平成19年度中に行われた、各都道府県・指定都市教育委員会(以下「県市」という。)における教育職員(公立の小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校の校長、教頭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師、実習助手及び寄宿舎指導員をいう。)に係る懲戒処分等の状況の調査結果について公表いたします。
当事者責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は12,887人(前年度比11,728人増)であり、訓告等及び諭旨免職まで含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数は17,482人(前年度比12,951人増)である。また、監督責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は89人(前年度比116人減)であり、訓告等及び諭旨免職まで含めると862人(前年度比231人減)となる(表1)。
なお、懲戒処分件数が大幅に増加しているのは、北海道及び札幌市において争議行為に係る懲戒処分等があったことが要因となっている((2)参照)。
懲戒処分等について、処分の事由別にみると次のとおりである。
<総括表>懲戒処分等の状況 (単位:人)
処分事由 |
平成19年度 |
平成18年度 |
||
---|---|---|---|---|
懲戒処分者数 |
訓告等を含めた総数 |
懲戒処分者数 |
訓告等を含めた総数 |
|
a 交通事故 |
426(7) |
2,474(135) |
531(9) |
2,390(164) |
b 争議行為 |
11,899(0) |
13,623(0) |
10(0) |
17(0) |
c 体罰 |
124(7) |
371(171) |
169(6) |
424(218) |
d わいせつ行為等 |
139(12) |
164(112) |
170(23) |
190(122) |
e 公費の不正執行又は手当等の不正受給 |
40(25) |
76(81) |
16(55) |
25(79) |
f 国旗掲揚、国歌斉唱の取扱いに係るもの |
45(0) |
54(0) |
58(0) |
98(0) |
g その他 |
214(38) |
720(363) |
205(112) |
1,387(510) |
合計 |
12,887(89) |
17,482(862) |
1,159(205) |
4,531(1,093) |
(注1)( )は、監督責任により懲戒処分等を受けた者の数で外数。
(注2)監督責任による懲戒処分等とは、非違行為を行った所属職員に対する監督責任を問われた懲戒処分等である。
(1) 交通事故に係る懲戒処分等の状況(表2,表3)
当事者責任として交通事故(人身事故等を伴わない交通違反も含む。)に係る懲戒処分を受けた教育職員の数は426人(前年度比105人減)であり、訓告等及び諭旨免職まで含めると2,474人(前年度比84人増)である。 懲戒処分を受けた者のうち、飲酒運転(酒酔い運転及び酒気帯び運転をいう。)を原因とする者は81人で19%を占めている。飲酒運転については、各県市とも厳しい態度で臨んでおり、懲戒処分についてはすべて停職以上の処分となっている。 なお、教育職員の起こした交通事故の監督責任として懲戒処分を受けた者は7人(前年度比2人減)であり、135人(前年度比29人減)が訓告等を含めた懲戒処分等を受けている。
(2) 争議行為に係る懲戒処分等の状況
争議行為に係る懲戒処分等については、北海道及び札幌市において査定昇給制度や職員給与削減延長に反対することを目的とする争議行為を実施したことにより13,617人が懲戒処分等を受けている。また、東京都において、賃上げ要求の実現等を目的とする職場集会を企て、そそのかしたこと等を事由として6人が懲戒処分を受けている。
県市名 |
処分年月日 |
懲戒処分等の |
争議行為があった |
---|---|---|---|
北海道 |
平成20年2月28日 |
戒告・11,695人 |
平成20年1月30日 |
札幌市 |
平成20年3月18日 |
減給・6人 |
平成20年1月30日 |
東京都 |
平成20年2月18日 |
停職・2人 |
- |
(3) 交通事故及び争議行為に係るものを除いた懲戒処分等の状況(表4~8)
交通事故及び争議行為に係るものを除き、当事者責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は562人(前年度比56人減)であり、訓告等及び諭旨免職まで含めると1,385人(前年度比739人減)となっている。主な項目については、次のとおりである。
ア 体罰に係る懲戒処分等の状況(表4)
体罰を行ったことにより当事者責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は124人(前年度比45人減)であり、訓告等及び諭旨免職を含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数は371人(前年度比53人減)である。
イ わいせつ行為等に係る懲戒処分等の状況(表5)
わいせつ行為等を行ったことにより当事者責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は139人(前年度比31人減)であり、訓告等及び諭旨免職を含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数は164人(前年度比26人減)である。
(※ わいせつ行為等に係る懲戒処分等事案の具体的内容については、別紙1参照)
ウ 公費の不正執行又は手当等の不正受給に係る懲戒処分等の状況(表6)
公費の不正執行又は手当等の不正受給等を行ったことにより当事者責任として懲戒処分を受けた教育職員の数は40人(前年度比24人増)であり、訓告等及び諭旨免職を含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数は76人(前年度比51人増)である。
エ 国旗掲揚、国歌斉唱の取扱いに係る懲戒処分等の状況(表7)
国旗掲揚、国歌斉唱の取扱いに係る懲戒処分を受けた教育職員の数は45人(前年度比13人減)であり、訓告等及び諭旨免職を含めた懲戒処分等を受けた教育職員の数は54人(前年度比44人減)である。
表9は、分限処分を県市別にまとめたものであり、表10は、そのうち病気休職を除いた処分をまとめたものである。
分限処分は、全体で8,324人(前年度比423人増)である。そのうち病気休職処分が8,069人(前年度比414人増)と全体の96.9%を占めている。病気休職のうち精神疾患によるものが、4,995人(前年度比320人増)で61.9%を占めている。病気休職者の数は、増加傾向にある。(表11)
(※ 病気休職者の学校種別、年代別状況については別紙2参照)
表12は、平成20年1月31日付け初等中等教育企画課長通知「平成18年度 教育職員に係る懲戒処分等の状況、服務規律の確保及び教育職員のメンタルヘルスの保持等について」を受けた後のメンタルヘルスの保持にかかる各県市の取組についてまとめたものであり、表13は各県市ごとの取組状況を、表14は市区町村教育委員会の取組状況をまとめたものである。(※ 通知については、別紙3参照)
教育公務員係
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-- 登録:平成22年12月 --