新潟県立新潟翠江高等学校長 吉田弘氏 インタビュー概要

1.実施日

平成23年2月7日(月曜日)

2.インタビュー対象者

新潟県立新潟翠江高等学校長 吉田弘 氏

3.概要

○ 定時制・通信制の抱える課題について

 今日の定時制・通信制高等学校は、働きながら高校教育を学ぶ生徒に加え、様々な学習歴を有する生徒が在籍する「多様な学びの場」となっている。このような現状を踏まえ、学校の実態に応じた特色ある教育活動を展開し、生徒の学習に対する興味・関心を喚起して生徒の多様な学習ニーズにきめ細かく応えていく必要がある。
 こうした課題に対応するため、地域の自然を活用した学校設定科目の設置や地域社会と連携したキャリア教育の推進などにより、豊かな人間性をはぐくむとともに、地域に信頼される学校づくりの在り方について、文部科学省事業の指定を受けて実践研究を行ったところである。
 今後もこうした取組を継続し、多様な生徒に対して、自尊感情をはぐくみながら主体的に社会生活を送るための力を身に付けさせたいと考えている。

○ 単位制について

 単位制の存在意義は大きい。個別に柔軟な時間割を組むことができ、ほとんどが少人数の授業となるおかげで卒業できている生徒も多い。進級に関する不安など、悪い意味でのプレッシャーもない。単位制は自主性を尊重するシステムである。
 履修科目の登録については、将来の進路を主体的に考えて行われるのが理想である。苦手だからとか難しいからといった理由で授業を履修することがないよう、履修指導を丁寧に行うとともに、生徒のニーズに応じた教科・科目を設置することが課題である。また、履修科目の登録時のみならず、日々の学校生活の中でも常に生徒の学習意欲を高める工夫が必要である。

○ 高等学校教育の質の保証について

 本校の場合、高校で学ぶということについて、強い動機付けをもっている生徒は多くない。また、多様な学習歴を有する生徒も多く在籍している。このような生徒にとっては、高校を卒業することが目標になっていて、保護者もその希望を強くもっている。生徒として受け入れた以上はそのニーズに応える必要があり、学校に来させること、卒業させることが課題となっている。
 ただし、社会人として必要な学力を身に付けさせた上で卒業させることが大切であると考えており、少人数授業やきめ細かな教育相談を実施するなどして、できるだけ手をかけながら教育活動を実践することが求められている。

(以上) 

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --