鳥取県立倉吉東高等学校教頭 吉田祐子氏 インタビュー概要

1.実施日

平成22年10月28日(金曜日)

2.インタビュー対象者

鳥取県立倉吉東高等学校教頭 吉田祐子 氏

3.概要

(高等学校の抱える課題について)

・地方の公立高校の抱える悩み
地域の中に当校への進学を敬遠する傾向がある。入学生は必ずしも学力の高い方ではないが、学校では保護者のニーズに対応するため、生徒には背伸びをさせていろいろなことをさせているのは確か。当該地域では苦労するよりも、ある程度の大学へ進学し、ある程度のところに就職できればよいという雰囲気があるように感じる。生徒には学びに対する貪欲さがない。中学校段階でも、高校入試の時期にあまり伸びない。入試の最後の追い込みの部分で、何らかの精神的な弱さが働いているように想像する。中学校の先生からしてみれば、頑張って難しいところを目指すような指導はせず、手の届く範囲でよいとする保護者や生徒の意識をそのまま受けとめているようなところがあるのではないか。中学校側と高校側の考え方に乖離があるのでは。
解決策として自校のアピールが必要になる。学校訪問やHPを毎日更新するなどしてPRしていくことを考えている。しかし、地域の雰囲気として自分を磨いて上を目指していくという意気に欠けるところあるため、PRするにも難しい。人口も今後ますます減少していくなか、もっと地域・学校を活性化させたいが、地域のムードが現状のままでは困難。個人的な考えではあるが、他県からでも進学できるようなシステムがあれば、学校の特色を県外にも広報できてよい。
人口減、教員定数減、学級数減のなか学校に求められるニーズをどう確保するかが課題。先日、本校の専攻科の廃止が議決されたが、これによって在校生には浪人できないという思いが強くなり、手の届く範囲での進学を希望する傾向がさらに強くなるのではないか、また教員定数も少なくなるため、今までの水準が確保できるのかどうか懸念している。鳥取県では学力向上策として様々な取組が行われているが、国の政策として、学級定数減や土曜日活用(教職員の勤務形態のフレキシブル化)はできないだろうか。本校は、大学合格が目標ではなく、ビジョンとして主体的な学習者と21世紀をリードする人材の育成を掲げている。将来の日本・世界を担おうとする高校生が育つ政策を出してもらえればと考える。

(以上)

お問合せ先

初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室

(初等中等教育局初等中等教育企画課教育制度改革室)

-- 登録:平成22年12月 --