県立高等学校校長(関東地区) インタビュー概要

1.実施日

平成23年1月11日(火曜日)

2.インタビュー対象者

県立高等学校校長(関東地区)

3.概要

(通信制高校の在り方について)

  • 通信制高校に通う生徒は、不登校経験者も多く、全日制や定時制のように登校をベースにした学びよりも、自らの生活スタイルに合わせて自学自習のできる通信制の方が自分にあっているとして進学してきている者が多い。こうした多様な学びを保証することは必要。
  • さらに、近年は入学してくる生徒の若年化が進み、通信制高校が抱える課題も基礎学力、生活指導、進路指導といった問題への取り組みに係るものであり、全日制や定時制と変わらないようになってきている。そうした変化を受けて、通信制高校としては多様な対応が求められている。

(履修と修得について)

  • 例えば、現在の必履修科目を必修得にすると、これまで卒業できていた生徒のなかにも卒業できなくなる生徒がでてくることが予想される。高校で最低限修得すべき内容に一定の基準を設ける場合であっても、生徒の多様な学びについては保障していく必要がある。

(基礎学力の定着について)

  • 通信制の生徒においては、基礎学力の不足が大きな課題である。中学校段階の内容を振り返り学習するための材料として、NHKの教材を利用したり、職員間での連携・協力により、組織的に個別指導に取り組むことで課題解決を図ろうとしている。

(通信制におけるキャリア教育)

  • 職に対する意識啓発を含め、学校設定科目のなかで取り組んでいく予定。
  • 就職にあたって、通信制高校の生徒に対しては偏見があるとの話も聞く。通信制で熱心に学んでいる生徒の実態を把握して、その是正に向けて各関係機関に働きかけてほしい。

(人的配置面、科目配置面での課題について)

  • 通信制の生徒は不登校経験者も多く、生徒たちのメンタルを支えるために、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの拡充が必要。
  • 多様な生徒を受け入れ、多様な取組をしていることからすれば、科目の配置について柔軟な対応ができた方がよい。また、通信制は生徒の実活動率が上昇し、入学者も増加していることから学校の負担も増えている。通信制の職員定数の増員もお願いしたい。増員は、教職経験のある者でないと、多様な背景を持つ生徒に適切に指導していくのは難しいと考える。

(e-learning、面接指導時間数の減免について)

  • e-learningを国としてどう判断するのか検討してほしい。画面を通して双方向のやりとりができるようになれば通信制教育の中での活用も考えられる。全国の取り組みに注目したい。
  • 学習指導要領上認められているメディアを活用した面接指導時間数の減免措置については、今後の取り組み状況を見て国へ要望したい。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --