福井県教育委員会からの御意見

所属・現職等

福井県教育委員会 教育委員長(会社役員) 稲山 幹夫 氏

御意見

(1)今日の高校教育が抱える問題点

 ・高校生の学力向上の推進
 知識基盤社会の到来と国際化の進展、地球環境問題が深刻化する中で、子どもたちに基礎・基本となる知識・技能の習得の徹底を図り、生きる力につながる確かな学力を身に付けさせる教育が、今求められている。

 ・キャリア教育について
 近年、目的意識が希薄なまま進路を決定し、進学・就職していく若者の増加が見られ、高校卒業後3年以内の早期離職率が高いことや、社会の一員としての基本的な資質が十分に育っていないことが指摘されている。高校教育を通して働くことの意義を理解し、主体的に自己の進路を決定できる能力を身に付け、社会人として自立していくことができるキャリア教育の推進が強く求められている。

 ・県立学校の再編整備について
 少子化により、県内中学卒業生がピーク時(平成元年3月)の6割程度まで減少し、県立高校の小規模化が進んでいる。生徒の多様なニーズに対応した科目、部活動、多様な教師、友達との出会い等が可能な、魅力ある県立学校づくりについて検討が必要となっている。

(2)その解決策

 ・高校生の学力向上の推進
 高校生学力向上推進委員会等で、学力・学習状況等の分析や指導方法の改善を進めるほか、各高校独自の学力向上事業を行い、高校生の総合的な学力向上策を進めていく。また、英語コミュニケーション能力向上のため、「高校生英語キャンプ」を開催し、授業改善に資する「英語科教員集中セミナー」を実施し、国際人を育成する英語教育の充実を図る。理数教育においても、「理数グランプリ」や「国際科学コンテスト」等への参加を通して、科学への興味を深め論理的思考力を高める環境をつくる。

 ・キャリア教育について
 キャリア教育を充実するために、企業と連携して現場で実践的な就業体験実習を行い、専門分野の技能の習得を目指す他、計画的なキャリアカウンセリングを進めて、就職後の早期離職防止を図る。また、地元の技術者を招いて授業、講習会を行いながら、職業人としてのモラル、コミュニケーション能力などの育成を図る。

 ・県立学校の再編整備について
 平成21年3月に策定した県立高等学校再編整備計画に基づき、県立学校の再編整備に着手している。適正な学校規模と進学指導の向上、魅力ある職業教育の推進を方針に、地域住民と意見交換を行いながら、生徒一人ひとりにとって最良の教育環境を整備していく。 

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --