横浜市立みなと総合高等学校長 浅見敏雄氏 インタビュー概要

1.実施日

平成23年2月10日(木曜日)

2.インタビュー対象者

横浜市立みなと総合高等学校長 浅見敏雄 氏

3.概要

(本校の概要について)

  本校は横浜市立高校では唯一の全日制総合学科。全日制商業高校を母体として創立し、もうすぐ10年を迎える。教育活動の特色としては、キャリア教育と国際理解教育に力を入れている。進路としては、不況の影響もあると思うが、近年、進学率が著しく上昇している。

(総合学科について)

  横浜市は市立高等学校間での人事異動が基本であり、本校が唯一の全日制総合学科高校なので、本校に異動してくる教員は総合学科の経験がない教員が多い。従って、普通科から総合学科に異動すると、教員の年齢層が高いこともあり、その違いにかなり戸惑いを感じるようである。
 「産業社会と人間」は学校の特色を出せるという魅力はあるものの、教科ではないため専門の教員もいないし、全教員で取り組む指導の難しさを感じている。
  総合学科は幅広い多様な選択科目が特長であるが、進学率の上昇に伴い、専門教科・科目を選択する生徒が減少しており、その結果、総合学科の理念と実態が乖離してきているように感じる。例えば、職業意識を高く持った結果、進路実現のために生徒が大学進学を目指すと、受験を意識した普通教科・科目を選択しがちとなり、総合学科の特長と矛盾が生じてくる。
 また、系列選択科目を幅広く設けても、受講希望生徒が少ない場合は開講できないこともあり、様々な特色ある授業を開設したいと思っても、施設・設備、マンパワーが足りていないという問題もある。総合学科の理念を達成するには、ヒト・モノ・カネの支援がなければ難しい部分もあるのではないだろうか。

(キャリア教育について)

 有名大学に入りたくて大学に進学しても、大学進学がゴールでは意味がない。将来のキャリアを展望できるようにならなければいけない。その意味では、学校段階においてしっかりとキャリア教育を行うことが重要と考える。本校では、1年次から選択科目を開設しているので、入学前からガイダンスを実施するなど、生徒達に自分の将来を積極的に考えさせる機会の充実を図っている。また、入学後は「産業社会と人間」、「総合的な学習の時間」、「社会体験活動」などを活用し、職業観・勤労観の育成を図っている。

(国際交流について)

 海外からの留学生を積極的に受け入れているほか、国内で語学研修を行ったり、毎年20名程度の生徒を海外姉妹校との学校交流、ホームステイプログラムに派遣している。予算の制約があり厳しいが、より多くの生徒に海外経験の機会を与えたいと思っている。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --