の東日本大震災のような突発的な事象への対応も必要となるため、常に県と相談しながら対応している。
本校環境防災科の卒業生は、大学・短大・専門学校への進学や就職等様々である。進学は、多くの生徒が推薦入試であり、就職に関して言えば、それぞれの分野で防災の専門性を生かせることができるように環境防災科を卒業した後の環境整備をする必要があると感じている。福祉系の大学や環境防災学部を設置している大学への進学、警察官や消防士等への就職をする生徒も多いが、学校として、もっと大学や企業等に対して、環境防災科の取組についてアピールしていく必要があると感じている。
(以上)
初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室
-- 登録:平成23年10月 --