神奈川県立大井高等学校総括教諭 七海勝浩氏インタビュー概要
1.実施日
平成22年11月18日(木曜日)
2.インタビュー対象者
神奈川県立大井高等学校総括教諭 七海勝浩 氏
3.概要
(課題)
- 進路意識が希薄で、職業観が十分身に付いていない生徒が少なからず存在する。
- 生きる力の基盤となる基礎基本の知識・理解が十分身についておらず、さらには基本的生活習慣が身についていない生徒が少なからず存在する。
(課題の解決策と留意点)
1.について
- 職業観を身に付け、コミュニケーション能力を育成する方策として
○キャリア教育のためのカリキュラムを設定
例:一般科目の授業の工夫、総合的な学習の時間、福祉、看護、保育
○外部教育力の活用
例:ホームペルパー2級、インターンシップ、ボランティア活動、地域貢献活動(地域の祭りへの参加、清掃等)
- また教員のさらなる意識改革、並びに、大学受験のためのカリキュラムを意識しすぎない、生徒の特性に応じた生徒が主体的に活動する実習や体験学習等を行うことも重要と考えており、その認識を共有することが必要である。そのために生徒の発表会形式の研究授業等を行っている。
- この他、生徒の課題は、生徒を取り巻く社会環境や家庭環境に起因する部分もあり、地域社会全体で進路意識の高揚と職業観の育成に向けて総合的な支援が必要と考える。
2.について
- 社会で自立して生活するための基礎・基本の定着に向けて、まず小学校・中学校でのつまずきや苦手意識を克服することが必要だが、学習の仕方が身についていない生徒も見受けられる。つまずきが生徒によって異なり多様であるとともに、これらの生徒にきめ細やかに対応するために、1学年は6クラス240人規模のHRクラスを8クラス展開にし、教員一人当たりの生徒の受け持ち人数を減らし、対応している。
- 高校だけでカリキュラムを考えるのではなく、小・中の協力と地域の協力により育成したい生徒像を描き、カリキュラムを設定していく事が不可欠である。そのため、地域小中学校、地域教育委員会(教育事務所)と互いに授業研究会で意見交換し合うなど、職員の交流を行っている。また、学校評議員制度を活用し、地域関係者にご意見をいただいている。
(以上)