和歌山県立紀央館高等学校長 小山宣樹氏 インタビュー概要

1.実施日

平成22年11月1日(月曜日)

2.インタビュー対象者

和歌山県立紀央館高等学校長 小山宣樹 氏

3.概要

(高等学校の抱える課題について)

・キャリア教育・職業教育について
高等学校の普通科と職業科の割合について、保護者や中学校からは普通科を増やして欲しいとの要望があるなか、職業科は内容を充実させ、活性化していかないといけないが、どのような改善をし、どのように魅力を発信していくかが課題となっている。
職業科におけるキャリア教育・職業教育の果たしている役割は大きい。一方、普通科ではどうしても大学受験のための指導となりがちだが、何割かは大学へ進学しないことからも、普通科においても職業観・勤労観の育成をきちんとしないといけないと考える。普通科におけるキャリア教育の在り方についても検討する必要がある。
中学校の進路指導においても、中学校教員の多くは普通科出身であると思われるため、職業科についてはあまり知らないのではないかとの懸念があり、どのような指導が適切か検証を進めていかなければいけない。中学校段階でのキャリア教育も重要であると考えている。
これらのことからも、キャリア教育に対応した教育課程を構築していく必要がある。学校の特色とは、他の学校にないことをしているから特色なのではなく、地域にとって、子どもたちにとってどういうカリキュラムを構築することが将来の子どもたちのためとなるかが大事であり、学校だけで考えるのではなく、生徒・保護者や地域等のニーズを確認しながら進めていく作業になると考える。
特に、いわゆる進学校では大学入試に特化したような教育となるため、キャリア教育はあまり実施されていないのではないか。職業科の高等学校でも、進学を重視すると普通科とあまり変わらない発想でカリキュラムの作成をしがちであるが、どう特色を出していくか、学力、そして生徒・保護者や地域等のニーズを総合的に考えたカリキュラムにしないといけない。教育課程を編成するときの発想をきちんとしないといけない。教え方についても、職業を意識させるような工夫をしていかないと生徒には伝わらないこともある。
キャリア教育・職業教育を根付かせるためには、教育内容や教育方法についてもある程度示すなどして、教員が学校や子どもたち、地域に応じた工夫した取組みができるような方向へ持っていく必要があると考える。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成22年12月 --