北海道岩見沢東高等学校長 岡田義明氏 インタビュー概要

1.実施日

平成23年1月31日(月曜日)

2.インタビュー対象者

北海道岩見沢東高等学校長 岡田義明 氏

3.概要

(本校の状況について)

 本校は、札幌のベッドタウンの役割を担う人口9万人の岩見沢市にある。空知教育局管内では、定時制は本校を含め2校。道内には、札幌に道立及び市立の定時制課程の大規模校があるが、本校は各学年1クラス(10名前後)の小規模校である。
 生徒の特徴としては、定時制本来の働きながら学ぶ生徒はもとより、内面的な悩みや心の病を抱え、中学校時代に不登校であった生徒、他の高校を中途退学した生徒、生涯学習を目指す方々など多様化している。一人親家庭、経済的に困窮する家庭など多様な生育歴を抱えているほか、学力差も大きく、義務教育段階の学習内容の定着のないまま入学してくる生徒も多い。このため、基本的な生活習慣・道徳的な実践力の定着と社会生活に対応できる基礎学力の修得を目指して努力している。
 生徒の有職状況は、本年度5月1日現在約50%ではあるが、そのほとんどがアルバイトであり、不安定な条件の中で働いているのが現状である。社会性や職業観、勤労観は働くことでより深く身につくものであると考えており、アルバイトであっても就労は積極的に勧めている。

(課題と改善方策について)

 小・中学校時代に不登校経験のある生徒が非常に多く、本校入学後に再び不登校になるケースも見られる。学級懇談、三者面談や生徒との個別面談を計画的に実施し、地道な努力を粘り強く繰り返すことで不登校を解消し、出席率の向上に努めている。教員間の情報交換を密にし、指導の改善に努めつつ、家庭との連携を図り、基本的生活習慣を育成している。
 不登校経験のある生徒を多く抱えるため、生徒の学力差はかなり大きい。習熟度別指導を行う等、学力格差を配慮した指導に努め、放課後などの補習や課題指導などで基礎学力の定着を図りつつ、さらに、選択する生徒に対しては三修制を推進している。

(特別支援教育について)

 年々サポートを必要とする生徒が増えてきており、本校では養護教諭の役割、負担が非常に大きい。一般の教員では対応が難しいケースも見られるため、定時制高校に特別支援教育の専門家を配置して欲しい。
 道の「特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業」及び「道立学校スクールカウンセラー派遣拡充事業」を活用しており、担任、養護教諭が中心となり学業指導会議での情報、個人面談等の資料を用いながら生徒の教育相談やカウンセリングなど個別指導の充実に努めている。

(以上)

 

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年05月 --