滋賀県立甲南高等学校 滋賀県立甲南高等養護学校 校長 雲義明氏 インタビュー概要

1.実施日

平成23年7月21日(木曜日)

2.インタビュー対象者

滋賀県立甲南高等学校 滋賀県立甲南高等養護学校 校長 雲義明 氏

3.概要(学校の概要と両校の取組について)

(滋賀県立甲南高等学校、甲南高等養護学校の概要)

 滋賀県立甲南高等学校は昭和27年、現在の甲南高等学校(以下、甲南校と言う。)となり、農業・家庭の専門高校としてスタートした。その後、林業科、また全国でもほとんど例がない薬業科を設置、平成2年には普通科を、平成19年に「生物と環境」、「バイオとかがく」、「福祉と保育」、「食と健康」の4つの系列を設置する総合学科に改編された。
 またその際、甲南高等養護学校(以下、養護校と言う。)を甲南校内に開設し、障がいのある生徒とない生徒が共に学び、共に励み、共に生きるノーマライゼーションの理念を実践している。

(教職員の取組)

 教職員は、副校長、教頭を除き全て両校を兼務しており、教職員の相互乗り入れが可能であるため、授業や生徒指導については両校が一体となって取り組んでいる。さらには、ノーマライゼーションの理念のもと、入学式、卒業式、文化祭等の学校行事や部活動等については両校共同で行っている。

(共通の目的)

 甲南校は、地元産業に密着した学科を有し、これまで多くの技術者を輩出してきた。そのため、地元の企業とのつながりが強く、また甲南校の卒業生である保護者が多いことや、広報活動を主に旧甲賀郡内で行っているため、地元からの入学希望者が多い。
 一方養護校は、軽度の知的障がいのある生徒を県内全域から募集し、遠くから通学しているケースも多いが、甲南校内にあることで、地元と密着した活動を行っている。 
 この両校共通の目的としては「職業人の育成」であり、インターンシップや作業実習等を充実させており、生徒の就労に向けての意欲、関心を高めるよう努めている。

(両校が相互に与える影響)

 甲南校においては、総合学科に変わったこと、また養護校が併設されたことで、生徒や教員の意欲が高まった。また、養護校においては、平成23年度より生徒の定員を8名増加し24名と、1クラス増となったにもかかわらず、入学選考において倍率は1.5を越えている。このことは両校の取組が広く理解し、認識された結果であると考える。
 当初は、養護校との併設について、甲南校に負担が増えるだけではないかという心配や反発等もあったが、教員、生徒ともお互いを尊重し合い、相互に良い影響を与え合っている状況であり、今後も両校の連携を深め、より良い教育環境の構築に努めていきたい。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年10月 --