福島県立福島高等学校教頭 末永仁氏 インタビュー概要

1.実施日

平成22年11月1日(月曜日)

2.インタビュー対象者

福島県立福島高等学校教頭 末永仁 氏

3.概要

(高等学校の抱える課題について)

・大学入試への対応、教員の負担について
福島県には予備校のような外部的な教育機関が少ないこともあり、生徒の進学希望実現という保護者の要望に対応するため、教員は授業終了後、土日、長期休業中の課外授業などその対応に追われ非常に多忙である。また、教員は受験対策だけでなく、部活動の指導もあるため、ほとんど休みのない状態である。
また、大学(特に私立大学)において入学者の選抜方法を頻繁に変える傾向にあるため、学校としても対応がたいへんである。
中学校までの学習の理解が十分でないために、高校の学習指導要領の内容を理解させることが難しい生徒が多くいる学校もある。

・発達障害の生徒への対応について
近年、アスペルガー症候群のような発達障害と思われる生徒が増えていると感じており、普通学級のなかで個に応じた対応がとれるかが心配である。特に進路指導に際して十分時間をとることが難しい。教員は多忙であり、専門家やスクールカウンセラーを中心とした研修会の時間もなかなかとれない。

(課題への対応策について)

大学入試への対応については、生徒に力をつけさせるような指導を学校として継続することが大切であるが、教員の情熱や気持ちに負うところが大きい。入学者の選抜方法が頻繁に変わることについては、難しいとは思うが、文科省から大学へ入試方法の改善について指導することはできないか。
教員の多忙解消の解決策のひとつとして、特に運動系の部活動の指導を社会体育と連動させて欲しい。教員としても負担が減り、生徒にしても専門家の指導が受けられるようになる。
発達障害の生徒への対応として、校内研修を実施していく。また、中学校側との連携により、発達障害と思われる生徒を事前に把握することも必要である。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成22年12月 --