日本人若手英語教員米国派遣事業 研修成果活用事例6(中学校)

研修した内容を活用した授業づくり

英語教授法の研修を通して学んだ、CLT(コミュニケーション能力の育成と言語の形を超えて機能の教授に重点が置かれている教授法)とDesuggestpedia(学ぶことに対する心理的なバリアをなくし、意識的レベルと無意識的レベルの脳の活動を統合させ、潜在能力を開発させ、言語を学ぶ意欲を持つことができるようにするために、母国語を使用することも可能とする理論)の二つを意識して授業展開を行うよう努めている。毎回の授業で以下の点を取り入れるようにしている。
・写真、絵や実際の物を使う。
・毎回の授業の初めに英語のチャンツや歌(ターゲット文法を含むもの)を取り入れる。
・生徒が黒板に自分の解答を書き、全体の前で自分の答えを読む。間違いがあった場合は、他の生徒に意見を聞き、解説をしてもらう(Peer correction)。
・ペアワークやグループワークをできるだけ取り入れる。
・問題の答えをただ伝えたり、本文などの解説をするだけではなく、英語の会話文や説明文の背景や登場人物の心情について質問し、自分たちの実生活と関連付けながら考える機会を持たせる。日本語と英語を内容の難易度によって使い分けて、生徒の考えや感想が発言できるようにしている。
・その日の授業のターゲットと授業内容を黒板に提示することにより、生徒の目標達成意識を高め、自己評価がしやすいようにした。

実践例1

海外などでもよくある買い物の場面を通して、「○○してくださいませんか」と人に何かを丁寧に依頼する表現などを使って話したり書いたりする。実際にプレゼントを送る相手の写真や絵、人形、花や手紙と包装箱などを用意して、生徒が視覚から情報を得て興味を持てるようにした。また、ワークシートには、生徒自らが買ったものの絵を描くことにより、生徒の英語に対する心理的バリアを下げ、より生徒個人の実態に近い状況を作るようにした。

実践例2

call/make+A+B やIt-(for A) + to- の文を含む文を本文とは違う題材を通して活動を取り入れた。まず、活動で必要となる形容詞をウォームアップのペアワークで取り入れ、その後ALTによる世界遺産(ナチスのホロコーストについて)に関する話をListeningの活動として取り入れた。その際に、米国研修で見学をしたホロコースト博物館の話も取り入れた。最後に、絵と文をつなげながらターゲット文法を用いる活動を通して、文法の定着を図った。その際に使用した絵と文はメッセージ性の高いもの(ごみ問題や飢餓問題などから生徒の身近な学校の校則)を使い、生徒が興味を持ちやすいように工夫をした。

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初等中等教育局教職員課

-- 登録:平成26年04月 --