三重県立高等学校教諭 インタビュー概要

1.実施日

平成22年11月26日(金曜日)

2.インタビュー対象者

三重県立高等学校教諭

3.概要

(発達障害について)

  • 進路指導部で就職支援を担当しているが、十分にコミュニケーションが取れない生徒の就職支援を行う体制が現行の教職員スタッフだけでは困難である。必ずしも教員である必要はないが、特定の専門スタッフを配置することが必要である。
  • 生徒の発達障害の状況を中学校段階で的確に把握し、高校と連携を取る必要がある。そして、発達障害のある生徒を高等学校で支援出来る体制作りが必要である。生徒一人一人に応じた体制をとるようにしないと、高校でも特別な支援を行えないまま高校生活を過ごすことになり、就職の段階でどこからも内定がもらえず困るということになってしまう恐れがある。

(学級編制・教職員定数の在り方について)

  • 生徒に対してきめ細かい指導を行うために、30~35人学級を高等学校でもぜひ実現してほしい。また、国は教員の超過勤務の状況を調査し、正確に把握した上で、必要な対策を講じるべきである。心身共に疲れている教員が増えている。

(総合学科について)

  • 総合学科は、東京大学の佐藤学教授が以前のアメリカの高校教育を批判的に捉えて「ショッピングモール・ハイスクール」と指摘しているが、現在の日本の総合学科もそうならないよう注意すべきである。入学の時点で目的意識が明確でない生徒が安易な履修科目選択に陥ったり、系統的な学びが出来なかったりする。ある程度目標を見定めて進学してこないと、最初の1年間で進路を見定めるといっても、難しいケースがある。
     その課題に対して、本校では、連携をしている中学校における3年間の総合的な学習や学校設定科目「人間と社会」でのキャリア教育や系列学習で本校系列への接続をはかっている。また、高校入学後も1年次での「産業社会と人間」で丁寧な進路学習と系列選択学習を心がけている。また、2年時からのカリキュラムは系統的な学びを重視した選択になっている。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --