福島県教育委員会からの御意見

所属・現職等

福島県教育委員会 教育委員長 鈴木 芳喜 氏

御意見

(今日の高校教育が抱える問題点1)

○生徒数の減少に伴い学校規模が縮小すると、生徒が互いに切磋琢磨する活力ある学習環境の確保が困難になり、また、多様な特色のある学校・学科の各地区での配置が困難になることにより、高等学校教育の質の保証が失われるおそれがある。
 とりわけ、広い県土に人口が分散する本県においては、学校規模の適正化を図るため、過疎・中山間地域における小規模校を再編整備することには、生徒の学習機会の確保に問題を生ずるおそれがある。

(その解決策)

○高等学校教育の質を保証するため、過疎・中山間地域の生徒の学習機会の確保に留意しつつ、学校規模の適正化、学校の適正配置を推進することとあわせて、社会の変化に対応する特色ある学科を適正に配置することにより、高等学校の教育環境の充実を図る高校改革を推進する。
 また、経験豊かな教職員を地域の実情に応じて配置し、十分な教育活動が展開できるような加配措置について検討していく必要がある。

(今日の高校教育が抱える問題点2)

○国は、学校制度改革等により多様な学習機会を用意するとともに、学習指導要領に基づく必履修科目数の削減や卒業必要単位数の削減を行ってきた。
 このことは、高校進学率を高めるとともに、多様な生徒の学習意欲の向上を図ってきたことは間違いない。しかしその一方で、生徒間の学力差は明らかに拡大しており、知識基盤社会を維持していく上でも、この問題の解決に取り組んでいく必要がある。
 また、特別な支援を必要としている生徒の高等学校での対応や、教育相談体制のさらなる充実が課題となっている。

(その解決策)

○高校進学率が98%を越え、多様な生徒が入学する現在の状況において、生徒一人一人に合わせたきめ細やかな指導をするため、抜本的な教職員定数の見直し・充実を図るとともに、スクールカウンセラーなど必要とされる新たな職種を学校教育法へ規定することについて検討していく必要がある。

(今日の高校教育が抱える問題点3)

○戦後の生徒の体力の向上、国としてのスポーツの競技力向上の上からも高校における部活動の果たしてきた(現在も果たしている)役割は大きい。その一方で、教員の勤務が多忙化しているという問題を一貫して内在してきた。

(その解決策)

○以前から提言されているように、外部指導者の学校への導入や学校における部活動を社会体育へ移行させることなどを検討していく必要がある。

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年04月 --