京都府立大江高等学校教務部長 金井克彦氏 インタビュー概要

1.実施日

平成22年12月2日(木曜日)

2.インタビュー対象者

京都府立大江高等学校教務部長 金井克彦 氏

3.概要

(特色ある学校づくりと、「生きる力」の定着について~京都府立大江高等学校の取組~)

 通常、高校の広報活動は教員が主体となって中学校を訪問し、あるいは、公式HP上に高校情報を掲載する形式が一般的であるが、本校では、以下の様な取組を通じ、広報活動等の充実・活性化に努めている。
 本校ビジネス科学科・第3学年では、教科「ビジネス実践」の授業の一環としてインターネット・ショッピングモール「くるせる」(http://crsel.jp)を運営している。
 「くるせる」では、営業活動を通じ、生徒自身が主体となり、実践的なビジネス体験や広報活動等を行うようにしている。「くるせる」の目的は、高校生の段階から外部とのかかわりを積極的に持たせることで、コミュニケーション能力を身につけさせようとするものである。携帯電話等の普及により人間関係が希薄化した現代社会において、直接的に外部とかかわる機会を与えることで、生徒たちに「生きる力」や「道徳力」を身につけることにもつながると考えている。
 また、今後、インターネット・ショッピングモール「くるせる」の発展形として、恒常的なインターンシップや保護者又は企業と生徒が共同で会社を経営する、「地域連携特区」のような取組が実践できればと考えている。

(基礎・基本の定着と進路希望の実現~京都府教育委員会及び京都府立大江高等学校の取組~)

 本校では、「学力向上フロンティア校支援事業」として京都府教育委員会から指定を受け、平日学習時間の確保及び学習意欲の向上を目指し、生徒が携帯電話等を利用していつでもどこでも学習できるシステム(OE-Study)を構築している。生徒はこのシステムを使い、基礎・基本的な学力の定着を図り、将来の進路希望の実現に向けて学習に取り組んでいる。
※「学力向上フロンティア校支援事業」(京都府教育委員会)
 指定を受けた、京都府立高校が自ら設定した学力向上に向けた先進的な取組を行うことにより、生徒一人ひとりの学力向上に資するとともに、府立高校全体の学力充実・向上に向けた取組のレベルアップを図ることを目指す。

(特別支援対象生徒の支援及び進路保障について~京都府立高校の取組~)

 学校現場では、以前に比べ発達障害のある生徒の割合が増加傾向にある。しかし、教員は医師の資格を有するわけではないので、特別支援が必要であると診断できず、適切な対応がとれていないケースも見受けられる。
 そこで、学校がそうした生徒への対応について、気軽に相談できるような機関が普及すれば、教員の負担軽減にもつながると考える。
 京都府の場合、校内に特別支援教育コーディネータを配置、特別支援会議を主催し当該生徒の支援計画等を策定している。また、必要に応じ特別支援学校の地域支援センターと連携し、当該生徒の個別支援に関する指導助言を受け、支援充実の一助としている。また、定期的にスクールカウンセラーに来校いただき、心身に課題を抱える生徒をサポートするシステムが構築されている。

(リスクマネジメントについて~全般的な提言~)

 ステークホルダーからクレーム等があった場合でも、教員が法令に基づき毅然とした対応ができるよう、リスクマネジメントの校内研修や職員会議等でスクールコンプライアンス演習を行うことが必要。
※  ステークホルダー=生徒、保護者、地域社会など、学校を取り巻く利害関係者
※  スクールコンプライアンス=学校現場における法令順守

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成23年02月 --