「英語の授業は英語で行う」ことを原則とし、可能な限りAll Englishで英語の授業を進めている。
研修で学んだPPP(Presentation→Practice→Production) Approachをもとに、4技能の習得をバランスよく位置付けた指導過程へ改善を図った。以下は、教科書の本文内容を扱う際の指導過程である。
指導過程 |
PPP Approachにおける位置づけ |
---|---|
1 帯活動【Speaking / Writing】 |
|
2 課題提示【Listening】 |
Presentation(本時に学ぶ内容の提示) |
3 本文の内容理解(T or F / Q&A)【Reading】 |
Practice(本時に学ぶ内容の理解) |
4 音読【Reading】 |
Practice(本時に学ぶ内容の練習) |
5 教科書本文の再現活動【Speaking】 |
Practice & Production(本時に学んだ内容の練習及び表現活動) |
6 課題に対する書きまとめ【Writing】 |
Practice & Production(本時に学んだ内容を使っての表現活動) |
また、教科書本文の再現活動を行う際には、Meaning Negotiation Skills(意味交渉の技能・コミュニケーション能力の方略的能力)を育むために、「会話をするときに使いたい表現集」を作成し、活用させた。
(ア)県内における児童生徒の学習状況調査における結果比較から
昨年度実施の(平成25年1月実施)県学習状況調査を本年度(平成25年度12月実施)も実施し、昨年度正答率が低かったものを取り上げ、結果を比較した。
本校が捉えた出題の意図 |
正答率(平成24年) |
正答率(平成25年) |
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表現したい内容が、読み手に伝わるように正しく英文を書く問題 |
27.7% |
61.7% |
身近な話題について、書くべき内容を自分で考え、まとまりのある英文を書く問題 |
29.2% |
80.0% |
昨年度正答率が低かった問題をもとに授業改善を行った結果、どちらの領域においても正答率の上昇が見られた。これは、論理的思考力を育成するために、自己の思いや考えを述べたり、首尾一貫した論理構成(Topic→Support→Conclusion)で表現したりすることを継続して指導した結果であると考えられる。どちらとも研修を通して指導すべき内容として学んだことである。しかしながら、英語の文構造を正確に活用できない生徒がいる現状もあり、さらに「正確さ」にこだわって指導をすることが課題である。
(イ)生徒へのアンケートの結果比較から
研修後、「英語の授業は英語で行う」ということを原則として、実践を進めた。そこで、生徒に「英語の授業はよくわかる」かどうかについてアンケートを行い、その結果を比較した。
質問項目 |
よくわかる わかると答えた生徒の割合(5月実施) |
よくわかる、わかると答えた生徒の割合(11月実施) |
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英語の授業はよくわかる |
53% |
71% |
帰国後は英語で授業を受けることに戸惑いを感じていた生徒も徐々に英語で授業を受けることに慣れ、授業を理解できるようになっていると捉えることができる。また、アメリカで強く感じた「ペア学習」の有用性をもとに、「英語学習ペア」での教え合い学習を取り入れ、指導を行ったことも大きな成果であると考えられる。しかしながら、29%の生徒が英語の授業がわからないと捉えていることを考えると、いかにSlow Learnersに対して指導を工夫していくかが今後の大きな課題である。
初等中等教育局教職員課
-- 登録:平成26年04月 --